イベント報告

医療現場の業務を止めないセキュリティ対策 | 第30回日本医療情報学春季学術大会出展レポート

水色の背景に六角形が2つあるイラスト 水色の背景に六角形が2つあるイラスト
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近年、医療機関を狙ったサイバー攻撃が後を絶たず、電子カルテシステムなどの基幹システムが深刻な脅威にさらされる事例が相次いで報告されています。こうした状況を受け、各医療機関ではセキュリティ対策の強化が急務となっていますが、同時に緊急を要する医療現場の円滑な業務進行を妨げない利便性の確保も、解決すべき大きな課題となっています。令和9年度を見据えた医療情報システムへの二要素認証対応に向け、多くのご担当者様が情報収集や具体的な予算取りの準備に奔走されていることとお察しいたします。

このような背景のなか、2026年6月11日から13日にかけて、栃木県宇都宮市のライトキューブ宇都宮にて「第30回日本医療情報学会春季学術大会シンポジウム2026宇都宮」が開催されました。本大会は、医療情報学に関する最新の研究成果や知見が共有される場であり、全国から多数の医療関係者様や情報システムご担当者様にご来場いただきました。株式会社ソリトンシステムズは、日々医療の最前線で尽力されている皆様が抱えるセキュリティ課題解決の一助となるべく、本学術大会の企業展示ブースに出展いたしました。

本記事では、展示会場で私たちがご提案したソリューションの数々や、ブースにお立ち寄りいただいた皆様から直接お伺いした現場の生のお声、そしてこれからの医療現場を支えるために必要なセキュリティの考え方について、詳しくご報告させていただきます。

会場でお伝えしたこと

今回の学術大会の企業展示において、当社ブースでは医療機関が直面する喫緊の課題に寄り添ったセキュリティソリューションを複数ご紹介いたしました。間近に迫るガイドライン対応を見据え、現場の負担を最小限に抑えつつ強固なセキュリティを実現するための具体的な手法をご提案することに注力しております。

医療情報システムを包括的に守る二要素認証

ブースで多くのお客様にご覧いただいたのが、医療情報システムへのアクセス時に二要素認証を用いて認証を強化する仕組みです。1台の端末を複数の職員様が共有して利用することが多い医療現場においては、誰がいつ端末やシステムにアクセスしたかを正確に把握し、なりすましを防ぐことは極めて重要です。当社では、OSへのログイン認証だけでなく、電子カルテをはじめとする各種アプリケーションへの認証、さらにはシステムを裏側で支えるサーバ群への二要素認証まで、医療情報システム全体をトータルで保護する一貫した認証強化のソリューションをご提案いたしました。

展示ブースでは、医療機関で広く利用されているHPKIカードを活用した簡易デモを実施し、実際の利用シーンを想定した操作感を体験していただきました。物理的なICカードを用いた認証は、日ごろから使い慣れている入退室管理システムと同様にICカードをかざして使えることから運用面でのハレーションが起きずに利用開始できるとの声がありました。1台の端末を交代で利用する共有端末環境や、緊急時に備えた運用回避手段を備えているという点も評価いただいたポイントです。

安全なファイル受け渡しとリモートアクセスの認証強化

二要素認証と並んで医療機関の皆様が頭を悩ませているのが、分離されたネットワーク間での安全なデータの受け渡し方法です。外部からの脅威を防ぐためにインターネット接続環境と医療情報システムのネットワークを分離している病院様が多く、系統間をまたぐデータの受け渡し時にUSBメモリを使用している病院が今でも多く存在します。USBメモリなどの物理媒体を用いたデータの持ち運びは、紛失リスクやマルウェア感染といったセキュリティ上の大きなリスクとなっています。そこで当社ブースでは、物理媒体に依存しないファイル受け渡し専用のアプライアンス製品に関する情報もご提供いたしました。ネットワークの分離環境を維持したまま、安全かつ直感的な操作でデータの授受を行えるソリューションは、脱USBメモリを目指す医療機関様にとって現実的な解決策となります。

さらに、遠隔地からの安全なアクセスを実現するVPNに関する資料もご用意し、丁寧にご案内いたしました。コロナ過以降、外部の保守業者様によるリモートメンテナンスの機会が増加しており、保守用VPNを起点とした不正アクセス事例も多く報告されています。そのため、ネットワークの入り口であるリモートアクセス環境に対しても、厳格な認証を適用することの重要性をお伝えいたしました。

ご来場された皆様の声

今回の学術大会では、大規模な総合病院様や大学病院様の情報システムをご担当されている方々が多数弊社ブースにお立ち寄りくださいました。皆様の多くは学会のセッションへの参加を主目的とされつつも、限られた空き時間を活用して、自院が抱える具体的な課題を解決できるソリューションを真剣に探していらっしゃいました。特に5月末に「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第7.0版(案)」が公表された直後に開催されたということもあり、次年度以降の予算化に向けた情報収集の熱量が非常に高いことを肌で感じました。

ブースで最も多くお寄せいただいたのは、二要素認証の導入に関する切実なご相談です。「ガイドラインの要件を満たすためには、システムのどの部分で認証を強化すべきか」「クライアント端末だけでなく、サーバ側も含めてどこまで対応範囲を広げるべきか」といった、全体方針の策定に関する根本的なお悩みを多く伺いました。多くの病院様が、場当たり的な対策ではなく、クライアントからインフラに至るまで、システム全体を守り抜くことができる包括的なソリューションを求めていらっしゃる実態が浮き彫りになりました。

また、すでに当社のセキュリティ製品をご導入いただいている別の医療機関様へ、実際の運用状況を視察に行かれる予定であるとお話しいただいたご担当者様もいらっしゃいました。カタログスペックの比較だけでなく、実際の医療現場でシステムがどう稼働し、職員の皆様がどのように運用されていらっしゃるかという実践的な情報を重視されているお姿が大変印象的でした。

加えて、今回は資料のみのご用意であったVPNの認証強化についても、予想以上に多くのお問い合わせをいただきました。リモートメンテナンス経路のセキュリティ強化が、医療システムを守る上での盲点になりやすいという危機感を多くのご担当者様が共有されており、皆様の高いセキュリティ意識と現場のリアリティを改めて認識する機会となりました。

おわりに 

3日間にわたる学術大会の期間中、非常に多くの医療関係者様ならびに情報システムご担当者様に弊社ブースへお立ち寄りいただき、誠にありがとうございました。短い時間ではございましたが、皆様が日々直面されているシステムの安全管理に関する深いお悩みや、現場の業務改善に対する高い情熱を直接お伺いすることができ、私たちにとっても大変実りある貴重な機会となりました。

本イベントの担当者より、ご来場いただいた皆様、そして今回はお越しいただけなかった皆様へ向けたメッセージをお伝えいたします。

今回の展示会を通じ、ガイドライン改訂を見据えた二要素認証の導入や、安全なファイル受け渡しに対する医療機関様のニーズが依然として非常に高いことを再認識いたしました。令和9年度の対応期限や次期予算の策定に向けて、早急かつ具体的な対応を迫られているご担当者様も多いことと存じます。私たちは単なる製品の提供にとどまらず、皆様の病院ごとの運用形態やご予算に応じた最適なセキュリティ対策を共に考え、形にしていくパートナーでありたいと願っております。ガイドラインへの対応方針や、日々のシステム運用に関するお困りごとがございましたら、どうぞいつでもお気軽にご相談ください。

医療現場におけるシステムのセキュリティ強化は、患者様へより質の高い医療を提供するために不可欠な取り組みです。そして、その基盤となるシステムの安全性を確保することは、医療の歩みを止めないための絶対条件と言えます。ソリトンシステムズは、今後も国産セキュリティメーカーとしての知見と技術を最大限に活かし、医療現場で尽力されるすべての皆様を全力でサポートしてまいります。末筆ではございますが、本学術大会の運営にご尽力された皆様、そしてご来場いただいたすべての皆様に心より厚く御礼申し上げます。

セキュリティのお悩みがございましたら、どうぞお気軽にソリトンシステムズまでお問い合せいただけますと幸いです。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・セールスチーム