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CTIとは? わかりやすく10分で解説

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目次

はじめに

CTIとは?

CTI(コンピュータ テレフォニー インテグレーション)とは、通信機能とコンピュータを統合化し、一体的に運用する技術のことです。通話とデータを一緒に扱えるようにすることで、電話取引やビジネスの効率化が可能となります。

コールセンターやカスタマーサービス等の場で、CTIは顧客との接触を迅速かつ効率的に行うための強力なツールとして活用されています。具体的には、クライアントとの対話中にリアルタイムで情報を抽出し、即座に対応するなどの応用が可能となるためです。

CTIは、既存の電話システムと新たなIT技術を結び付けるバインダー的な役割を果たし、企業の競争力を強化する上で不可欠な技術ともいえます。

CTIの歴史

1980年代になると、コンピュータ技術と通信技術の融合が進み、そこからCTIという概念が生まれました。初期のCTIシステムは専用の電話機とPCを必要とし、そしてそれらの間を接続するための特殊なインターフェースが必要でした。

その後、業界の成熟とともに、より利便性が高まり、手頃な価格で利用できるようになりました。これにより、コールセンターやリモートワーカーなど、多様なビジネス環境でのCTIの活躍の場が広がりました。

現代では、多くのCTIソリューションがクラウドベースのサービスとして提供され、ITインフラストラクチャの中核を担っています。これにより、接触点の管理や戦略的な意思決定を容易にすることが可能となっています。

CTIの機能

CTIはさまざまな便利な機能を提供します。まず一つ目は、自動的な電話応答(Auto attendant)機能です。この機能により、発信者は自動的に適切な担当者や部門にルーティングされます。

二つ目の機能として、コールポップ(Caller ID pop)があります。内線電話を使用する場合、インカミングコールが発生したときに、発信者の情報が自動的にコンピュータ上に表示されます。

そして三つ目は、複数の委託先を一元管理できる統一通信(Unified communication)という機能です。電話、メール、チャットなど、複数のコミュニケーションチャネルを一体化し、ユーザーの生産性と効率を向上させます。

CTIの用途

CTIは、ビジネスプロセスの効率化に大いに貢献します。コールセンターでは、顧客の待ち時間を削減し、オペレーターの生産性を高めるために使われます。

また、CTIは顧客体験を向上させる役割も果たします。顧客データの即時取得により、顧客との接触時にパーソナライズされたサービスを提供することが可能となります。

さらに、リモートワーカーの生産性向上にも寄与します。CTIを活用することで、彼らは自分のデバイスからビジネス通信を効果的に管理することができます。これにより、より柔軟で快適な働き方が可能となりました。

CTIの技術要素

CTIでは2つの主要な技術要素、すなわちコンピュータ技術と電話システム技術の両方が大きな役割を果たします。それらはデータネットワークとボイスネットワークの統合、そしてVoIPとの関連性を通じて具体化されています。

コンピュータ技術

CTIでは、コンピュータの高度な計算能力とデータ管理能力が活用されます。これにより、通話の取り扱い、分析、管理が効率化されるのです。 さらに、強力なコンピュータ技術を用いることで、自動通話配布 (Automatic Call Distributor: ACD) やインタラクティブボイス応答 (Interactive Voice Response: IVR)などの高度な機能も実現可能です。 これらの技術を通じて、コールセンターは効率性と顧客満足度を大幅に向上させることが可能となります。

電話システム技術

一方、電話システム技術もまた、CTIのキーとなる技術的要素の一つです。電話システムは、音声通信の伝送のための基本的な環境を提供します。 さらに、電話システムは、音声情報をデジタル信号に変換するという重要な機能も果たします。このデジタル化が可能となったことで、コンピュータと電話システムの統合が可能となりました。 そして、プレディクティブダイヤラーやコールルーティングのような高度な機能も、電話システム技術の進展によって可能となりました。

データネットワークとボイスネットワークの統合

上記のコンピュータ技術と電話システム技術を取り扱う上で、データネットワークとボイスネットワークの統合もまた重要な役割を果たします。 これにより、音声情報と電子データを一緒に送受信するための基盤となるインフラが整備されます。 なお、このネットワークの統合は、VoIP技術の登場とともに一層推進されました。

VoIPとCTI

VoIPとは、インターネット網を利用して音声を送受信するための技術のことを指します。この技術の登場により、音声通信とデータ通信が同一のIPネットワーク上で一緒に扱うことが可能となりました。これにより、CTR (Computer Telephony Integration: CTI)の更なる進化が可能となりました。

具体的には、VoIPを利用することで、CTIアプリケーションは映像や音声、テキスト、データなど多様なメディアを一元化した通信を扱うことが可能になります。

これにより、更なるコールセンターの効率化と顧客サービスの質の向上が可能となりました。

CTIを利用する業界

CTI(コンピュータと電話システムの統合技術)は、電話とインターネットを統合することにより、業務効率化やサービス向上を実現する技術です。この先進的な技術は、コールセンター、マーケティング、金融業界、ヘルスケア業界など、多くの業界で利用されています。以下に、それぞれの業界におけるCTIの利用とその効果について詳しく説明します。

コールセンター

コールセンターは、CTIの最も一般的な利用先です。CTIを使うと、顧客データの自動表示、自動コール配信、コールの一元管理など、コールセンターの業務効率を大幅に向上させることが可能になります。

CTIを導入することにより、オペレーターは受話器を上げてからではなく、顧客情報を見てから通話を始めることができます。これにより、顧客サービスの質が向上し、オペレーターのストレスも軽減されます。

さらに、CTIを活用したコールセンターでは、通話履歴や顧客情報をデータベースに自動的に保存することが可能です。これにより、情報管理の効率化を実現し、オペレーターは情報入力の時間を削減し、より重要な対話に焦点を当てることができます。

マーケティング

マーケティング業界でもCTIは広く採用されています。顧客データベースと連携したCTIは、個々の顧客に対するパーソナライズされた情報提供や、効果的なアップセル、クロスセルの提案を可能にします。

CTIを利用することで、顧客の購入履歴や好みに合わせた商品やサービスの情報をリアルタイムで提供できます。これにより、パーソナライズされた顧客体験を提供し、顧客満足度とリピート率の向上を実現することができます。

さらに、自動ダイヤラーを使用して大量の電話を効率的にかけたり、購入後のフォローアップコールを自動化したりすることも可能です。これによりマーケティング業界では、効率的かつ効果的な顧客対応を実現します。

金融業界

金融業界でもCTIの導入が進んでいます。CTIの特性を活かせば、口座情報の閲覧、取引履歴の確認、ローンやクレジットカード申請の補助など、顧客サービスの幅が広がります。

また、CTIによる自動通話配信や顧客認証の自動化、通話記録の一元管理などにより、業務効率化と顧客満足度向上が実現します。これは、高度なセキュリティが求められる金融業界にとって大きなメリットです。

さらに、一度の通話で複数の業務を一手に処理できるため、オペレーターの負荷軽減や、顧客の待ち時間の短縮にも貢献します。これは、サービス提供者と顧客双方にとって有益です。

ヘルスケア業界

ヘルスケア業界でも、CTIを導入することで、効率的なコミュニケーションと質の高い患者ケアを実現しています。患者の予約管理から情報共有、アフターケアまで、全てのコミュニケーションがスムーズに行われます。

CTIを利用すれば、医療情報の迅速な取得や共有、カスタマイズされたアフターケアの提供が可能になります。これにより、診療所や病院は患者からの信頼を得ることができ、同時にオペレーターの負担も軽減します。

さらに、CTIを用いることで、患者の待ち時間を軽減し、診療時間を効率的に管理することも可能になります。これにより、ヘルスケア業界は優れた患者体験を提供し、サービスの質を向上させます。

CTIの構築

CTIの構築と設定は、その効果を最大限に引き出すために重要なステップです。専門的な知識と技術が求められるため、専門家の意見を取り入れたり、信頼できるサービス業者と連携したりすることが重要です。

以下、詳しく解説していきます。

CTIシステムの設計と選定

CTIのシステム設計は業種や業務の内容により最適な解が変わります。また、選定する際には、システムの互換性、拡張性、予算や将来的なビジネスニーズ等を考慮する必要があります。

一階上の視点でCTIシステムを設計することで、全体的なコントロールが容易になり、効率的なコールセンター業務を可能にします。

CTIソフトウェアの導入と設定

次に、選定したCTIシステムに対応するソフトウェアの導入と設定が必要です。使用するソフトウェアにより性能や取り扱いの難易度が異なるため、導入前に詳細な製品比較と検討が必要です。

設定時には、社内での新たなワークフローや、外部との連携など、多角的な視点での検討が必要となります。

ハードウェアとネットワーク

CTIシステムは必要に応じてハードウェアやネットワークと連携します。すなわち、適応性はCTIシステムが機能するために必要不可欠な要素です。既存システムとの統合や、将来的な拡張性を考えながら最適なハードウェアとネットワーク環境を整備することが求められます。

また、その適応性を保つためには、定期的なシステムチェックやアップデートが必要です。

システムのセキュリティとプライバシー

最後に、システムのセキュリティとプライバシー保護が重要です。CTIシステムは個人情報や企業機密など、重要な情報を扱うことが多々あります。よって、情報の漏洩やセキュリティ攻撃からシステムを守るための対策は必須です。

システムの設定や運用に関して、セキュリティ専門家と連携し、適切なセキュリティ対策を施すことが望ましいでしょう。

CTIの将来

ここまで、コンピュータと電話システムを統合し、高効率なコールセンターや実際的な顧客サービスを提供するCTIについて説明しました。しかし、技術は進歩し続けています。では、CTIはどのように進化し、業界にどのような衝撃を与えるのでしょうか?その展望を次の4つの観点から考えます。

人工知能

一つ目の観点として、人工知能(AI)のCTIへの活用が進んでいます。AIが効率的なコミュニケーションを実現し、レスポンスの向上や、個々の顧客対応のパーソナライゼーションを可能にします。

現代のAIは自然言語処理や機械学習など、複雑な問題解決に対応する能力を備えています。これにより、CTIと組み合わせることで、着信コールの内容を予測したり、クエリに瞬時に対応したりするなど、より効果的なサービスが実現可能となります。

このように、AIとCTIの融合によって、業界は新たな可能性を開くでしょう。

IoT

二つ目の要素として、「IoT(Internet of Things)」とCTIの融合も注目されています。これにより、「スマートコールセンター」が登場する可能性があります。

IoTデバイスから得た情報をCTIシステムに取り込むことで、顧客への対応がさらに効素化できます。例えば、スマートホームのセンサーから得た情報を基にCTIが顧客へ自動的に連絡をし、問題を未然に防ぐなどです。

これはIoTとCTIが一体となることにより実現する、新たな顧客サービスの形でしょう。

モバイルシフト

三つ目の観点として、モバイルシフトの進行とCTIの関係について触れていきます。昨今のモバイル化により、より迅速で簡易的な顧客サービスが求められています。

CTIにより顧客のコール履歴や問い合わせ内容をデータベース化し、これらをモバイル上で瞬時に参照、対応できる体制が求められています。これには、クラウドベースのCTIシステムが適しています。

実際、モバイル化とCTIの統合により、オフィスだけでなく外出先からも効率的な顧客対応が可能になります。

クラウド化

最後に、クラウド化の進展とCTIの関係について考えます。クラウド化による利点は、リモートアクセスの視点からも大きいといえるでしょう。

具体的には、クラウドベースのCTIシステムを導入することで、物理的な場所に縛られず、リモートからでも全ての機能を利用してコールセンター業務を行えます。これにより、より多様なワークスタイルが可能となり、事業運営の効率化にも寄与します。

このようなクラウド化とCTIの融合により、ますます先進的な通信環境が実現するでしょう。

CTIの導入時の注意点

CTI(コンピュータ 電話システム統合)の導入を検討する企業のために、今回はCTI導入時の注意すべきポイントとそのトラブルシューティングについて詳しく解説します。適切な準備と対応を行うことで、CTIを効果的に活用して業績向上を図ることが可能です。

CTI導入のリスクと課題

まず、CTI導入のリスクと課題から考えてみましょう。プロジェクトの遅延、コストオーバーラン、期待した効果が得られないなどが主な問題として挙がることがあります。

また、CTIを導入する際には、システムの互換性やセキュリティも考慮する必要があります。特にセキュリティは、顧客データを扱うコールセンターでの導入においては、重大な問題となり得ます。

さらに、従業員のスキルアップや新たな業務流程の開発など、人的なリソースも求められます。これらは導入後の効果を大きく左右します。

導入前の計画と評価

CTI導入の成功は、導入前の計画と評価にかかっています。明確な目標設定、適切なプロジェクト管理、他のシステムとの互換性評価などが重要です。

目標設定には、具体的な数値目標だけでなく、その達成のための策定プロセスも含まれます。また、プロジェクト管理では、スケジュール管理と共に品質管理も重視されます。

互換性評価では、既存のITシステムとの統合がスムーズに行えるかが重要です。システム統合の際の技術的な問題は、導入後の業務効率を大きく左右します。

トラブルシューティング

CTIが正常に動作しない場合や予期しない問題が発生した際には、適切なトラブルシューティングが求められます。なお、問題解決のための適切な手順とテクニックは事前に共有と訓練を行うことが重要です。

また、予期しないトラブルが発生した時、最も重要なことは「早期発見・早期修復」です。しかし、そのためには、システムの監視体制を整えるとともに、専門知識を有するスタッフの配置や訓練が不可欠です。

最後に、トラブルが発生した際の対応プロセスを明確にし、それを全スタッフに周知することで、迅速な対応を可能にすることができます。

CTIシステムの維持とアップデート

CTI導入後も、システムの維持とアップデートは業務効率向上のために非常に重要なタスクとなります。定期的なシステムチェック、データバックアップ、性能向上のためのアップデートが求められます。

また、システムが効果的であることを確認し続けるためには、定期的な性能評価とユーザーからのフィードバックを取り入れることも大切です。

CTIシステムの導入と維持は、必ずしも容易なものではありません。それでもその効果を最大限に引き出すためには、適切な導入プロセスと維持管理が欠かせません。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム