BYOVD攻撃(Bring Your Own Vulnerable Driver)は、正規に署名された「脆弱なドライバー」を悪用してOSの深い権限を奪い、セキュリティ機能の無効化や不正操作を狙う攻撃です。エンドポイント対策をすり抜ける踏み台として使われることがあり、企業にとって見逃せない脅威です。この記事では、BYOVD攻撃の仕組み、被害のイメージ、そして現実的な対策を整理します。
BYOVD攻撃とは、攻撃者が「既知の脆弱性を含むドライバー(Vulnerable Driver)」を標的端末へ導入し、その脆弱性を利用して高い権限(カーネルに近い権限)で不正な処理を行う手口です。ポイントは、ドライバー自体が“正規のもの”として扱われやすい点にあります。
BYOVDはBring Your Own Vulnerable Driver(脆弱なドライバーを持ち込む)の略称です。攻撃者は、過去に正規配布されていたが脆弱性が確認されているドライバーなどを悪用し、端末内で権限昇格やセキュリティ回避を狙います。
BYOVDは、最初の侵入手段そのものというより、侵入後に権限や自由度を広げるための補助輪として使われやすい点が特徴です。つまり、初動での封じ込めに失敗すると、被害拡大の加速要因になり得ます。
| 被害内容 | 起こり得る影響 |
|---|---|
| 検知・防御機能の妨害 | エンドポイント対策が機能しにくくなり、後続の攻撃が通りやすくなる |
| 権限の悪用 | OSの深い権限で不正操作が可能になり、復旧が難しくなる |
| ランサムウェア等への踏み台 | 暗号化や横展開が短時間で進む恐れがある |
不審なドライバーが導入されないよう、管理者権限の扱い、配布手順、ソフトウェア導入ルールを整備します。ドライバーは「正規っぽい」見た目でも危険があり得るため、運用での抑止が重要です。
パッチ管理はOSや主要アプリに偏りがちですが、ドライバーや周辺コンポーネントも含めて脆弱性管理の対象に入れます。更新や入れ替えが滞る機器ほどリスクが残りやすい点に注意が必要です。
マルウェア対策だけに依存せず、侵入後の不正操作を検知・抑止できる仕組み(端末監視、ふるまい検知、権限の最小化など)を組み合わせます。単一の対策ではすり抜けが起こり得ます。
ドライバー導入や深い設定変更が必要な場面を限定し、管理者権限の常用を避けます。BYOVDは侵入後に使われやすい手口のため、権限統制は効果が出やすい対策です。
BYOVDは、個人端末持ち込み(BYOD)の話ではありません。攻撃者が脆弱なドライバーを持ち込む手口を指します。
パッチ管理は重要ですが、それだけでは不十分な場合があります。ドライバー導入経路の管理、権限統制、端末監視などを組み合わせて、多層的に守ることが必要です。
BYOVD攻撃は、脆弱なドライバーを悪用して高い権限を奪い、セキュリティ機能の回避や不正操作を狙う手口です。侵入後フェーズで使われやすく、被害拡大を加速させる恐れがあります。対策としては、ドライバー導入経路の管理、脆弱性管理の範囲拡大、権限統制、エンドポイント対策の多層化が重要です。
Vulnerable Driver(脆弱なドライバー)を指します。
直接の関係はありません。BYOVDはドライバー悪用の攻撃手法です。
侵入後に権限や自由度を広げる目的で使われることが多い手口です。
脆弱性がある場合は危険になり得ます。署名の有無だけで安全とは言えません。
不十分な場合があります。導入経路の統制や権限管理などと組み合わせる必要があります。
古いドライバーが残りやすい端末や、導入・更新の統制が弱い端末はリスクが高くなります。
管理者権限が絡むことが多いですが、侵入後に権限を奪われると成立し得ます。
管理者権限の統制と、ドライバー導入・配布の手順整備から着手するのが現実的です。
有効ですが万能ではありません。運用と多層対策を前提に設計する必要があります。
端末隔離とログ確認を優先し、権限・ドライバー導入の痕跡を含めて調査します。