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EMMとは? わかりやすく10分で解説

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目次

はじめに

ビジネスシーンで進化を続けるモバイルデバイス。社内の業務効率を上げるためには、これらデバイス管理が不可欠となっています。そのために重要な役割を果たすのが、EMMと呼ばれるシステムです。

今回は、EMMの基本的な概念、その成り立ちと発展、主な機能とその効果、そして現代ビジネスへの影響について解説していきます。

EMMとは?

EMMはEnterprise Mobility Managementの略です。これは、スマートフォンやタブレットといったモバイル端末を企業内で効率的に管理するためのフレームワークを指します。

EMMは、MDM(モバイルデバイス管理)、MAM(モバイルアプリケーション管理)、MCM(モバイルコンテンツ管理)の3つ主要な機能を通じて、モバイル端末管理を一元的に行います。

EMMの導入によって、企業はセキュリティリスクの低減、ITコストの削減、作業効率の向上など、多くのビジネスベネフィットを享受することが可能です。

EMMの歴史

EMMは、もともとは各企業のモバイルデバイスの利用管理を目指して開発されたMDMから派生した形で誕生しました。MDMが端末の安全性や運用管理を主体とするのに対して、EMMはこれに加えて、アプリケーションやコンテンツの管理という観点も含めた幅広い管理を提供します。

ITの進化と共に、EMMは一貫したデバイス管理を標榜しながらも、アプリ操作制限やデータセキュリティなど、細部まで踏み込んだ管理に拡大しています。その結果、現在のEMMは、企業のモバイル戦略を確固たるものにするための最重要ツールとなっています。

EMMの進化は止まらず、今後もますます進化し続け、ビジネスの効率性とセキュリティの向上に大きく貢献し続けることでしょう。

EMMの機能

EMMはMDM、MAM、MCMの3つの機能を持っています。それぞれの機能が果たす役割をわかりやすく説明すると、MDMは端末のセキュリティ状況を一元管理し、MAMは使用するアプリケーションの管理とセキュリティを担当し、MCMは企業内の情報資源(書類や画像など)の管理とセキュリティを担当します。

これらの相互補完的な機能により、EMMは企業のモバイルデバイスを一元管理し、セキュリティと操作効率を両立することが可能となります。

また、このような一元管理により、IT部門はそれぞれのデバイスの管理やセキュリティ強度を個別にチェックする必要がなく、業務リソースの有効活用が可能となるでしょう。

EMMの重要性

モバイルデバイスの普及とともに、その管理はビジネス上の重要な課題となりました。個々のデバイスを個別に管理することは、ITリソースを過度に消費します。そのため、一元的に端末管理が可能なEMMは非常に重要となりました。

さらに、適切なEMMツールを活用することで、企業はBYOD(Bring Your Own Device、自分のデバイスを持ち込み)という働き方を円滑に運用することが可能となります。これにより、モバイルデバイスを経由した業務効率化や従業員満足度の向上を実現できるでしょう。

これらの理由から、現代ビジネスにおいて、EMMの役割はますます大きくなっています。正しく理解し、適切な運用を行うことで、企業効率とデバイスセキュリティの向上を図ることが求められています。

MDM (Mobile Device Management)

EMM(Enterprise Mobility Management)は、社内で使用するモバイルデバイスの一元管理を可能にする強力なツールです。その中でも、特に重要な要素の一つがMDM(Mobile Device Management)と呼ばれる機能です。

MDMの役割

MDMは、企業が所有・管理するモバイルデバイスの一元管理を可能にします。これにより、セキュリティ設定やOSのアップデート、アプリケーションのインストールなど、デバイスに関する多くの管理タスクを自動化したり、一括で行ったりすることができます。

また、デバイスが紛失や盗難にあった場合でも、遠隔からデバイスをロックしたり、データを削除したりすることが可能になります。

このように、MDMは企業のITセキュリティを強化し、効率的なデバイス管理を実現するための重要な機能と言えます。


MDMの導入

MDMを導入するためには、まず管理対象のデバイスを登録します。次に、管理ポリシーを設定します。これには、何を許可し、何を制限するかという基本的なルールが含まれます。

設定が完了したら、それを各デバイスに適用します。これにより、デバイスは中央からの管理指令に従うようになります。

そして、定期的に状況をモニタリングし、必要に応じて管理ポリシーを更新することで、体系的なデバイス管理を行います。

MDMのメリットとデメリット

MDMのもっとも大きなメリットは、セキュリティ対策の強化と運用管理の効率化が挙げられます。一元的な管理により、各端末のセキュリティ状況を把握しやすくなり、ナレッジを共有しやすくなります。

一方で、デメリットとしては、MDMシステムの設定や維持には専門知識が必要であり、故意の不正操作やシステムの欠陥を突かれると、一度に多くのデバイスがリスクに曝される可能性がある点です。

そのため、MDMの導入を検討する際は、これらの利点とリスクを十分に理解した上で、慎重な判断が求められます

MDMの効果的な使い方

MDMの効果的な使い方は、まず、明確な管理ポリシーを設定することです。これには、どのようなアプリケーションが許可され、どのようなデータがデバイスに保存できるかといったルールが必要です。

次に、ユーザー教育も重要です。管理ポリシーを遵守するためには、ユーザー自身がその理由と重要性を理解し、協力的であることが必要です。

最後に、定期的なセキュリティ監査を実施し、管理状況を評価することです。これにより、問題が早期に見つかり、適切な対策を講じることが可能になります。

MAM (Mobile Application Management)

EMM (Enterprise Mobility Management)の主要な機能として、次に取り上げるのはMAM (Mobile Application Management)です。MAMは端末にインストールされたアプリケーションの管理を行います。これにより、企業の中で扱われるスマートフォンやタブレット等のモバイル端末に対するセキュリティ対策を強化することが可能となります。

MAMの役割

MAMの主な役割はモバイルアプリケーションの安全な管理と制御です。例えば、業務で使用するアプリケーションのインストールやアンインストールの制御、使用禁止のアプリケーションのブラックリスト管理、ホワイトリスト管理などがあります。また、アプリケーションごとにVPN接続を設定することで、データの安全な送受信も可能になります。

MAMの導入

MAMを導入するためには、まずEMMシステムを導入する必要があります。システムを導入した後、業務で使用するアプリケーションをEMMシステム上に登録します。そして、各端末に対してどのアプリケーションを使用できるようにするか、アクセス制限を設定するなど、具体的な設定を行います。これにより、企業内で無差別にすべてのアプリケーションを使用できる状況を防ぎます。

MAMのメリットとデメリット

MAMの最大のメリットはセキュリティ対策の強化です。アプリケーションごとにアクセス制限を設定することで、セキュリティリスクを軽減できます。また、業務アプリケーションの一元管理が可能となります。一方で、MAMの導入には初期費用や運用コストがかかります。また、全てのアプリケーションの管理が必要となるため、管理作業は複雑化します。

MAMの効果的な使い方

MAMを効果的に活用するためには、まず具体的なセキュリティポリシーを策定することが重要です。どのアプリケーションを許可するか、どのアプリケーションを禁止するかの基準を明確にし、それに基づいてMAMの設定を行います。また、定期的な監査やレビューを行い、設定の見直しやアップデートを行うことも重要です。

MCM (Mobile Content Management)

モバイルデバイスの文書や画像、音楽等のコンテンツ管理を担当するのが、EMMのMCMの機能となります。MCMは業務の効率化や、情報漏洩の防止、データ管理の一元化を目指すもので、その有用性は一段と高まっています。

MCMの役割

一言で言えば、MCMの役割は"モバイルデバイスでの企業データ管理"です。業務に使われる一部または全てのコンテンツを管理し、使用許可を決定します。アクセス権限の管理、データの一元管理といった業務を担当します。

また、MCMは企業の情報漏洩対策にも貢献します。権限のない従業員が重要な文書にアクセスできないように、閲覧や編集の制限を行う能力を有しています。

さらに、MCMはモバイルデバイス内のデータを一元化し、アクセス管理を行います。これにより、企業が持っているデータ全体を把握しやすくなり、データの流出リスクを抑えられます。

MCMの導入

MCMを導入するためには、まずEMMソフトウェアを導入する必要があります。そしてEMMの設定画面から、各種セキュリティポリシーやアクセス権限、制約を設定します。

具体的には、文書の漏洩防止、ウェブコンテンツフィルタリング、モバイルプリンティング、データ同期と共有などの各機能を持つポリシーを設定します。

これらの設定は、従業員に業務しやすい環境を提供しつつ、企業にとって最も安全で信頼性の高い形に調整する事が重要です。

MCMのメリットとデメリット

MCMの最大のメリットは、モバイル端末上のデータ管理を一元化できる事であり、その結果、セキュリティ強化に大いに貢献します。また、データ管理の効率化から生じる業務の効率化も大きな魅力となっています。

しかし、その一方でデメリットも存在します。導入初期にはコストがかかるほか、導入後も定期的なアップデートや管理が必要となります。また、従業員の機器やアプリへのアクセス制限が強すぎると、作業効率が下がる可能性もあります。

それでもなお、MCMがもたらす情報セキュリティの強化効果や業務効率化の利点を考えれば、導入を真剣に検討すべきでしょう。

MCMの効果的な使い方

MCMの効果を最大限に引き出すためには、まず市場の最新動向や脅威インテリジェンスのアップデートに尽きます。この情報を活用し、適切なセキュリティポリシーとアクセス権限を設定する事が重要です。

また、全てのデバイスとアプリケーションに共通する基本的なポリシーを設定し、個々のユーザーやデバイス、アプリケーションに適応する特定のポリシーを追加することも必要です。これにより、組織全体のセキュリティポリシーを一元管理でき、運用も容易になります。

最後に、従業員の意見も重視し、働きやすい環境をつくり上げることも重要なポイントとなります。セキュリティを強化するだけでなく、効率良く業務を進めることができる環境を提供することで、組織全体の生産性を向上させることが可能となります。

EMMの選択と導入

モバイル端末管理におけるEMMの選択と導入は、業務効率向上やセキュリティ強化の上で重要な要素となります。特に、自社の業績向上に直結する可能性すらあるため、慎重な選択とスムーズな導入が求められます。

EMM選択のポイント

EMMの選択に際しては、対応OSの確認やセキュリティ強度とサポート体制が主要な選択基準となります。特に、現在社内で利用しているスマートデバイスのOSに対応しているEMMを選ぶことが重要です。

また、EMMによる管理面でのセキュリティ強度と、EMM運用時に遭遇するであろうトラブルに対応するサポート体制の質も重視するべきポイントです。

さらに、低コストで導入できる提供モデルや、管理画面の使いやすさ、運用マニュアルの存在も選定時のチェックポイントとなるでしょう。

事前準備と基本的な手順

EMM導入の前準備では、まずデータのバックアップ作業が必要です。これにより、万が一のトラブル時にも大事なデータを守ることができます。

基本的な導入手順は、まずEMM事業者との契約、次にEMMシステムの設定、ユーザーへの説明と研修、そして試験的な運用開始となります。エラーや問題がなければ、本格的なEMMシステムの運用がスタートします。

こうした手順を踏むことで、スムーズなEMM導入が可能となります。

EMM導入後の運用方法

EMM導入後の運用では、継続的なモニタリングと状況に応じた設定の見直しが必要です。特に、新たなスマートデバイスの導入や組織の変動時には、早急な対応が求められます。

また、EMMの運用においては、ユーザーからアプリの使用感や不具合の情報を定期的に収集し、ベンダーにフィードバックすることも重要です。

従業員の意見を積極的に取り入れ、EMMシステムを最大限に活用することで、高い効果を期待できます。

EMM導入の効果測定と改善

EMM導入後は、適切な運用とともに、定期的な効果測定が重要となります。管理効率やセキュリティ面での改善が確認できるかチェックし、必要に応じて改善策を実施します。

また、導入初期の効果だけでなく、長期的な視点からもEMM導入の効果を評価することが重要です。業務効率化やコスト削減など、具体的な成果を定期的に確認しましょう。

測定結果を元に、システムの設定や運用体制の改善、その他のソリューションとの組み合わせ等、柔軟な視点で改善を行います。

EMMの選択と導入は、確固とした準備と計画、そして周到なフォローアップによって初めて成功するものです。それぞれのステップで必要なポイントをしっかり押さえて進めていきましょう。

EMMのまとめ

現代の社会では、仕事やプライベートの両面でモバイル端末の利用が一般的となっています。その一方で、様々な端末の管理やセキュリティ対策が求められています。EMMは、このような課題に対応するための一つの解決策と言えます。

EMMは、モバイル端末のデバイス管理(MDM)、アプリケーション管理(MAM)、コンテンツ管理(MCM)の3つの領域を一元的に管理し、セキュリティ強化やオペレーションコスト削減などに寄与します。

モバイル環境の変化

モバイル環境は常に進化し続けています。新しい端末の登場、アプリケーションの更新、OSのバージョンアップなど、多岐にわたる要素がビジネスの効率性を決定づけます。

その一方で、これらの変化はセキュリティ対策やデータ管理といった課題をもたらします。端末毎の設定違いや、セキュリティホールを利用した攻撃など、様々なリスクがあります。

そのため、企業は安全で効率的なモバイル環境の構築を目指し、EMMを導入するケースが増えています。

未来のモバイル環境

モバイル環境は今後も進化し続けます。5Gの普及、IoTデバイスの増加、遠隔作業の定着など、新たな変化がビジネス環境を変えていきます。

これらの変化に対応したEMMの提供は、企業の業務効率向上や競争力向上に繋がります。また、新たな変化に対応するためには、EMMそのものも進化し続ける必要があります。

そのため、EMM選びにおいては、その製品が未来のモバイル環境への対応力を持つかどうかを見極めることが重要となります。

企業の競争力強化

EMMは、業務効率向上やセキュリティ強化だけでなく、ビジネス上の競争優位性をもたらすツールです。

無駄な事務作業を削減し、正確な情報管理を行うことで、企業はスピーディーなビジネス遂行が可能となります。加えて、EMMを活用することで積極的なモバイル活用が可能となり、売上向上や新たなビジネスチャンスの創出にも繋がります。

このように、EMMの活用は単に端末の管理ツール以上の機能を果たし、業務全体の最適化や競争力向上に繋がるのです。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム