インタビュー

世界最高水準※1の顔認証技術を活かし、確実な本人確認と利便性向上の両立を実現|パナソニック コネクト × SmartOn ID

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新型コロナウイルスの感染拡大に伴う人々の生活様式や社会インフラなどの変化を受け、“非対面・非接触” への配慮が当然のものとして求められるようになりました。このような変化に対応でき、さらにセキュリティ強化も実現できるものとして「顔認証技術」への注目が高まっています。

今回は、最新の顔認証技術を活かしたソリューションを提供し、社会課題解決への幅広い貢献をこころざす パナソニック コネクト株式会社(以下、パナソニック コネクト) 現場ソリューションカンパニー サービス&ソフトウェアプラットフォーム本部の上野氏、原氏にインタビューを実施。同社が顔認証ソリューションの普及に向けて推進する “共創” の取り組み、そして株式会社ソリトンシステムズ(以下、ソリトン)が提供するPCログオン認証ソフト「SmartOn ID」との関わりについてご紹介します。

※1 2022年11月6日のNIST(FRVT 1:1)経年変化評価において、Mugshot(人種・経年変化を含む正面顔データ、他人受入率:10万分の1)で世界1位を獲得しました。同時にBorder(顔向き・照明変動を含むデータ、他人受入率:10万分の1 )で世界4位、KIOSK(下向き・見切れデータ、他人受入率:10万分の1 )でも世界5位にランクインするなど世界最高水準の評価結果を得ております。

製品導入後も企業を支援。導入から保守まで一気通貫のソリューション提供を行う パナソニック コネクト株式会社

パナソニックグループにおいてBtoBソリューション事業成長の中核を担い、お客様の “現場” に貢献する新たなITソリューションを提供する、パナソニック コネクト。

国内外の拠点で約28,500名の従業員が連携しながら、「サプライチェーン」「公共サービス」「生活インフラ」「エンターテインメント」などさまざまな分野のお客様に対し、最適なソリューションを開発し、導入しています。同社の特徴について、上野氏は次のように語っています。

“コンサルティングから入り、お客様の課題に合わせたソリューションの開発・提供、さらに導入後の運用保守・メンテナンスまで、トータルでサポートを行っています。 製品をご提供して終わりでなく、導入いただいた後に発生した課題についてもしっかりと対応し、継続的にお客様の事業発展に貢献することを目指しており、それが弊社の強みであると自負しております。” 

同社が展開する事業の中でも、成長事業と位置付けられるものの一つとして「現場ソリューションカンパニー」があります。

同組織は、現場で活用されるハードウェアにソフトウェアや要素技術などのテクノロジーを組み合わせてイノベーションを促進することで、お客様の現場課題や経営課題の解決に貢献することを目指す組織です。

各業界において専門性の高い営業やシステムエンジニアが、深い業界理解をもとにコンサル、提案、導入までを行い、保守・メンテナンス部門はお客様の現場課題を早期にキャッチアップし改善まで“伴走”することで、長期的かつ距離の近い顧客支援を実現しています。

非対面化・非接触化とセキュリティ強化を同時に叶える「顔認証ソリューション」



パナソニック コネクトが今もっとも力を入れている分野のひとつが、「顔認証」関連のソリューションです。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、人々の生活様式や価値観は大きく変化しました。その影響のひとつとして、働き方や社会インフラの整備、まちづくりなどの多様な場面で “非対面・非接触” が求められるようになりました。
こうした流れから、これまで対面・接触を伴ってしか行うことができなかったさまざまな場面において、「顔認証技術」が活用できるのではないかという検討がなされています。

原氏は、このようにして顔認証技術が注目を集めていることについて、以下のように語っています。

“例えばタクシー・トラック業界では、これまで運転者の酒気帯び確認の方法は対面が原則でしたが、「直行直帰の場合など対面での確認が困難な場合には、これに準ずる適宜の方法で実施すればよい」となりました。それを受け、なりすましを防止するためにも顔認証技術を活用した遠隔点呼サービスのニーズが増えてきています。
 また教育業界でも、授業や試験において対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド化が進められる中で、本人確認にオンライン認証を取り入れるといった事例が増えてきています。

こういった、スマートフォンやPCを使用したオンライン上での本人確認やなりすまし防止の他にも、オフィスの「入退室管理」、イベント施設での「入場者チェック」など、さまざまなシーンで顔認証技術が新たな生活様式を支えていくことになると捉えています。” 

また、顔認証技術を活用することで得られるメリットは、非対面化・非接触化だけではありません。 顔認証は生体情報を用いる認証であるため、ICカードやID・パスワードのように、本人以外によって使用されてしまうリスクがほとんどなくなります。また、持ってくることを忘れたり、紛失したり、パスワードのように失念してしまうといった恐れもありません。つまり、セキュリティ性の強化はもちろん、ユーザビリティや運用性の向上にも期待できるというわけです。

“より確実な本人の確認”をより効率的に行えるとなれば、なりすましや転売の対策に悩むスタジアムなどの「チケッティングシステム」や、企業の重要なシステムや端末などにおける「認証・認可」などの領域でも活用が広がっていくと考えられます。上野氏は、顔認証技術の将来性についてこう表現します。

“誰もが持つ「顔」による非対面・非接触の認証は、業界を問わずあらゆる場面で、従来の課題を解決するソリューションとなる可能性があります。現在はオフィスやテナント、空港、テーマパークなどで、パナソニック コネクトの顔認証ソリューションを活用した本人確認システムを導入いただいています。他にも医療関係において、マイナンバーカードに内蔵される顔情報を読み取り、本人の顔と組み合わせて認証し「資格の確認をする」弊社の「顔認証付きカードリーダー」が採用されるケースが増えてきています。 

またイベント施設などでは、ユーザーが登録した顔情報を用いて、入場から施設内での決済、施設周辺の交通機関の利用までを一貫して、いわゆる「顔パス」で行えるシステムの実証も進められており、一部実用化もはじまっています。今後ますます活用の幅は広がっていく見通しです。” 

企業と共創し、新たな顔認証技術の価値を見いだす

パナソニック コネクトは、自社ソリューションの販売や技術力の向上のみならず、現場ソリューションカンパニーを中心に、パートナー企業との “共創活動” にも積極的に取り組んでいます。

共創活動においては、SaaS型の「KPASクラウド」(※2)や、SDK(※3)といった形で顔認証技術の組み込みを支援。また、パートナー企業での新たなソリューション創出をより促進すべく「パートナープログラム」を設け、共同プロモーションや個人情報管理、知的財産関連の支援などまで行っており、2023年5月現在、このプログラムへの参加企業は約130社に及びます。

※2 KPAS:スマートフォンやタブレットといったデバイスで顔認証を実施できるパナソニック コネクトのクラウド製品
※3 SDK:ソフトウェアを作る際に必要なプログラムなどをまとめたパッケージ 

さらに、ハードウェアとして必要な開発キットやエッジデバイスも提供し、顔認証技術の新しい使い方を世の中に送り出すための取り組みを行っていると上野氏は言います。

“さまざまなパートナー様と手を組んで共創活動を進めてきたことで、当社の顔認証ソリューションが組み込まれたサービスがシェアオフィスに展開されたり、クリニックなどの予約システムと連携されたり、先に述べたように教育機関やタクシー・トラック業界でも活用されたりと、技術の可能性を大きく広げることができました。” 


異なる強みを持つパナソニック コネクトとソリトンが協力し、顔認証の魅力を世界へ発信

現場ソリューションカンパニーの共創活動の一環として、パナソニック コネクトの顔認証技術は、ソリトンのPCログオン認証ソフト「SmartOn ID」のエンジンとして組み込まれました。原氏は、プロジェクトの開始当初をこう振り返ります。

“ソリトンさんとは、2021年夏頃にパートナープログラムに加入いただいたことをきっかけに、共創活動がスタートしました。PCログオンセキュリティの世界で、「SmartOn ID」はいわゆる「チャンピオン」です。そこで、私たちの顔認証技術が役立てられることにとてもワクワクしました。”

「SmartOn ID」は従来、ID・パスワードとICカードの組み合わせでPCにログオンする多要素認証ソリューションとして知られていました。時代の要請に合わせて、以前から生体認証の提供にも取り組んでいましたが、まさにコロナ禍による世の中の変化で顔認証への注目が高まっているタイミングで、パナソニック コネクトの顔認証技術と出会うことができました。

パナソニック コネクトの持つ高い顔認証技術と拡張性が、「SmartOn ID」の持つ製品力や市場における信頼性のうえに加わり、業種や業界、規模を問わずお届けしやすいソリューションとなっています。お互いの強みを持ち寄ることで、これまでとは異なるアプローチの可能性が広がり、現在は両者の営業網を活用してより積極的な販売活動を行うべく、パートナーシップの強化が進められています。

最後に、ソリトンとの共創活動における今後の展望を、原氏はこう語ります。

“今回パナソニック コネクトの顔認証SDKを「SmartOn ID」に実装させていただき、市場ニーズにお応えできるITセキュリティソリューションを実現できたことが大きな成果になりました。

顔認証技術のみでは、どうしてもお客様にとっての価値が伝わりづらいところがあり、私たちは引き続き共創活動に力を注いでいきます。ソリトンさんとは、クラウド型の多要素認証サービスである「OneGate」においても、弊社の顔認証クラウドサービスと連携していく予定です。今後も顔認証技術を“一つの付加価値”として活用いただきながら、この技術がセキュリティ市場だけではなく、より広く社会に貢献できるよう共に進んでいければと考えています。” 



謝辞

パナソニック コネクト株式会社様、インタビューにご協力いただき誠にありがとうございました。

パナソニック コネクト様と共創することで、より多くのお客様の希望を叶えるソリューションを実現することができました。ソリトンは、引き続きITセキュリティメーカーとして企業の安全な経済活動に貢献するとともに、パナソニック コネクト様と力を合わせて、幅広い分野での取り組みにもまい進していきます。

取材日:2023年4月17日
株式会社ソリトンシステムズ

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記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム