企業のネットワーク環境において、無線LANは不可欠な存在です。従業員の利便性向上はもちろんのこと、個人所有のスマートフォンや協力会社のスタッフのデバイスを接続するなど、その用途は多岐に渡ります。
多くのユーザーが利用し、多様な使い方をするため、無線LAN環境には高い機能性が求められる一方で、できるだけ簡潔かつ迅速に導入ができること、そして万全なセキュリティも重要な要件となります。

このような手軽で機能的な無線LAN環境を実現するソリューションが、Cisco Merakiです。NTTデータ ルウィーブは、Cisco Merakiを日本で販売するとともに、機能性を維持しつつもセキュアな環境を構築できる方法として、Soliton OneGateとの組み合わせを推奨しています。
今回は、NTTデータ ルウィーブ ISS事業本部の望月 志音氏、佐藤 遼平氏に、Cisco Merakiとソリトンシステムズ(以下、ソリトン)との連携について聞きました。
NTTデータ ルウィーブは、NTTデータグループ企業として、金融向けソリューション、農協向けソリューション、全業種向けのICTインフラソリューションを提供しています。
ICTインフラソリューション事業に絞ると、Ciscoゴールド認定パートナーとして、長年多くのユーザーにネットワークインフラや、それに付随するサーバインフラなど、企業がビジネス運営を行うにあたり必要不可欠なインフラ基盤のコンサルティング、導入、運用サポートを提供しています。
Ciscoは、アメリカを拠点に通信、デジタル関連機器を世界的に提供するメーカー。そのゴールド認定パートナーは、Ciscoが最高水準のネットワークサポートと高い技術力を持つと認めた企業を意味します。
一方、Cisco製品は世界で利用されていますが、その強みは何なのでしょうか。望月氏が解説します。
NTTデータ ルウィーブ世界中で利用されていることで、Ciscoには多様なユースケースや最新の技術ニーズが集まり、それが確かなナレッジとして蓄積されています。
このナレッジが製品の信頼性につながり、安定した稼働を支えています。ネットワークにおいてシステム停止は最も避けたいリスクであり、Ciscoはそのリスクを最小限に抑えられる点で大きな強みを持っています。
そして、今回取り上げるCisco Merakiも、それら製品の一つ。シンプルかつ機能的な無線LAN環境を提供し、またSoliton OneGateとの連携でセキュリティも強化できます。
続けて、Cisco Merakiについて見ていきましょう。
Cisco Merakiは、Ciscoのクラウド製品群のブランド名です。今回紹介する無線LANのほかにも、ルーターやネットワークスイッチ、監視カメラなどがCisco Merakiのプロダクトとして存在します。望月氏は、次のように説明します。
こうした製品群を1つのクラウドダッシュボードで管理できるのが、Cisco Merakiの使いやすさにつながっています。
その他にも、Cisco Merakiのネットワーク製品と接続している端末やその利用状況もダッシュボード上で確認できます。どの端末(ユーザ)が利用していて、どのような問題が起きているのか?一目でわかるのもお客様から評価されているポイントです。
では、Cisco Merakiの無線LANソリューションはどのような使いやすさがあるのでしょうか。
導入が非常に簡単なところが、使いやすさのポイントです。
例えば、複数の拠点に無線LANを導入する場合、拠点ごとの個別設定は不要です。新しいアクセスポイント(AP)を追加する際にも、既存のAPの設定をコピーするだけで済みます。
これにより、情報システム担当者が原則的に現地へ赴くことなく、オフィスで完結できます。
無線LANのセキュリティを上げるには?効果的な方法としては、証明書による認証です。
Soliton OneGateはプライベートCA(認証局)をクラウドサービスとして展開しており、専門知識がなくても、ご契約後すぐにデジタル証明書の発行が可能です。

Cisco MerakiとSoliton OneGateを連携させることで、運用性に優れたセキュアな証明書認証による無線LAN環境を構築できます。
この連携の大きな特徴は、外部RADIUSサーバーを使わずに認証が行える「Merakiローカル認証」が可能な点です。認証時にRADIUSサーバーが不要となるため、ネットワーク構成がシンプルになり、コストの削減にもつながります。
また、望月氏はこれ以外にもSoliton OneGateには期待できるポイントがあると、語ります。
先ほどご紹介した無線LAN認証以外にも、SASEやSaaSなどのクラウドサービスと連携し、SSO(シングルサインオン)やMFA(多要素認証)を提供するIdP(アイデンティティプロバイダー)としての機能を備えています。
また、PCログイン時のMFA対応など、さまざまなセキュリティ機能を一つのプラットフォームで提供しており、お客様の環境に応じて柔軟に拡張できるため、多様な課題解決に貢献できるソリューションだと考えています。
証明書認証は、企業の無線LANにおける認証方式の中でも、最もセキュアな手法の一つです。
一方で、課題となるのが証明書の配布です。端末ごとに証明書を配布する必要があり、「手間がかかる」と感じる情報システム担当者も少なくありません。
Soliton OneGateでは、MDMとの連携や、Soliton KeyManagerを活用した申請リンクへのアクセスなど、複数の配布方法を提供しています。
これにより、証明書の配布や設定にかかる手間を大幅に軽減し、情報システム担当者やエンドユーザーにとっても使いやすい仕組みを実現しています。
NTTデータ ルウィーブでシステムエンジニアとしてCisco Merakiに携わる、佐藤氏も次のように語ります。
NTTデータ ルウィーブここまで望月が話してきた通り、Cisco Merakiは導入が簡単で、手軽さ、シンプルさが特徴です。
一方、Soliton OneGateもセキュアでお客様の環境に合った証明書配布ができ、情報システム担当者がキッティングを行う必要がありません。
この2つは手軽かつシンプルに導入・運用が可能なソリューションだと考えています。
また、こうしたSoliton OneGateの導入・運用のしやすさは、Cisco Merakiの特徴を損なわないことにもつながっています。Cisco Merakiのセキュリティをさらに強化でき、なおかつ人的リソースが限られた現場でも導入しやすいと実感できる組み合わせです。
これまで、Cisco Merakiをご利用のお客様の中には、セキュリティを重視してRADIUSサーバーを導入された方もいれば、予算の都合から導入を見送り、通信の暗号化とパスキーによる無線LAN認証で運用されている方もいらっしゃいました。
しかし、外部からの攻撃や内部不正のリスクを踏まえると、企業における無線LANの利用には、証明書認証の採用が有効な対策の一つとされています。
一方で、シンプルに無線LANだけを利用したいお客様にとっては、証明書認証の導入はコスト面や運用面でハードルが高いと感じられることもあります。
この点に関して、望月氏はSoliton OneGateであればお客様の要求にも適う、と語ります。
Cisco Merakiのローカル認証を活用しつつ、Soliton OneGateで証明書の発行・配布を行うことで、コストや人的リソースの負担を抑えながら、セキュアな無線LAN環境を構築できます。
両製品ともクラウドベースで、運用がシンプルに設計されているため、ユーザーに余計な手間をかけずに導入・運用が可能です。
これまでセキュリティ強化を検討しながらも、運用負荷やコスト面で断念されていたお客様にも、自信を持って提案できる組み合わせだと考えています。
高機能で手軽、そしてセキュアな無線ネットワーク環境をお求めの方は、NTTデータ ルウィーブ、ソリトンにご相談ください。
取材日:2025年7月11日
株式会社ソリトンシステムズ
手軽で高機能な無線ネットワーク「Cisco Meraki」と認証で果たすSoliton OneGateの役割(PDF)