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基幹系システムと情報系システム、それぞれの特徴と違い

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企業や官公庁などで利用されている情報システムは、大きく「基幹系システム」と「情報系システム」に分けて捉えられます。どちらも組織内で利用されるものですが、担う役割や求められる要件(可用性・セキュリティ・変更のしやすさなど)が異なります。ここでは、基幹系システムと情報系システムの特徴と違いについて解説します。

基幹系システムと情報系システムとは?

基幹系システムと情報系システムは、それぞれどのようなシステムでしょうか。

基幹系システム

基幹系システム(基幹システム)は、企業や組織の事業活動そのものに関わる重要なシステムを指します。具体例としては、生産管理システム、在庫管理システム、人事給与システム、会計システム、自治体の住民情報関連システム、税務関連システム、銀行の勘定系システムなどが挙げられます。組織運営に必要不可欠な業務データを管理・処理するためのものであり、企業活動の基盤となるシステムです。

情報系システム

情報系システムは、社内外でのコミュニケーションや事務処理の効率化に使われるシステムを指します。具体的には、Web・メール・スケジューラー・社内SNS・グループウェア・Web会議などが挙げられます。スケジュールとメールの送受信機能を兼ね備えたソフト(グループウェア)を利用している組織も多いでしょう。

社員やスタッフのスケジュール・タスク管理はもちろん、社内での情報共有、文書管理、ワークフローなど、業務を「回しやすくする」ための機能を備えたサービスが多く利用されています。

基幹系システムと情報系システムの違い

基幹系システムは、在庫数や発注状況、住民情報、預金口座や残高など、業務やサービスに直結するデータと処理を担います。そのため、基幹系システムが停止すると、業務そのものが止まったり、取引や行政サービスに支障が出たりする可能性があります。

また、基幹系システムには機密性の高い重要データが蓄積されることが多く、改ざん・消失・情報漏えいが発生した場合の影響も大きくなります。サイバー攻撃やマルウェア感染によって情報漏えいが起きると、組織だけでなく顧客・利用者にも被害が及ぶおそれがあります。

一方、情報系システムが停止すると不便にはなりますが、基幹系システムに比べると、業務の継続に与える影響は小さくなるケースが一般的です(ただし、連絡手段が止まることで復旧や判断が遅れるなど、二次的な影響が大きくなる場合もあります)。

基幹系システムと情報系システムの特徴

ここでは、基幹系システムと情報系システムの特徴を整理します。

基幹系システムの特徴

基幹系システムは、企業や組織の活動そのものを管理・処理するため、業務要件に強くひもづいた設計になりやすいのが特徴です。自社独自のシステムを開発して運用するケースもあれば、既存パッケージを自社業務に合わせてカスタマイズして運用するケースもあります。

また、組織全体で使われ、重要な処理を担うことから、高い可用性(止まりにくさ)や、厳格なアクセス制御変更管理(改修時の影響評価・承認)などが求められます。セキュリティ面では、強固な認証や権限管理、監査ログ、バックアップ/復旧設計、ネットワーク分離など、複数の対策を組み合わせることが重要です。

情報系システムの特徴

情報系システムは、基幹系システムが支えている業務をさらに効率化し、利便性を高めるための仕組みです。万が一停止しても直ちに全業務が停止するとは限らず、一定の停止が許容されることが多い点が特徴です。

また、業務効率やコミュニケーション改善の観点から、機能追加や改善(アップデート)が比較的頻繁に行われます。組織の状況に合わせて新しいサービスへ乗り換えるなど、柔軟に見直しやすい領域でもあります。

基幹系と情報系のシステムは分離すべき

業務に直結する基幹系システムは、利便性や改善速度を重視する情報系システムとは、分離して導入・運用するのが理想的です。これは、両者で求められる可用性、セキュリティレベル、変更頻度が大きく異なるためです。

たとえば情報系システムはアップデートや改修が頻繁に行われやすく、設定変更や連携追加が発生しがちです。もし基幹系と強く結合していると、情報系側の変更が基幹系へ影響し、想定外の停止やセキュリティ事故につながるリスクが高まります。影響範囲を抑える意味でも、ネットワークや認証、権限、データ連携を整理し、適切に分離しておくと安心です。

基幹系システムは企業活動そのものに関わる一方、情報系システムはその上で業務をスムーズに進めるための仕組みです。どちらも欠かせませんが、違いを理解したうえで、それぞれに合った設計と運用(アクセス制御、認証強化、監視、バックアップ、変更管理など)を行いましょう。


FAQ

基幹系システムとは何ですか?

A. 企業・組織の事業活動やサービス提供そのものに直結する重要システムの総称です。生産管理、在庫管理、人事給与、会計、自治体の住民情報、銀行の勘定系などが代表例です。

情報系システムとは何ですか?

A. 社内外のコミュニケーションや事務処理の効率化を支援するシステムです。メール、スケジューラー、グループウェア、社内SNS、Web会議、文書共有などが該当します。

基幹系と情報系の一番大きな違いは何ですか?

A. 業務への影響度と求められる要件です。基幹系は停止・改ざん・消失が業務やサービスに直結しやすく、可用性や変更管理、厳格なセキュリティが強く求められます。

基幹系システムが止まると、どんな影響がありますか?

A. 受発注や会計処理、住民サービス、金融取引などが停止する可能性があり、組織運営に直接影響します。復旧の遅れは損失や信用低下にもつながります。

情報系システムが止まると、影響は小さいのですか?

A. 一般には基幹系より影響が小さいことが多いですが、連絡・判断・復旧が遅れるなど二次的影響が大きくなる場合もあります。停止を前提に代替手段を用意しておくと安心です。

基幹系システムはなぜセキュリティレベルを高くする必要があるのですか?

A. 機密性の高い重要データが集中し、改ざん・消失・情報漏えいの影響が大きいためです。強固な認証、権限管理、監査ログ、バックアップ、ネットワーク分離などの多層防御が重要になります。

情報系システムはなぜアップデートや乗り換えが多いのですか?

A. 業務効率や利便性の向上が主目的であり、機能改善の頻度が高い領域だからです。組織の働き方やツールの流行変化に合わせて見直しやすい特徴があります。

基幹系と情報系は分離して運用したほうが良いのはなぜですか?

A. 求められる可用性・セキュリティ・変更頻度が異なるためです。情報系の変更が基幹系へ影響するリスクを抑えるためにも、ネットワークや認証、権限、連携の境界を整理して分離するのが理想です。

分離するときに意識すべきポイントは何ですか?

A. データ連携の方法、アクセス経路、権限設計、認証方式、ログ取得と監視、変更手順の整理が重要です。影響範囲を小さくし、例外運用を増やさない設計がポイントになります。

基幹系と情報系のどちらも安全に運用するための基本は何ですか?

A. 重要度に応じた設計と運用を行うことです。基幹系は可用性・復旧・変更管理と強固なアクセス制御を重視し、情報系は利便性と更新頻度を踏まえつつ、認証強化や権限・共有設定の統制、ログ監視を徹底します。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム