インタビュー

タブレット端末でデータ入力・管理を一元化。ケースワーカーの業務負荷を軽減する『タブレット訪問支援システム』とは | NetAttest20周年特別企画

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住民の個人情報を取り扱う全国の自治体では、情報セキュリティを強化し安心・安全を確保しながら、現場におけるシステム運用の効率化、そこに暮らす人々へのサービス向上をどのように実現させるかが課題となっています。そうした中、自治体向け業務パッケージの製造・販売をメインに行うのが 北日本コンピューターサービス株式会社です。

同社では『滞納管理システム』『貸付システム』など、自治体の業務を支える製品を数多く提供しています。その中でも、主力製品である『生活保護システムふれあい』は、全国シェア7割と多くの自治体に導入され、現場での業務効率化を支援しています。

今回は、同社 デジタルイノベーションラボ-AKITA 小野光史氏にお話を伺い、『生活保護システムふれあい』のオプション製品である『タブレット訪問システム』についてご紹介します。

タブレットの活用でデータ入力・管理を一元化。ケースワーカーの業務負荷を軽減

自治体の生活保護業務の現場では、ケースワーカーが生活保護受給者宅に訪問し、指導したり相談に乗ったりします。その際、生活保護受給者の様子や援助の進捗状況を記す「ケース記録」という資料を作成します。訪問する際は、訪問先のこれまでのケース記録を準備する必要があり、紙の書類で記録を管理していた時は数多くある書類の中から該当資料を探し出すのに時間がかかるなど、事前準備に負荷がかかっていました。

そこでケースワーカーの訪問業務を効率化するために開発されたのが、北日本コンピューターサービスが提供する『生活保護システムふれあい』のオプション製品『タブレット訪問支援システム』です。
同ソリューションがあれば、生活保護受給者のケース記録をタブレットで参照できるため、ケースワーカーの方々が行っている事前準備の負荷を軽減することができます。

同ソリューションが生まれた背景について、デジタルイノベーションラボ-AKITA 小野氏はこう語ります。

“ケースワーカーの方々は、生活保護受給者にお会いして、近況や変わったところはないかを直接ヒアリングして、アドバイスをするという業務を行っています。そのため、生活保護受給者のケース記録が非常に重要な資料になるわけですが、訪問前に分厚い書類の中から必要なものを探して抜き出す必要があり、準備に多くの手間がかかっていました。

そこで、訪問活動の効率化ができないかというご相談をいただき、生まれたのが『タブレット訪問支援システム』です。”



ケースワーカーの様々な業務負荷を軽減し、目の前の住民と向き合える環境をつくるために

ケースワーカーの業務における課題は、事前準備だけではありません。生活保護受給者宅を訪問後、その記録をシステムへ登録する際に調査メモをまとめたり、撮影した画像データの管理・登録をしたりといった事務作業も負担になっていました。
また、自治体ごとに訪問時のメモをスキャナーで取り込むなどの試みも行われていたこともあったそうですが、手書きの調査メモだけではヒアリング内容を聞き逃し、記録に漏れが生じる場合もあるなど、様々な課題がありました。

『タブレット訪問支援システム』では、タブレット上で生活保護受給者のケース記録を取ることができ、さらにテキストだけでなくタブレット端末で撮影した写真や録音した音声の記録も可能なため、入力作業の効率化だけではなくヒアリング内容の記録の精度改善を図ることができます。

また、テキスト入力による記録では生活保護受給者との会話中でも内容を記入できるよう、定型文も用意。定型文に沿って記録することで、訪問時や帰庁後の事務作業の効率化にも繋がっています。



現場で働くケースワーカーの方々の課題感について、小野氏はこう語ります。

“事務負担が多いと、ケースワーカーの方々は事務作業に追われるばかりになり、本来必要とされる細かな聞き取りが不十分になってしまう状況が起きていたと想定されます。何より、ひとりのケースワーカーが50人や100人といった生活保護受給者の方々と相対するケースも珍しくないため、どうしても膨大な作業量となってしまうのです。

もちろん、自治体においも、このような状況を解消するために働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)といった観点から職員の労働環境を改善し、住民と向き合う時間をさらに確保しようとしてきましたが、多忙な現場において、業務改善を並行して進めていくことは容易ではありません。

そんな理想と現実の隔たりを埋めるのが『タブレット訪問支援システム』です。生活保護受給者の情報をタブレットで参照することができ、さらに訪問時にタブレット上で訪問記録を入力できます。直感的な操作感で専門的なスキルを要求せず、導入後はスムーズに利用を開始できます。

弊社は、今後もお客様から頂戴するご要望をもとにソリューションの改善に取り組み、住民サービスの向上に寄与していきます。”

絶対に漏れてはいけない個人情報を取り扱うからこそ、NetAttest EPSの活用でよりセキュアな通信環境を実現

「三層分離」(「個人番号利用事務系」「LGWAN接続系」「インターネット接続系」の3つのネットワークを分離させることで、セキュリティを強化する)が基本の自治体の情報セキュリティ対策。そのため、インターネット接続系環境でできることは限られており、民間企業であれば当たり前のようにできること、たとえば会議室に持ち込んだ自席PCを使ってインターネット経由で配布された資料データを閲覧するといったことも制限される場合があります。そのため、会議室に資料を閲覧するための専用端末を用意するか、紙での配布資料を用意しなければならないといったことも珍しくありませんでした。
『タブレット訪問支援システム』を導入したことにより、自席以外の席や会議室でも情報を確認できるため、導入自治体からは喜ばれているといいます。

一方で、持ち運びができるタブレットであるがゆえに気になるのが情報漏えいです。『タブレット訪問支援システム』では、既定回数のパスワード認証失敗による内部データの消去などのセキュリティが施されています。

さらに、タブレット上では生活保護受給者のフルネームをあえて非表示にしたり、住所の一部をマスキングしたりするなどの対策を実施し、個人情報保護に努めています。

ただ、取り扱っている情報は絶対に漏れてはいけない個人情報。ましてや、生活保護に関する情報が万が一、漏れるようなことがあると、生活保護受給者個人の尊厳にもかかわります。そこで『タブレット訪問支援システム』では、ソリトンシステムズが提供するネットワーク認証に必要な機能をオールインワンで備えた『NetAttest EPS』を利用(※)。『NetAttest EPS』で発行した電子証明書をタブレットへインストールし、証明書がインストールされているタブレットのみ、通信を許可することでセキュアな状態を確立しています。

(※)現在『タブレット訪問支援システム』は無線版と有線版の2つがあり、無線版にて『NetAttest EPS』を利用いただいております。

様々な認証ソリューションがある中、『NetAttest EPS』を選ぶ理由について、小野氏はこう語ります。

“パスワード認証失敗による内部データの消去などのセキュリティが施されてはいるものの、より強固なセキュリティの実現が求められます。

そこで製品開発の過程で様々なソリューションを調査していく中で、『NetAttest EPS』には求めていた機能が揃っており、さらに自治体の導入実績が多くあることで採用を決めました。
 NetAttestシリーズが20周年を迎えられましたが、今後とも益々の発展と皆様のご活躍をお祈り申し上げます。” 

「タブレット端末でデータ入力・管理を一元化。ケースワーカーの業務負荷を軽減する『タブレット訪問支援システム』とは」(PDF)

謝辞

北日本コンピューターサービス株式会社様、インタビューにご協力いただき誠にありがとうございました。

安心・安全を担保しつつ、利便性も求められる自治体の情報セキュリティ。おかげさまで20周年を迎えたNetAttestシリーズですが、今後も日々の業務の効率化を支えながら、情報セキュリティ向上を実現できるソリューションを目指していきます。

取材日:2022年12月13日
株式会社ソリトンシステムズ



記事を書いた人

ソリトンシステムズ・セールスチーム