UnsplashのGanapathy Kumarが撮影した写真
新しいPCやハードディスクを購入したのに、いざ使おうとしたら動かない。そんな経験はありませんか?この状態はDOAと呼ばれ、IT業界では無視できない品質課題の一つです。
この記事では、DOAの意味や原因、対策、発生時の対応までを整理します。DOAを正しく理解しておくと、損失を抑えるだけでなく、顧客対応のスピードと納得感を高めることにもつながります。
DOAとは、Dead On Arrivalの略語で、製品が到着時点で故障している(最初から動作しない)状態を指す業界用語です。主にハードウェア製品の文脈で使われ、ユーザーが受領して開封・設置した段階で「電源が入らない」「認識しない」など、正常動作に至らないケースを指します。
DOAは医療分野で「到着時死亡」を意味する表現として使われてきた言葉で、転じてIT分野では「届いた時点で既に使えない」状態の比喩として定着しました。特に、ハードウェアが大量流通するようになって以降、受領直後の故障を短く伝える用語として現場で使われています。
DOAの要点は、「顧客が受領した時点で、開封・設置しても正常に動作しない」ことです。実務では「到着直後の検品・通電(あるいは初回起動)」で判明した故障をDOAとして扱うことが多く、販売店やメーカーが定めるDOA受付期間(例:到着後◯日)に沿って交換対応が行われます。
DOAに該当しやすい例は次のとおりです。
「初期不良」や「不良品」と混同されがちですが、言葉の射程が少し異なります。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| DOA | 到着時点で既に故障している(初回起動・初回検品で使えない) |
| 初期不良 | 到着後、比較的短期間に発生・発覚した不具合(到着時に限らない) |
| 不良品 | 品質基準を満たしていない製品全般(故障以外も含む) |
DOAは「到着時点(初回利用の瞬間)」にフォーカスした言葉で、初期不良よりもさらにタイミングが限定される、という整理が分かりやすいです。
DOAは単なる“運の悪い故障”ではなく、企業側にとってはコスト・オペレーション・信頼に効く問題です。交換や修理の費用だけでなく、顧客対応の手間や評判の毀損につながり得ます。
DOAの原因は、大きく次の3系統に整理できます。
特にIT機器は、精密部品・コネクタ・基板など、衝撃や静電気の影響を受けやすい要素を多く含みます。製品自体の品質が十分でも、輸送・保管で条件が悪いとDOAが発生することがあります。
DOAが発生した場合、企業側には次のような影響が出ます。
DOAが頻発すると、単価の高い機器ほど損失が大きくなり、さらに顧客対応が詰まって二次的な不満(「連絡がつかない」「対応が遅い」)へ波及しやすくなります。
顧客にとってDOAは「買った瞬間の期待」が折れる体験です。特に業務用途では、導入スケジュールがあるため、“使えない時間”がそのまま機会損失や業務遅延に直結します。
そのため、DOAをゼロに近づける努力と同時に、発生した際の交換の速さ・説明の分かりやすさ・手続きの簡単さが、満足度を左右します。
DOA対策は「製造品質」だけでは完結しません。出荷後の輸送・保管・受け入れの運用まで含めて、連鎖で改善するのが現実的です。
設計→製造→検査→出荷の各段階で、検出率を上げることが基本です。具体的には次のような施策がよく取られます。
DOAは「初回起動で分かる故障」が中心なので、出荷前にそこを踏むだけでも削減に効きます。ただし、全数で長時間のストレス試験を行うのはコストが高いので、故障が出やすい観点に絞った短時間の有効検査(通電、自己診断、簡易I/O、初期化)など、バランス設計が重要です。
輸送起因のDOAを減らすには、梱包と取り扱い条件の整備が効きます。
開梱時に“落とす”ことも現実にあります。製品保護と同時に、取り出しやすさ・初回セットアップの迷いにくさもDOA誤認(本当は故障ではなく手順ミス)を減らす観点で有効です。
DOAは「最初の体験」を壊すため、まず必要なのはスピードです。交換品が早いほど、顧客の損失も不満も小さくなるため、交換フローは簡潔であるほど望ましいです。
顧客は「故障した」ことだけでなく、「自分の手順が悪かったのでは」と不安になることもあります。だからこそ、責任論ではなく、次の一手が分かる説明が重要です。
DOAの再発を止めるには、現物解析が欠かせません。返送品の解析結果を、製造・物流・保管・販売の各工程に戻し、改善を回すことが重要です。
DOA対応は、サポートだけで完結しません。販売、物流、品質、製造など複数部門にまたがるため、共通言語(定義・受付条件・フロー)を揃えることが効きます。
DOAとは、製品が到着時点で既に故障している状態を指す業界用語です。原因は製造工程だけでなく、輸送や保管など出荷後の要因も含みます。DOAは交換コストやサポート負荷だけでなく、顧客の失望体験として信頼低下を招きやすい点が重要です。
DOAを減らすには、品質管理・出荷前検査・梱包/輸送条件の改善を連鎖で進めることが有効です。万一発生した場合は、迅速な交換と分かりやすい案内で“使えない時間”を最小化し、返送品の解析結果を再発防止に結び付けることで、顧客満足度と品質の両面を改善できます。
Dead On Arrivalの略で、到着時点で既に故障していて正常に動作しない状態を指します。
DOAは「到着直後(初回起動・初回検品の段階)で使えない」状態を指し、初期不良は「到着後の短期間に発生・発覚した不具合」まで含む、より広い概念です。
製造・検査のすり抜け、輸送中の衝撃や静電気、保管環境(高温多湿・結露など)が主な原因です。
購入先(販売店・メーカー)の案内に従い、型番・症状・購入日などを整理して連絡し、交換手続きを進めます。自己分解は保証対象外になる場合があるため避けるのが無難です。
出荷前の有効検査(初回起動・自己診断など)と、輸送中の損傷を減らす梱包設計・取り扱い条件の改善は、比較的効果が出やすい施策です。
交換スピードを最優先にしつつ、手続きが簡単で、到着予定や次の手順が明確に分かる案内を用意することです。