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DOAとは? 10分でわかりやすく解説

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UnsplashGanapathy Kumarが撮影した写真  

新しいPCやハードディスクを購入したのに、いざ使おうとしたら動かない。そんな経験はありませんか?この状態はDOAと呼ばれ、IT業界では無視できない品質課題の一つです。

この記事では、DOAの意味や原因、対策、発生時の対応までを整理します。DOAを正しく理解しておくと、損失を抑えるだけでなく、顧客対応のスピードと納得感を高めることにもつながります。

DOAとは? - 意味と定義

DOAとは、Dead On Arrivalの略語で、製品が到着時点で故障している(最初から動作しない)状態を指す業界用語です。主にハードウェア製品の文脈で使われ、ユーザーが受領して開封・設置した段階で「電源が入らない」「認識しない」など、正常動作に至らないケースを指します。

DOAの語源と由来

DOAは医療分野で「到着時死亡」を意味する表現として使われてきた言葉で、転じてIT分野では「届いた時点で既に使えない」状態の比喩として定着しました。特に、ハードウェアが大量流通するようになって以降、受領直後の故障を短く伝える用語として現場で使われています。

DOAの定義(実務での捉え方)

DOAの要点は、「顧客が受領した時点で、開封・設置しても正常に動作しない」ことです。実務では「到着直後の検品・通電(あるいは初回起動)」で判明した故障をDOAとして扱うことが多く、販売店やメーカーが定めるDOA受付期間(例:到着後◯日)に沿って交換対応が行われます。

DOAに該当しやすい例は次のとおりです。

  • PCを購入したが電源が入らない/起動しない
  • ハードディスクやSSDが認識されない
  • メモリを装着すると起動しない、または直後からエラーが出る
  • 新品の周辺機器が通電しない、初回接続でデバイスとして認識しない

DOAと似た言葉(初期不良・不良品)との違い

「初期不良」や「不良品」と混同されがちですが、言葉の射程が少し異なります。

用語意味
DOA到着時点で既に故障している(初回起動・初回検品で使えない)
初期不良到着後、比較的短期間に発生・発覚した不具合(到着時に限らない)
不良品品質基準を満たしていない製品全般(故障以外も含む)

DOAは「到着時点(初回利用の瞬間)」にフォーカスした言葉で、初期不良よりもさらにタイミングが限定される、という整理が分かりやすいです。

DOAが発生する原因と影響

DOAは単なる“運の悪い故障”ではなく、企業側にとってはコスト・オペレーション・信頼に効く問題です。交換や修理の費用だけでなく、顧客対応の手間や評判の毀損につながり得ます

DOAが起こる主な原因

DOAの原因は、大きく次の3系統に整理できます。

  1. 製造・組立・検査工程の問題(部品不良、はんだ不良、組立ミス、検査のすり抜けなど)
  2. 輸送中の取り扱い(衝撃、振動、落下、静電気、圧迫など)
  3. 保管環境(高温多湿、結露、粉塵、長期在庫による劣化など)

特にIT機器は、精密部品・コネクタ・基板など、衝撃や静電気の影響を受けやすい要素を多く含みます。製品自体の品質が十分でも、輸送・保管で条件が悪いとDOAが発生することがあります。

DOAによる企業への影響

DOAが発生した場合、企業側には次のような影響が出ます。

  • 交換品手配・返送・再配送などの物流コスト
  • サポート窓口(電話・メール・チャット)の対応負荷
  • 検品・解析(RMA)にかかる工数、再検査コスト
  • 再販不可品(開封・損傷)の廃棄や値引き損
  • 信頼低下によるリピート・紹介機会の減少

DOAが頻発すると、単価の高い機器ほど損失が大きくなり、さらに顧客対応が詰まって二次的な不満(「連絡がつかない」「対応が遅い」)へ波及しやすくなります。

DOAがもたらす顧客満足度への影響

顧客にとってDOAは「買った瞬間の期待」が折れる体験です。特に業務用途では、導入スケジュールがあるため、“使えない時間”がそのまま機会損失や業務遅延に直結します。

そのため、DOAをゼロに近づける努力と同時に、発生した際の交換の速さ・説明の分かりやすさ・手続きの簡単さが、満足度を左右します。

DOAを防ぐための対策

DOA対策は「製造品質」だけでは完結しません。出荷後の輸送・保管・受け入れの運用まで含めて、連鎖で改善するのが現実的です。

品質管理プロセスの改善

設計→製造→検査→出荷の各段階で、検出率を上げることが基本です。具体的には次のような施策がよく取られます。

  • 重要工程のチェックポイント増設(抜き取り→全数へ、など)
  • 不具合モード別の検査設計(起動不可・認識不可・温度依存など)
  • ロット別・部材別のトレーサビリティ強化
  • フィードバックループ(RMA解析→工程改善)の短縮

製品テストの徹底(出荷前検査の設計)

DOAは「初回起動で分かる故障」が中心なので、出荷前にそこを踏むだけでも削減に効きます。ただし、全数で長時間のストレス試験を行うのはコストが高いので、故障が出やすい観点に絞った短時間の有効検査(通電、自己診断、簡易I/O、初期化)など、バランス設計が重要です。

輸送中の損傷防止策

輸送起因のDOAを減らすには、梱包と取り扱い条件の整備が効きます。

  • 緩衝材の最適化(落下・振動を想定)
  • 静電気対策(帯電防止袋、梱包手順)
  • 外装の強度設計(圧迫・角打ち)
  • 温湿度条件の管理(結露の回避)

パッケージングの工夫

開梱時に“落とす”ことも現実にあります。製品保護と同時に、取り出しやすさ・初回セットアップの迷いにくさもDOA誤認(本当は故障ではなく手順ミス)を減らす観点で有効です。

DOA発生時の対応方法

迅速な交換対応の重要性

DOAは「最初の体験」を壊すため、まず必要なのはスピードです。交換品が早いほど、顧客の損失も不満も小さくなるため、交換フローは簡潔であるほど望ましいです。

  • 交換在庫(代替機)の確保
  • 受付窓口と必要情報の統一(型番・症状・購入日など)
  • 返送手順の簡素化(ラベル同梱、集荷手配など)
  • 進捗連絡(いつ届くか、次に何をするか)の明確化

顧客とのコミュニケーション

顧客は「故障した」ことだけでなく、「自分の手順が悪かったのでは」と不安になることもあります。だからこそ、責任論ではなく、次の一手が分かる説明が重要です。

  • お詫び+交換方針の即時提示
  • 確認事項を最小限にして手続き負担を減らす
  • 到着予定や代替手段の案内(業務影響が大きい場合)

原因究明と再発防止策の実施

DOAの再発を止めるには、現物解析が欠かせません。返送品の解析結果を、製造・物流・保管・販売の各工程に戻し、改善を回すことが重要です。

  1. 故障品の状態記録(外装、シリアル、症状再現)
  2. 原因分類(製造/輸送/保管/誤操作の可能性)
  3. 工程・梱包・手順の改善に反映
  4. 改善後のDOA率モニタリング

社内の情報共有と教育

DOA対応は、サポートだけで完結しません。販売、物流、品質、製造など複数部門にまたがるため、共通言語(定義・受付条件・フロー)を揃えることが効きます。

  • DOA対応マニュアル(判断基準・期間・必要情報)
  • 問い合わせテンプレートの統一
  • DOA事例の定期共有(原因別、ロット別など)
  • 現場向け研修(梱包・取り扱い・初期設定の注意点)

まとめ

DOAとは、製品が到着時点で既に故障している状態を指す業界用語です。原因は製造工程だけでなく、輸送や保管など出荷後の要因も含みます。DOAは交換コストやサポート負荷だけでなく、顧客の失望体験として信頼低下を招きやすい点が重要です。

DOAを減らすには、品質管理・出荷前検査・梱包/輸送条件の改善を連鎖で進めることが有効です。万一発生した場合は、迅速な交換と分かりやすい案内で“使えない時間”を最小化し、返送品の解析結果を再発防止に結び付けることで、顧客満足度と品質の両面を改善できます。

FAQ

Q.DOAとは何の略ですか?

Dead On Arrivalの略で、到着時点で既に故障していて正常に動作しない状態を指します。

Q.DOAと初期不良の違いは何ですか?

DOAは「到着直後(初回起動・初回検品の段階)で使えない」状態を指し、初期不良は「到着後の短期間に発生・発覚した不具合」まで含む、より広い概念です。

Q.DOAが起きやすい原因は何ですか?

製造・検査のすり抜け、輸送中の衝撃や静電気、保管環境(高温多湿・結露など)が主な原因です。

Q.DOAが発生したらまず何をすべきですか?

購入先(販売店・メーカー)の案内に従い、型番・症状・購入日などを整理して連絡し、交換手続きを進めます。自己分解は保証対象外になる場合があるため避けるのが無難です。

Q.企業側のDOA対策で効果が出やすいのは?

出荷前の有効検査(初回起動・自己診断など)と、輸送中の損傷を減らす梱包設計・取り扱い条件の改善は、比較的効果が出やすい施策です。

Q.DOA対応で顧客満足度を落とさないコツは?

交換スピードを最優先にしつつ、手続きが簡単で、到着予定や次の手順が明確に分かる案内を用意することです。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム