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BIOSとは? わかりやすく10分で解説

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目次

はじめに

BIOSは、PCの電源を入れた直後に動き出し、OSが起動できる状態を整える「起動の土台」です。普段は意識しなくても問題ありませんが、起動しない・ストレージを認識しない・設定が保存されないといったトラブル時には、BIOS(または後継のUEFI)の理解が復旧の近道になります。この記事では、BIOSの役割とできること/できないこと、UEFIとの違い、設定・更新時の注意点を整理し、読者が「どこを確認すべきか」「どの操作は避けるべきか」を判断できるように解説します。

BIOSとは?

BIOS(Basic Input/Output System)は、PCのマザーボード上にあるファームウェア(機器を動かす基本ソフトウェア)の一種です。電源投入直後に最初に実行され、CPUやメモリ、ストレージなどの初期化を行ったうえで、OSを起動する処理へ引き渡します。

BIOSは日本語に直訳すると「基本入出力システム」とされることがありますが、実務的には「起動前(プリブート)の制御を担うファームウェア」と捉えるのが分かりやすいでしょう。現在のPCでは、従来型BIOSの思想を引き継ぎつつ機能を拡張したUEFIが主流であり、画面上では「BIOS設定画面」と呼ばれていても、実体はUEFIというケースが多くあります。

基本的に、BIOS/UEFIの設定は一度決めたら頻繁に変更するものではありません。ただし、起動順序の変更、セキュリティ機能の有効化、ハードウェア交換後の認識確認など、状況によっては調整が必要になります。安易に触ると起動不能や不安定化につながることがあるため、「何を変えると何が起きるか」を理解したうえで操作することが重要です。

BIOSの機能と役割

BIOS/UEFIが担う役割は、大きく分けて次の3つです。

  • ハードウェア初期化:電源投入後、CPU・メモリ・チップセット・ストレージ・周辺機器を動作可能な状態にします。
  • 起動経路の確立:どのデバイスから起動するか(内蔵SSD、USBメモリ、ネットワーク等)を判断し、OSを起動する仕組みに引き渡します。
  • 起動前の基本設定:時刻、ストレージモード、仮想化機能、ブートの制御、セキュリティ関連など、OS起動前に必要な設定を保持・適用します。

「入出力制御を直接行う」という説明を見かけることもありますが、現代のOSではデバイス制御の中心はOSドライバ側にあり、BIOS/UEFIはあくまで起動前と起動初期の制御が主役です。例外として、起動前診断ツールやファームウェア内蔵のハードウェアテストなど、OSが動く前に実行される機能はBIOS/UEFI側に残っています。

コンピュータの起動プロセスで果たす役割

起動プロセスは電源投入から始まり、BIOS/UEFIが主導して進みます。大まかな流れは以下の通りです。

  • POST(Power-On Self Test):メモリやCPU、基本デバイスが最低限動作するかを確認します。問題がある場合、ビープ音や画面表示で異常を知らせることがあります。
  • デバイス検出と初期化:ストレージやUSB機器、拡張カードなどを認識し、起動に必要な状態にします。
  • ブート処理への引き渡し:起動順序に従って起動対象を決め、OSを読み込むための仕組みへ制御を渡します。

ここで重要なのは、「BIOS/UEFIがOSそのものを全部読み込む」というより、OSを起動できる入口(ブートローダ等)に制御を引き渡すのが役割だという点です。従来型BIOSではMBR(Master Boot Record)にある起動コードを起点にすることが多く、UEFIではEFIシステムパーティション上のブートローダ(.efiファイル)を起動する方式が一般的です。どちらの方式かによって、起動しないときの切り分けポイントも変わります。

内部の構成要素と構造

BIOS/UEFIのプログラム本体は、マザーボード上の不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)に格納されています。これにより、PCの電源を切ってもファームウェア自体が消えることはありません。

一方、ユーザーが設定した内容(起動順序、時刻、各種有効/無効設定など)は、従来は「CMOS(相当領域)」に保存され、ボタン電池で保持されます。実装は機種により異なりますが、現場では今も慣用的に「CMOSクリア」「CMOS電池」と呼ばれることが多いでしょう。設定が保持されない場合、電池の消耗が原因になることがあります。

なお、BIOS/UEFIはOSより低いレイヤで動くため、OSが起動していない段階でもハードウェアの初期化や起動制御が可能です。この性質は復旧や診断に役立つ一方、設定変更がシステム全体に影響しやすい点にもつながります。

BIOSの主な機能

BIOS/UEFIは、PCを「起動可能な状態にする」ための機能を多数持っています。ここでは代表的な機能を、実務で遭遇しやすい観点とセットで整理します。

コンピュータの起動とOSの読み込み

電源が投入されると、最初に実行されるのがBIOS/UEFIです。CPUやメモリ、ストレージなどの基本コンポーネントを初期化し、OSが起動できる土台を整えます。

この過程で行われるPOSTやデバイス検出は、ハードウェアの問題を早期にあぶり出す役割もあります。例えば、メモリの接触不良やストレージ未接続があると、起動途中で停止したり、エラー表示が出たりします。

その後、起動順序に従ってブート対象を決め、従来型BIOSならMBR、UEFIならEFIブートローダなどに制御を渡します。ここでブート対象が見つからない場合、「No boot device」などのエラーになりやすく、起動順序やストレージ認識の確認が第一候補になります。

入出力デバイスの初期化と起動前の操作環境

BIOS/UEFIは、キーボードや一部のUSB機器など、起動前に必要な周辺機器を初期化し、設定画面の操作や起動メニューの選択ができる状態を作ります。これにより、OSが起動していなくても、起動順序の変更や診断メニューの実行が可能になります。

ただし、OS起動後の高度なデバイス制御は基本的にOSドライバ側が担います。BIOS/UEFIの役割は、あくまで起動前・起動初期に必要な範囲に限られる点を押さえておくと、説明が整理しやすくなります。

ハードウェア設定の管理

BIOS/UEFIでは、CPUやメモリ、ストレージ関連の動作モードなど、起動に関わる設定を管理できます。代表例としては、仮想化支援機能の有効/無効、ストレージの動作モード、内蔵デバイスの有効/無効などが挙げられます。

一方で、CPU電圧やメモリタイミングなどの高度なチューニング項目は、操作を誤ると不安定化や起動不能につながりかねません。業務PCやサーバーでは、性能最適化よりも安定運用が優先される場面が多いため、目的が明確でない限りは変更しない運用が無難です。

設定画面の見た目については、従来型BIOSはキーボード主体のテキスト画面が一般的でしたが、UEFIではマウス操作可能なGUIが用意されることがあります。ただし、機種や設定によってはGUIでもキーボード主体の場合もあり、見た目だけで判断しないことが重要です。

セキュリティ機能

BIOS/UEFIは、起動前の段階でセキュリティを担保する機能を持つことがあります。代表的なものとして、設定画面へのパスワード、起動デバイス制限、外部デバイスからの起動禁止などが挙げられます。

また、Secure Boot(セキュアブート)はUEFIで提供される代表的な機能で、信頼されていないブートローダや改ざんされた起動コードの実行を抑止します。OS起動前に介入するタイプのマルウェア(ブートキット等)への対策として位置づけられますが、OSやドライバ、構成によっては互換性の確認が必要になる場合もあります。

BIOSの設定

BIOS/UEFIの設定は、起動順序の変更やセキュリティ方針の適用など、目的が明確なときに行うのが基本です。反対に、理由なく設定を触ると、起動不能やトラブルの切り分けが難しくなることがあります。ここでは、現場でよく行う設定と、注意すべきポイントを整理します。

BIOSセットアップ画面の表示

一般に、PCの電源投入直後(メーカーのロゴが表示されるタイミング)に特定のキー(Del、F2、F10、Escなど)を押すと、BIOS/UEFIの設定画面に入れます。どのキーかはメーカーや機種によって異なるため、画面表示の案内や公式サポート情報で確認してください。

また、WindowsなどのOSが高速起動(Fast Boot)を使っていると、キー入力の猶予が短くなることがあります。その場合は、OS側の再起動メニューから「UEFIファームウェア設定」で入る方法が用意されているケースもあります(機種・OS設定に依存します)。

各種ハードウェア設定の調整

BIOS/UEFI設定画面では、内蔵デバイスの有効/無効、仮想化機能、ストレージ関連の設定、時刻設定など、システム動作に関わる項目を変更できます。

ただし、設定変更には「戻せる状態」を作ってから臨むのが安全です。具体的には、変更前の値を控える、変更点を一度に増やさない、保存せずに終了できることを確認する、といった基本動作がトラブル回避につながります。

BIOSによるブート順序の設定

BIOS/UEFIでは、起動時にどのデバイスから起動するか(ブート順序)を設定できます。例えば、OSの再インストールや回復メディア起動のために、一時的にUSBメモリを優先する、といった使い方が代表的です。

運用上は、「常にUSB起動優先」のような設定にしてしまうと、意図しない外部起動のリスクや、起動失敗の原因になりやすいため、作業後に元へ戻すことまで含めて手順化しておくと安心です。

BIOSパスワードの設定と安全対策

BIOS/UEFIには、設定画面へのパスワードや起動時パスワードを設定できる場合があります。これにより、無許可の設定変更や起動を抑止でき、端末の物理的な持ち出しリスクがある環境では有効です。

一方で、パスワードを忘れると復旧手続きが煩雑になり、場合によってはメーカー対応が必要になります。企業利用では、個人に任せず、資産管理のルール(保管、引き継ぎ、退職時の処理)を前提に設計することが重要です。

BIOSとUEFIの違い

BIOSとUEFIは、どちらも「起動前の制御を担うファームウェア」という点では共通していますが、設計思想と対応範囲が大きく異なります。特に、ストレージ容量の制約、起動方式、セキュリティ機能の面で差が出ます。

UEFIの特徴

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)は、従来型BIOSの後継として設計された、より拡張性の高いファームウェア仕様です。起動時の初期化や設定の管理、OS起動への引き渡しを担い、より柔軟なドライバモデルや拡張機構を持ちます。

ユーザー視点では、設定画面がGUIになっていたり、マウス操作に対応していたり、起動オプションが分かりやすく整理されていたりする点が分かりやすい違いです。ただし、これは実装やメーカー方針によって差があります。

BIOSとUEFIの主な違い

従来型BIOSは古い設計に基づいており、起動方式やパーティション方式の制約を受けやすい点が特徴です。一般に、BIOSはMBR(Master Boot Record)方式と組み合わせて語られることが多く、MBRでは扱えるストレージ容量やパーティション数に制限があります。

一方、UEFIはGPT(GUID Partition Table)を前提とした運用と相性が良く、大容量ストレージや多数のパーティションを扱いやすい設計です。また、UEFIではEFIシステムパーティション上のブートローダ(.efi)を起動するのが一般的で、起動の仕組みがより現代的に整理されています。

UEFIのメリット

UEFIのメリットは、拡張性と運用のしやすさにあります。大容量ストレージへの対応、起動オプションの柔軟性、ネットワーク起動の強化など、現代のPC運用に適した設計です。

また、セキュリティ面ではSecure Bootが代表的です。起動経路の信頼性を高めることで、起動前に介入する攻撃を受けにくくします。ただし、Secure Bootは万能ではなく、運用上はOSや利用ソフトとの互換性、鍵の管理、更新手順などを含めた設計が重要になります。

BIOSからUEFIへの移行の意義

古い環境からUEFIへ移行することで、大容量ストレージの活用やセキュリティ機能の強化、起動周りの運用改善が期待できます。一方で、既存OSの起動方式(MBR/BIOS起動か、GPT/UEFI起動か)や、ディスク構成の変更が必要になる場合もあります。

移行は「UEFIを有効化すれば終わり」ではなく、OSの起動方式とストレージの構成が整合しているかを確認しながら進めるのが安全です。業務端末では特に、メーカーの手順や公式ガイドに沿って計画的に行うことが望まれます。

BIOSのアップデートについて

BIOS/UEFI(ファームウェア)の更新は、互換性改善や不具合修正、セキュリティ対策のために提供されることがあります。ただし、更新は失敗すると起動不能につながる可能性があるため、「必要性」と「手順の確実性」をセットで考える必要があります。

BIOSアップデートの必要性

BIOS/UEFI更新で期待できる効果には、新しいCPUやメモリへの対応、安定性改善、既知不具合の修正、脆弱性対策などがあります。特にセキュリティ面では、ファームウェア由来の脆弱性が修正対象になることもあるため、「問題が起きていないから不要」とは言い切れないケースもあります。

一方で、更新にはリスクがあるため、目的が不明確なまま頻繁に更新するのはおすすめしません。企業運用では、メーカーのリリースノートや影響範囲を確認し、必要性がある更新を計画的に適用する形が現実的です。

BIOSアップデートの注意点

更新中に電源が落ちたり、誤った機種向けファイルを適用したりすると、起動不能(いわゆる“文鎮化”)につながる可能性があります。基本として、AC電源の安定確保(ノートは充電状態+AC接続)、作業中の強制終了を避ける、公式サイトから正しいファイルを入手する、といった手順が重要です。

また、更新後に設定が初期化される場合があります。更新前に現在の設定を控え、更新後に起動順序やセキュリティ設定が意図通りか確認することで、トラブルを減らせます。

BIOSアップデートの手順と方法

更新方法はメーカーや機種によって異なりますが、一般に以下の流れになります。

  1. PCメーカーまたはマザーボードメーカーの公式サイトで、機種に一致する最新ファームウェアを確認します。
  2. リリース内容と注意点を読み、適用の必要性と前提条件を確認します。
  3. メーカーが推奨する手順(専用ユーティリティ、UEFI内蔵更新機能、USBメディア更新など)で更新します。
  4. 更新後、起動・デバイス認識・主要設定(ブート順序等)を確認します。

手順の詳細は機種差が大きいため、最終的には公式マニュアル・公式ガイドに従うのが安全です。特に業務端末では、管理部門の手順や承認フローがある場合、それに沿って実施してください。

BIOSアップデート時のトラブルシューティング

更新中にエラーが出た場合、むやみに再起動や電源断を行うと状況が悪化することがあります。まずは画面表示やメーカーの手順に従い、可能であれば公式サポート情報を確認してください。

更新後に起動しない場合、機種によっては設定初期化(CMOSクリア)で復旧することがありますが、作業は機種差が大きく、誤ると別の損傷やデータ損失につながる可能性もあります。安全に進めるため、メーカーの手順が確認できない場合はサポートや専門業者に相談するのが無難です。

BIOSに関する一般的な問題

BIOS/UEFIの不調は、OS以前の段階で発生するため、症状が「起動しない」「画面が出ない」「ストレージが見えない」など大きく見えがちです。ここでは、原因の切り分けに役立つ代表例を紹介します。なお、ここでの内容は一般論であり、機種固有の仕様や手順が優先される点には注意してください。

BIOSが起動しない時の対処法

電源投入しても画面が出ない、ロゴで止まる、ビープ音が鳴るといった場合、まずは周辺機器を外して最小構成で確認し、メモリの挿し直しや電源ケーブルの確認など、物理的な要因を疑うのが基本です。

設定の不整合が疑われる場合、メーカーの手順に従って設定を初期化できることがあります(CMOSクリア等)。ただし、作業方法は機種によって異なり、誤操作のリスクもあるため、手順が不明な場合はメーカーサポートの案内に従ってください。

BIOSの設定が保存されない場合の対策

設定が再起動のたびに戻る場合、ボタン電池(CMOS電池)の消耗が典型的な原因です。時計がリセットされる、設定が初期値に戻る、といった症状が併発することがあります。

交換自体は一般に難作業ではありませんが、機種によって電池の位置や分解手順が異なります。業務端末では保守契約や保証の観点もあるため、メーカー手順や保守窓口を確認してから対応するのが安全です。

BIOSにパスワードを忘れた場合の解決策

BIOS/UEFIパスワードを失念すると、設定変更や起動に制限がかかる場合があります。回復方法はメーカー・機種により異なり、本人確認や正規手続きが必要になるケースもあります。

一般に、むやみにジャンパー操作や短絡などを試すのは推奨されません。誤操作で故障やデータ損失につながる可能性があるため、メーカーの公式手順やサポート窓口を利用するのが現実的です。

BIOSからOSが見えない問題の修正

ブート順序に内蔵ストレージが出ない、OSが入っているはずのドライブが認識されない、という場合、ケーブルの接続不良(デスクトップ)、ストレージ故障、設定の不整合(起動方式の不一致)などが原因になります。

例えば、OSがUEFI起動前提(GPT)なのにBIOS互換(レガシー)起動になっている、またはその逆だと、ストレージ自体は見えても起動対象として認識されないことがあります。まずはストレージが認識されているか、起動方式の設定がOS導入時と整合しているかを確認し、判断が難しい場合はデータ保護を優先して専門家に相談してください。

Q.BIOSとUEFIは同じものですか?

同じ役割領域ですが、UEFIはBIOSの後継仕様で、起動方式や機能がより拡張されています。

Q.電源を入れて最初に動くのは何ですか?

BIOS/UEFIが最初に動き、ハードウェア初期化と起動処理の開始を行います。

Q.POSTとは何をする工程ですか?

電源投入直後に、CPUやメモリなどが最低限動作するかを確認する自己診断です。

Q.ブート順序は何のために変更しますか?

USB回復メディア起動やOS再インストールなど、起動元を一時的に切り替えるためです。

Q.設定が保存されないときに疑う点は?

CMOS電池の消耗が典型的で、時計リセットや設定初期化が併発することがあります。

Q.Secure BootはBIOSの機能ですか?

Secure Bootは一般にUEFIで提供される機能で、信頼できない起動コードの実行を抑止します。

Q.BIOS更新はどんなときに必要ですか?

互換性改善や不具合修正、セキュリティ対策など、目的が明確なときに計画的に行います。

Q.BIOS更新で一番注意すべきことは?

電源断と誤った機種向けファイル適用を避け、公式手順に沿って実施することです。

Q.OSが起動対象として見えない原因は?

ストレージ故障のほか、UEFI/レガシー設定とOS導入時の起動方式不一致でも起こります。

Q.BIOSパスワードを忘れたらどうすればいいですか?

機種ごとに復旧手順が異なるため、メーカーの公式手順やサポート窓口で対応します。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム