UnsplashのSajad Noriが撮影した写真
パソコンの動作が遅くなる原因のひとつに、ストレージ(HDD)の断片化があります。この記事では、断片化を整えてパフォーマンスを改善する「デフラグ(デフラグメンテーション)」を、10分で要点から解説します。読み終えるころには、HDDでは何をすべきか/SSDでは何をしてはいけないかを判断できるようになります。
デフラグ(デフラグメンテーション)とは、主にHDD(ハードディスク)で、断片化したファイルの配置を整理し、連続した領域に寄せることで、読み書きの待ち時間を減らす作業です。目的はシンプルで、同じファイルを読むためにディスクヘッドがあちこち移動する回数を減らし、アクセスを速くすることにあります。
断片化は、次のような状況で起こりやすくなります。
断片化が進むと、HDDではシーク(ヘッドの移動)が増え、読み書きの待ち時間が長くなります。とくに、動画編集データや仮想マシンのイメージなど、サイズが大きいファイルを頻繁に扱う環境では影響が見えやすいでしょう。
デフラグが効く理由は「ファイルの読み出しが連続するほど、HDDの移動が少なくて済む」からです。処理の流れはおおむね次の通りです。
| プロセス | 説明 |
|---|---|
| 断片化の解析 | ドライブ内のファイル配置や断片化の状態を確認します。 |
| ファイルの再配置 | 断片化しているファイルを、できるだけ連続した領域に寄せます。 |
| 空き領域の整理 | 空き領域もまとまりやすい形に整え、以後の断片化を起こしにくくします。 |
ここが最重要です。デフラグの効き方は、ストレージの種類で変わります。
なお、Windowsの「最適化」はドライブ種別に応じて動作が変わります。SSDでは主にTRIM(不要ブロックの整理)など、SSD向けの処理が中心になります(表示上は同じ「最適化」でも、中身が同一とは限りません)。
Windows 11では「ドライブの最適化(最適化されたドライブ)」から実行するのが分かりやすい手順です。
Windows標準機能は、日常運用では十分なことが多いです。まずは標準機能で状況を把握し、どうしても制御が必要な場合だけ追加ツールを検討すると堅実です。
サードパーティ製は多機能な反面、環境によっては相性や過剰最適化のリスクもあります。検討するなら、次の観点で「やりたいこと」に合うか確認してください。
デフラグ自体は一般に安全に設計されていますが、「ファイルを動かす」処理である以上、停電・強制終了・ストレージの劣化などの不運が重なると事故が起こり得ます。重要データがある場合は、デフラグに限らず先にバックアップしておくのが基本です。
効果の見え方は、HDDかSSDかで大きく異なります。HDDで断片化が進んでいる場合は、体感(起動や読み込み)が改善することがあります。検証するなら次の指標を、実行前後でそろえて測ると判断しやすいです。
Windowsの「ドライブの最適化」には分析(解析)機能があり、HDDの場合は断片化の目安を確認できます。実行前後で同じ画面の結果を見比べると、改善が分かりやすいでしょう。
デフラグは基本的に「配置の整理」であり、容量そのものを増やす処理ではありません。実行中に一時領域を使うツールもあるため、空き容量がギリギリの環境では先に不要ファイル削除や容量確保をしておくと安全です。
頻度は「断片化の進み方」で決めるのが現実的です。目安としては次の通りです(HDDを想定)。
| 使用状況 | 推奨の考え方 |
|---|---|
| 高負荷・大容量ファイルの頻繁な読み書き | 週〜隔週で状態を見て必要なら実行 |
| 中程度の負荷・定期的な更新 | 月1回程度の確認(必要なら実行) |
| 軽負荷・更新が少ない | 数ヶ月に1回、遅さを感じたら確認 |
SSDは「デフラグ頻度を上げる」より、空き容量の確保やOS/ドライバの更新、不要な常駐の見直しが効きやすい場面が多いです。
基本的に不要です。SSDは断片化の影響を受けにくく、無理なデフラグは書き込み増につながる可能性があります。
大丈夫です。Windowsはドライブ種別に応じて処理内容を変えるため、SSDでは主にTRIMなどが中心になります。
HDDなら断片化や体感の遅さを見て必要時に実行するのが基本です。常に頻繁に実行する必要はありません。
ファイル移動中に中断すると、データ破損や起動不良につながる可能性があります。完了するまで電源は切らないでください。
スタートで「ドライブの最適化」や「最適化」を検索し、「ドライブのデフラグと最適化」を開きます。
外付けでもHDDなら有効な場合があります。ただし接続が不安定だとリスクが増えるため、安定した接続で実行してください。
空き容量が極端に少ないと整理が進みにくく、時間もかかります。先に不要ファイルを削除して余裕を作るのが安全です。
多くのケースでは不要です。まずはWindows標準で十分か確認し、要件がある場合のみ検討するのが無難です。
HDDでは影響しやすい一方、体感は用途次第です。よく使う作業が遅いかどうかと合わせて判断してください。
不要な常駐の整理、空き容量の確保、アップデート適用、マルウェア確認は効果が出やすい基本対策です。