インタビュー

多様な業務環境において、外部とのコミュニケーション効率化とセキュリティ強化の両立を支援|クオリティア「Active! zone」×「FileZen S」

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働き方が変わり、チャットやWeb会議が当たり前となった現代においても、メールは企業・団体にとって欠かせないコミュニケーションツールであり続けています。一方で、メールを主な感染経路とする「Emotet(エモテット)」の感染拡大を筆頭に、組織への攻撃経路としてメールが利用されるケースは今も昔も多く見られます。メールシステムには使い勝手の良さと、高いセキュリティの両立が求められ、企業・団体においては不可欠な検討事項になっているといえるでしょう。

なかでも自治体は、インターネット接続系と内部のネットワークを切り離して運用する「三層分離」を採用することが、ガイドライン(「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和4年3月版)」総務省)によって規定されています。ネットワーク環境を分離することでセキュリティを大きく強化できる反面、外部とのメールやファイルのやり取りを行う際の“利便性”には、たくさんの課題を抱えています。そのため、自治体においては特に“使いやすさ”に配慮しながら、セキュリティを強化できるソリューションを導入することが効果的です。

株式会社クオリティアは、メッセージング関連ソリューションの老舗メーカーとして、1993年の設立当初から常に品質にこだわりながら、安全かつスムーズなメールのやり取りをサポートしています。今回は同社の営業本部 フィールドセールス部 部長 辻村 安徳氏にお話を伺い、事業概要や、同社ソリューションの導入によって期待できる効果、そして株式会社ソリトンシステムズ(以下、ソリトン)が提供するソリューションとの関わりについてご紹介します。

誤送信対策からアーカイブまで。“メッセージングソリューションとセキュリティ”を提供する株式会社クオリティア

株式会社クオリティアは、メールとインバウンド・アウトバウンドのセキュリティ対策を中心としたソリューションの開発・販売を行っているITメーカーです。誤送信防止や無害化処理、アーカイブの保管、また標的型攻撃メール訓練など、メールに関連するソリューションを幅広く提供しています。近年ではオンプレミス製品だけでなく、クラウド型サービスの提供にも注力しています。

同社の強みについて、辻村氏は以下のように話します。

“クオリティアは企業のメールシステムに必要となる機能を、網羅的にご提供しています。メールの入れどころ、出しどころ、溜めどころなどのシステムを、「トータルメッセージングインフラストラクチャー」として包括的にご提供できている国産の企業は、当社をおいて他にありません。創業時から積み重ねてきた実績と経験に裏打ちされたナレッジを製品に反映しつつ、導入・運用支援などのカスタマーサクセスまで手厚く行っている点は、当社ならではの強みだと思っています。”

「Active! zone」による無害化で、メール経由の脅威を徹底除去

提供しているメールソリューションの中で、強固なセキュリティ対策として実績が増しているのが「Active! zone」です。「Active! zone」は、通常のウィルス対策ソフトでは検知しにくい“Emotetなどの標的型メール攻撃”に対しても高い効果を発揮するソリューションで、「マクロ除去」や「HTMLメールのテキスト化」など、メール内に潜むマルウェアや悪性データなどを排除する機能が搭載されています。



例えば、メールに添付されているExcelやPowerPointなどの業務ファイルに悪意あるマクロウィルスが仕込まれていた場合でも、「Active! zone」を通すことで ファイルに隠されたマクロウィルスを確実に除去することが可能です 。その際、添付ファイルはローカルネットワークから隔離された「Active! zone」上に一時的に格納されます。この仕様により、一般的なサンドボックス等では対処できないパスワード付きの暗号化ファイルであっても、隔離領域の中で復号化し、安全に中身を確認することができます。メール本文についてもテキスト化による無害化処理をしてから受信できるため、本文と添付ファイルの両面において、感染を未然に防ぐことができるというわけです。

その上で、「Active! zone」は“運用の柔軟さ”も兼ね備えていると、辻村氏は説明します。

“「Active! zone」に格納されたファイルは、「原文のまま」、「マクロを除去して」、「PDF化して」など、ダウンロードする際の処理方法を自由に選択することができます。それだけではなく、あらかじめ受信ポリシーを設定すると、その条件にマッチしたメールだけにアクション(各機能の動作)を実行できます。これにより、部署やチームごとのセキュリティポリシーに合わせた柔軟な運用が可能になります。”

他にも、「Active! zone」には老舗メーカーならではの独自機能が備わっていると辻村氏は話します。

「メールが届くまでの経由国を表示する」というユニークな機能があるのも特長の一つです。攻撃者は、国内での追跡調査 から逃れるため、複数の国を経由してメールを送信してくる場合があります。これを「Active! zone」で明らかにできる上「何カ国以上経由しているメールは受け取らない」といった受信設定を行うことも可能です。設定さえしてしまえば、ITリテラシーが高くないユーザーが多いといった環境でも、自然と効力を発揮するソリューションです。こういったユニークな機能や運用の柔軟性が評価された結果、「Active! zone」は全国400団体以上の自治体を中心に、広く導入いただけているものと考えています。“

このように、豊富な機能と柔軟性の高い運用で多くの支持を得ている「Active! zone」ですが、ソリトンが提供する「FileZen S」と連携することにより、ユーザーにさらなる付加価値をもたらすことができます。

「FileZen S」との連携で、2つの接続系をまたいだメール・ファイルの受け渡しをよりスムーズに

ソリトンの「FileZen S」は、分離されたネットワークの間に設置することで、安全なファイルの受け渡しを実現するソリューションです。この「FileZen S」と「Active! zone」は非常に高い親和性を持っており、顧客課題の解決に向けて相乗効果が期待できるものとして、両メーカー協力のもと連携ソリューションを開発するに至りました。

「FileZen S」と「Active! zone」が連携するメリットについて、辻村氏は次のように語ります。

“分離ネットワーク環境において、暗号化された添付ファイルを外部から安全に取り込むのは大変です。自治体を例にすると、LG-WAN(総合行政ネットワーク)系とインターネット接続系とでそれぞれ端末が必要なうえ、10以上もの操作ステップを踏む必要があります。セキュリティを考慮すると、従来それだけの手間がかかっていたわけです。しかし、「Active! zone」と「FileZen S」が連携すれば操作に必要な端末はLG-WAN系の1台だけになり、わずか半分のステップでセキュアに取り込むことができます。”



ファイル受け渡しの専用機である「FileZen S」が、「Active! zone」にて無害化したファイルをスムーズに内部に受け渡す役割を果たします。他のどのようなソリューションでも課題になりがちな“暗号化された添付ファイルの安全な取り込み”を、「Active! zone」は「FileZen S」と連携することで、“ユーザーの手間を抑えながら”実現することができるというわけです。Emotetなどの現代的なマルウェアは、あえて暗号化された状態で送り込まれることが少なくないため、暗号化ファイルの脅威検知や無害化処理は、手間がかかってもあきらめてはいけない仕組みといえます。そのため、このクオリティアとソリトンの連携ソリューションは、メール・ファイルのやり取りにおける安全性と利便性の両立を目指すお客様に、大きなメリットを提供できると考えられます。

“さらにこの連携ソリューションでは、一般的な製品では実現の難しい「共有アドレス宛に届いた添付ファイル」でも、「ユーザー毎に安全に受け取る」ことを可能にしています。”

こう辻村氏が説明するように、実はメーリングリスト等の複数人で共有しているメールアドレスに送られてきた添付ファイルについて、脅威を排除した上で、必要とするユーザーが適切に受け取るという仕組みは、これまで“ありそうでなかったソリューション”でした。

このように、クオリティアは現場課題をキャッチアップし自社製品の機能やソリューションへ早期に反映し改善していくことで、質の高い顧客支援を実現しています。

エンタープライズ領域にも。クラウドで広がる「Active! zone」の新たな可能性

これまで自治体などのネットワーク分離環境向けに、主に“オンプレミス”での実績を積み重ねてきた「Active! zone」ですが、2023年5月より、クラウド型サービスとなる「Active! zone SS」の提供を開始しています。

“メッセージングソリューション全体として、ここ2,3年でクラウドのニーズが明確に増大しています。当社のビジネスで見ても、クラウドとオンプレミスの割合は半々というところまで来ました。先行している他のソリューションと同様、標的型メール攻撃対策もクラウドでの提供を開始し、市場のニーズに応えていくつもりです。”

すでに民間企業を中心に、「Active! zone SS」について多数の引き合いが来ているといいます。Microsoft 365やGoogle WorkspaceなどのWebメールを利用しているユーザーにとって、すぐに開始できるクラウド型の標的型メール攻撃対策は、非常に有用であると考えられます。

クラウド型の開発を行った背景について、辻村氏はこのように説明します。

“クオリティアは、創業時からつねにお客様に寄り添った製品・サービスの開発を行ってきました。当社は元々、受託型のシステム開発をメインに行っておりましたが、今につながるメールソリューションの開発・販売をはじめたのも、実は当時のお客様からのご依頼がきっかけです。「FileZen S」との連携や、クラウド型である「Active! zone SS」のリリースも、現場の声を大事にし続けていることから生まれています。”

最後に、今後の展望やソリトンとの協業について、辻村氏は次のように力を込めます。

“当社はメッセージング関連ソリューションの専門家として、今後もお客様の「困っていること」を解決していきます。課題をお持ちのお客様には、ぜひ一度当社までご相談いただきたいです。既存の製品では解決できないようなお悩みについても、当社であれば柔軟な機能強化やソリューション開発により、きっとお力になれると思っています。また「Active! zone」は、自治体はもちろんのこと、最近では民間企業での商談も増えております。より多く、幅広いお客様に当社とソリトンシステムズさんのソリューションの「良さ」や「シナジー」を知っていただけるよう、共同プロモーションなども積極的に行っていきたいです。”

謝辞

株式会社クオリティア様、インタビューにご協力いただき誠にありがとうございました。

クオリティア様と協業することで、より多くのお客様の要望を叶えるソリューションを実現することができました。ソリトンは、引き続き「FileZen S」をはじめとした高品質なセキュリティソリューションを提供することで、企業の安全な経済活動に貢献してまいります。

取材日:2023年6月9日
株式会社ソリトンシステムズ

クオリティア Active! zone の製品ページはこちら

https://www.qualitia.com/jp/product/az/filezen_s.html

この記事のPDFはこちらからダウンロードいただけます

多様な業務環境において、外部とのコミュニケーション効率化とセキュリティ強化の両立を支援|「Active! zone」×「FileZen S」(PDF)

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム