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DNSとは何か? 概要や仕組みなどを解説

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム
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DNSやDNSサーバーという言葉を目にしたことはあっても、その意味や仕組みについてしっかりと理解している人は少ないかもしれません。しかし、DNSはインターネットやイントラネットを利用する上で非常に重要な役割を担っています。DNSとは何なのか、その概要や仕組みについて解説します。

DNSとは

DNSとは、IPアドレスとドメイン名を紐付けて管理するシステムのことです。DNSは「Domain Name System」の略称です。

DNSはインターネットやイントラネットなどのIPネットワークを利用するときに不可欠なシステムです。DNSは1983年頃に開発され、RFC881、RFC882、RFC883で標準化されました。以来、現在までほとんど基本設計を変えることなく、インターネット上の重要な仕組みとして利用され続けています。

IPアドレスとドメイン名

DNSについて理解するには、IPアドレスとドメイン名の関係について知っておく必要があります。

IPアドレスは、IPネットワークに接続されている個々のコンピューターやスマートフォンなどの機器の在処を識別するための数値列です。ネットワーク上の住所に相当するものと考えればわかりやすいでしょう。IPはInternet Protocolの略で、コンピューター同士が通信を行うために定められたプロトコル(通信規約)のことです。IPを用いたネットワークがIPネットワークで、インターネットも巨大なIPネットワークの一種です。

一方、ドメイン名もインターネット上の住所の役割をしています。Webページを見たり、メールを送ったりするときに相手がどこにいるのかを特定するためのもので、インターネット上のネットワークに対して付けられます。ドメイン名はIPアドレスと違って、人間が扱いやすいように文字や記号の並びが使われます。

例えば、「xxx.xxx.xxx.xxx」といった数値列で示されるのがIPアドレスです(xには数字が入る)。こちらは、IPv4(Internet Protocol version 4)の表記になります。

これに対し、「https://www.○○○.co.jp」のようなURLの「○○○.co.jp」の部分がドメイン名です。ドメイン名は他と重複しないよう管理されています。

ドメイン名のなかで、「www」の部分がホスト名です。また「ホスト名+ドメイン名」を「FQDN(Fully Qualified Domain Name)」と呼びます。インターネットでは、FQDNはIPアドレスと同じコンピューター(サーバーなど)を指しています。

DNSはIPアドレスとドメイン名を紐付けるシステムです。もともとIPネットワーク上の通信は、機械的にはIPアドレスで通信相手を特定します。しかし、人間にとってIPアドレスは数字の羅列で覚えづらいので、IPアドレスに意味のある名前、ドメイン名を対応付けています。そのドメイン名で通信相手が特定できるようにした仕組みがDNSです。

DNSでは個々のドメイン名を管理するDNSサーバーが、ホスト名、ホストのIPアドレスといった情報を管理しています。ネットワークの利用者は、DNSサーバーにドメイン名やホスト名を問い合わせることで、それに対応しているIPアドレスを知ることができます。これらの処理を実行することを「名前解決」と呼びます。

DNSサーバーと名前解決の仕組み

DNSサーバーとは、IPアドレスとドメイン名を紐づけ、変換する役割を担うサーバーです。

DNSサーバーは1台のみで全世界のIPアドレスとドメイン名を把握しているのではなく、サーバーを階層化し、分散して、ドメイン名とIPアドレスの対応を管理しています。

階層はドメイン名の構造から見てとれます。ドメイン名はドット(.)で区切られた複数の部分から成っていて、一番右側が最も広い領域を指し、順に範囲を狭めていく階層構造になっています。「×××.○○○.co.jp」というドメイン名なら、「jp」は最上位階層のトップレベルドメイン(TLD)、「co」はセカンドレベルドメイン(SLD)、「○○○」はサードレベルドメイン(3LD)と呼ばれます。また、あるドメイン名の配下に設けられた下位のドメイン名は「サブドメイン」といいます。

そしてDNSサーバーの中で「jp」や「com」「org」といったトップレベルドメインとIPアドレスを管理するのが、最上位のルートサーバーです。ルートサーバーは世界の十数か所に設置されています。ある特定のドメイン名を問い合わせるときは、ルートサーバーにトップレベルドメインのDNSサーバーの所在をたずねて、次にトップレベルドメインのDNSサーバーにセカンドレベルドメインの所在をたずねる……という手順を繰り返して、最下層ドメインのDNSサーバーからIPアドレスの情報を得るという手続きが行われます。

また、DNSサーバーには大きく分けて2種類あります。キャッシュDNSサーバーと権威DNSです。キャッシュDNSサーバーは、利用者からの特定のドメイン名の名前解決の問い合わせを受け付けて、その結果を返答する役割を持つサーバーです。もう一つの権威DNSサーバーは、自らが管理権限を有しているドメイン名空間(ゾーン)についての情報を保持していて、キャッシュDNSサーバーからの問い合わせを受け、ドメイン名(ホスト名)とIPアドレスとのゾーン情報を回答します。

もう一つ、名前解決のためのDNSクライアントのことをリゾルバと呼びます。ドメイン名を解決する者という意味で、リゾルバ(resolver)という名称が付いています。リゾルバは常に最低1つ以上のDNSサーバーのIPアドレスを保持しています。そしてアプリケーション(Webブラウザやメール、FTPなどのクライアント)からの要求に対して、自身が情報を持っていればそれを返し、持っていなければDNSサーバーへの問い合わせを行って、その結果をアプリケーションに返します。

インターネットやイントラネットにおいてDNSは重要な役割を果たしています。その仕組みがなければ、Webサイトを閲覧することもメールを使うこともできません。DNSの仕組みを理解しておきましょう。

ご参考


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