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フェイクニュースとは? 10分でわかりやすく解説

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UnsplashHartono Creative Studioが撮影した写真  

近年、インターネットやソーシャルメディアの普及により、事実に基づかない情報や意図的に作られた偽情報、いわゆる「フェイクニュース」が社会問題となっています。フェイクニュースは、人々の意思決定を誤らせるだけでなく、社会の分断や対立を深める要因にもなりかねません。本記事では、フェイクニュースの定義や種類、見分け方、対策について体系的に解説するとともに、企業、とくにIT企業におけるフェイクニュース対策のポイントも整理します。正しい情報に基づいた判断や行動を行うために、フェイクニュースへの理解と備えを一緒に確認していきましょう。

フェイクニュースとは何か

フェイクニュースは、単なる「間違ったニュース」ではなく、しばしば意図や目的を持って流布される情報です。まずは、フェイクニュースの定義や生まれる背景、種類や影響について整理しておきましょう。

フェイクニュースの定義

一般的にフェイクニュースとは、事実に基づかない、または意図的に歪曲された情報を含むニュース記事やメッセージを指します。これには、完全な虚偽だけでなく、事実の一部だけを切り取ったり、誤解を招く形で提示したりするケースも含まれます。

フェイクニュースが作成・拡散される目的としては、次のようなものが挙げられます。

  • 政治的プロパガンダ:特定の政党や政策に有利・不利な世論を形成する
  • 経済的利益:広告収入や商品販売につなげるために話題性を狙う
  • 悪意あるいたずらや愉快犯:混乱や不安を引き起こすこと自体を目的とする

いずれの場合も、真実を装って人々を惑わせる点にフェイクニュースの危険性があります。

フェイクニュースが生まれる背景

フェイクニュースが生まれやすく、拡散しやすくなった背景には、次のような要因があります。

  1. 情報の氾濫:インターネットやSNSの発達により、誰でも容易に情報を発信できるようになりました。その一方で、膨大な情報の中から真偽を見極めることが難しくなっています。
  2. 注目を集めるための過激な見出し:クリック数や広告収入を目的に、真偽よりも「目を引く」「感情を刺激する」見出しが優先されることがあります。
  3. 政治的・経済的利害関係:特定の思想や経済的利益のために、意図的に偽情報が作成・拡散されるケースがあります。
  4. アルゴリズムによる拡散:SNSの推薦アルゴリズムが、ユーザーの関心を引きやすいコンテンツを優先表示することで、センセーショナルな情報が一気に拡散されやすくなっています。

フェイクニュースの種類

フェイクニュースと一口に言っても、その形態はさまざまです。主な種類を整理すると、次のようになります。

種類説明
完全な捏造事実とは全く異なる内容を報道するもの。存在しない出来事や発言を「事実」として伝える。
事実の歪曲一部の事実だけを取り上げ、重要な前後関係や背景を省くことで、誤った印象を与えるもの。
ミスリーディングな見出し記事の内容とは異なる、誇張された見出しを付けることで、読者に誤解を与えるもの。
風刺やパロディ皮肉や風刺を目的に作られた虚構の記事。意図は娯楽であっても、文脈を知らない人が事実と誤解する場合がある。

フェイクニュースが与える影響

フェイクニュースは、個人や社会、企業に対して次のような悪影響を与える可能性があります。

  • 誤った情報に基づく判断や行動を促し、健康・安全・経済に悪影響を及ぼす
  • 特定の個人・企業・組織への不信感や偏見を助長する
  • 社会的分断や対立を深め、冷静な議論や合意形成を難しくする
  • 信頼できる情報源に対する信頼までも損ない、「何を信じてよいのかわからない」状態を生む
  • 選挙や政策決定など、民主主義のプロセスを歪める

フェイクニュースに惑わされないためには、情報の出所を確認し、複数の信頼できる情報源から情報を照合する姿勢が欠かせません。加えて、日頃からメディアリテラシーを高め、情報を批判的・多角的に見る習慣を持つことが重要です。

IT企業を含む企業においては、自社のサービスや製品に関する誤情報の拡散を防ぐために、正確で一貫した情報発信と、フェイクニュースへの迅速な対応が求められます。信頼されるブランドを築くうえでも、情報の透明性を高める取り組みが重要と言えるでしょう。

フェイクニュースの見分け方

フェイクニュースに惑わされないためには、受け取った情報の信頼性を自らチェックする力が必要です。ここでは、日常的に実践しやすい「フェイクニュースを見分けるポイント」を整理します。

情報源の確認

まずは、情報の出所を確認することが基本です。信頼できる公的機関や報道機関、専門性の高いメディアから発信された情報かどうかを確認しましょう。

  • ニュースサイトの運営主体(会社名・団体名・連絡先)が明記されているか
  • 過去の報道実績や編集方針が公表されているか
  • URLが本物のサイトと紛らわしいドメインになっていないか(例:文字の入れ替え、不要なサブドメインなど)

偽のニュースサイトは、本物のサイトに似せたデザインやURLで読者をだまそうとする場合があります。送り先のドメインをよく確認する習慣をつけましょう。

内容の整合性チェック

次に、記事内容が他の情報と矛盾していないかを確認します。同じトピックについて、複数の信頼できるメディアがどのように報じているかを比較することが有効です。

  • 極端に一方的な主張になっていないか
  • 事実と意見がきちんと分けて書かれているか
  • 根拠となるデータや出典が明示されているか
  • 「必ず」「絶対に」など、感情をあおる強い言葉ばかりが並んでいないか

内容が非現実的であったり、不安や怒りといった感情だけを強く刺激するような書き方をしている場合は、特に注意が必要です。

画像や動画の真偽判断

フェイクニュースでは、加工された画像や文脈を切り取った動画が使われることも少なくありません。画像や動画の真偽を確かめるためには、次のような方法が有効です。

  • 画像検索ツールを使い、同じ画像が別の文脈で使われていないかを調べる
  • 動画の撮影日時や場所が、説明されている内容と矛盾していないかを確認する
  • 極端な編集(不自然なカット、音声のつぎはぎなど)が行われていないかをチェックする

見た目のインパクトが大きいコンテンツほど、冷静に「本当にその場で起きた出来事をそのまま映しているのか」を疑う姿勢が大切です。

専門家の意見を参考にする

専門性の高いテーマ(医療・科学・技術・法律など)に関する情報は、一般の読者だけで正確性を判断することが難しい場合があります。その際は、その分野の専門家や公的機関が発信している情報や見解を確認しましょう。

  • 学会や専門団体、大学などが公式に発表している情報がないか
  • 専門家がニュース内容についてコメントしているか
  • 異なる立場の専門家の意見もあわせて確認できるか

以上のポイントを踏まえ、情報の信頼性を総合的に判断することが、フェイクニュースへの対策として有効です。常に批判的な視点を持ち、多角的に情報を検証する習慣を身につけることが、現代社会を生きるうえで重要なスキルと言えるでしょう。

フェイクニュース対策

フェイクニュースの拡散を防ぐには、個人・メディア・プラットフォーム・公的機関など、さまざまな主体が協力して取り組む必要があります。ここでは、社会全体の対策として重要なポイントを整理します。

メディアリテラシー教育の重要性

もっとも基本的な対策は、個々人が情報を批判的に読み解く力を身につけることです。そのために重要なのが、学校や地域、企業などで行われるメディアリテラシー教育です。

メディアリテラシー教育では、情報の信頼性を見極める方法や、情報の背景にある意図やバイアスを読み取る力を育むことを目的とします。具体的には、次のような内容が含まれます。

  • ニュース記事の構造や編集の観点を理解する
  • 出典の確認方法や、ファクトチェックの基本的な手順を学ぶ
  • SNS上の情報拡散の仕組みや、アルゴリズムバイアスについて知る
  • 自ら発信するときの責任や影響力について考える

事実検証を行う組織の役割

フェイクニュースに対抗するうえで、事実検証(ファクトチェック)を専門に行う組織の存在も重要です。これらの組織は、話題となっている情報を調査し、その真偽や誤解を招きやすいポイントを整理して公表します。

  • ファクトチェック機関:特定の情報の真偽を検証し、その結果と根拠を公開する非営利団体など
  • 調査報道機関:時間と労力をかけて取材し、社会的に重要なテーマの背景や構造を明らかにするメディア
  • 学術機関:研究者が専門知をもとに、誤情報や誤解の訂正に貢献するケースもある

これらの取り組みは、誤った情報に対して「正確な情報で応答する」ための重要なインフラと言えます。

ソーシャルメディア企業の取り組み

フェイクニュースの拡散経路として大きな役割を担っているのが、SNSや動画共有サイトなどのプラットフォームです。ソーシャルメディア企業も、自社のサービス上でフェイクニュースが急速に広がらないよう、次のような対策を進めています。

  1. 事実検証機関との連携:外部のファクトチェック機関と提携し、問題のあるコンテンツを検証する
  2. アルゴリズムの改善:誤情報の拡散を抑制するため、表示順位やおすすめロジックを見直す
  3. 広告ポリシーの強化:誤情報や詐欺に関連する広告を禁止するなど、広告審査を厳格化する
  4. ユーザー報告の活用:ユーザーからの通報機能を整備し、対応状況を透明化する

こうした取り組みにより、ソーシャルメディア上でのフェイクニュース拡散を抑え、健全な情報流通に近づけることが期待されています。

法的規制の可能性と課題

一部の国や地域では、フェイクニュースへの対策として法的規制の導入も検討・実施されています。例えば、悪質な虚偽情報の拡散に対して罰則を設けるなどの取り組みです。しかし、法的規制には次のような課題もあります。

  • 表現の自由とのバランス:規制が過度になると、正当な批判や風刺まで萎縮させてしまう懸念がある
  • 定義の難しさ:何をフェイクニュースと見なすか、その線引きを公平かつ明確にすることが難しい
  • 執行の難しさ:インターネット上の匿名性や国境をまたぐ情報流通にどう対応するかという技術的・運用上の課題

法的規制はあくまで選択肢の一つであり、教育・メディアの自律的な取り組み・プラットフォームの改善といったアプローチと組み合わせて検討することが重要とされています。

企業におけるフェイクニュース対策

インターネットやソーシャルメディアの普及により、企業に関する情報も瞬時に拡散されるようになりました。その中には、誤解にもとづく情報や、悪意あるフェイクニュースが含まれる場合もあります。ここでは、企業が取り組むべきフェイクニュース対策のポイントを紹介します。

社内教育の実施

フェイクニュース対策の第一歩は、社員一人ひとりのメディアリテラシーを高めることです。社内教育を通じて、フェイクニュースの特徴や見分け方を学び、情報の信頼性を見極める力を身につけることが重要です。

教育プログラムの例として、次のような内容が挙げられます。

  • フェイクニュースの定義と主なパターン
  • 信頼できる情報源の見分け方と確認手順
  • SNS上での情報拡散の仕組みとリスク
  • 社員が情報発信を行う際のガイドライン(個人アカウントを含む)

社員が日常的に扱う情報の質が高まれば、社内外への誤情報拡散リスクを下げることにもつながります。

情報発信における注意点

企業自身が発信する情報も、フェイクニュースと誤解されないよう、あるいは誤情報を生まないように配慮する必要があります。正確で信頼性の高い情報発信を行うために、次の点を意識しましょう。

  1. 事実関係の確認:プレスリリースやニュース記事などの内容について、複数の担当者で事実確認を行う。
  2. 誇張表現の回避:必要以上に期待をあおる表現や曖昧な表現を避け、客観的なデータや根拠に基づいて説明する。
  3. 出所の明示:統計データや引用情報については、出典を明記し、透明性を確保する。
  4. 速報性と正確性のバランス:スピードを重視しつつも、誤情報を発信しないよう、最低限の確認プロセスを維持する。

企業の情報発信は、ステークホルダーからの信頼を支える重要な要素です。一度失った信頼を取り戻すには時間とコストがかかるため、日頃から慎重で誠実な情報発信を心がけることが不可欠です。

風評被害への対応策

フェイクニュースや誤情報が原因で風評被害が発生した場合、対応の遅れや不十分な説明がさらなる不信を招くことがあります。被害を最小限に抑えるために、次のような対応策を準備しておきましょう。

  1. 事実関係の迅速な調査:問題となっている情報の内容と拡散状況を確認し、社内の関連部署と連携して事実を整理する。
  2. 公式見解の発信:調査結果や企業の見解を、公式サイトやプレスリリース、SNSなどで速やかに発信する。
  3. 法的措置の検討:悪意のある虚偽情報や、継続的な名誉毀損行為が確認された場合は、法的措置も視野に入れる。
  4. ステークホルダーとのコミュニケーション:顧客・取引先・株主・従業員などに対し、丁寧な説明と情報提供を行い、不安の払拭に努める。

風評被害対応では、「何をするか」と同じくらい、「どのタイミングで発信するか」「どれだけ透明性を確保できるか」が重要です。

信頼できる情報源の活用

企業がフェイクニュースに対抗し、正確な情報を把握するためには、信頼できる情報源を活用する体制づくりも欠かせません。主な情報源の例と特徴は次の通りです。

情報源特徴
公的機関政府・自治体・監督官庁など。統計やガイドラインなど、公的な根拠に基づく情報が得られる。
有力メディア編集体制や取材網を持つ報道機関。一次情報へのアクセスや検証プロセスが整っていることが多い。
業界団体特定業界に特化した情報を提供。業界の動向や専門的な解説が得られる。
専門家大学・研究機関・コンサルタントなど。その分野の専門的知見に基づいた分析やコメントが得られる。

信頼できる情報源を見極め、継続的にモニタリングすることで、フェイクニュースに惑わされるリスクを軽減し、適切な判断に必要な情報を確保することができます。

企業は、社内教育の実施、情報発信の品質管理、風評被害発生時の対応体制の整備、信頼できる情報源の活用など、多面的な取り組みを組み合わせてフェイクニュース問題に向き合うことが求められます。

まとめ

フェイクニュースは、事実に基づかない情報や意図的に歪められた情報を含むニュースの総称であり、現代の情報社会における大きな課題の一つです。インターネットやソーシャルメディアの発達によって、誰もが容易に情報を発信できるようになった一方で、真偽不明の情報が瞬時に拡散されるリスクも高まっています。

個人としては、情報源の確認、内容の整合性チェック、画像・動画の真偽判断、専門家の意見の参照などを通じて、情報を批判的に読み解く力を高めることが重要です。また、社会全体としては、メディアリテラシー教育の充実、ファクトチェック機関や報道機関の役割強化、プラットフォーム事業者の取り組み、法的枠組みの検討など、複数の対策を組み合わせて進めていく必要があります。

企業、とくにIT企業にとっても、フェイクニュースはブランドや信頼性を揺るがしかねないリスクです。社内教育によるリテラシー向上、誠実で透明性の高い情報発信、風評被害発生時の迅速な対応、信頼できる情報源の活用といった取り組みを通じて、ステークホルダーからの信頼を維持・向上させることが求められます。

フェイクニュースと完全に無縁でいることは難しいかもしれません。しかし、一人ひとりが情報の受け手・発信者としての意識を高め、企業や社会が継続的に対策を重ねていくことで、より健全な情報環境に近づけていくことは十分に可能です。

フェイクニュースに関するよくある質問(FAQ)

Q.フェイクニュースと単なる誤報は何が違うのですか?

フェイクニュースは、意図的な歪曲や虚偽を含む情報である場合が多く、しばしば特定の目的を持って拡散されます。誤報は、取材や確認不足などによって結果的に事実と異なってしまった情報であり、意図の有無が大きな違いとなります。

Q.SNSで見かけたニュースがフェイクかどうか簡単に確認する方法はありますか?

まずはニュースの出所となるサイトやアカウントを確認し、信頼できる報道機関や公的機関かどうかをチェックします。そのうえで、同じ内容が複数の信頼性の高いメディアで報じられているかを確認することが有効です。

Q.画像や動画付きの投稿は、信用しても大丈夫でしょうか?

画像や動画が付いていても、そのまま信用するのは危険です。画像検索ツールで同じ画像が別の文脈で使われていないか調べたり、動画の撮影日時や場所が説明と一致しているかを確認したりすることが大切です。

Q.フェイクニュースに気付いた場合、どのように対応すればよいですか?

まずは不用意に共有や拡散をしないことが重要です。可能であれば、プラットフォームの通報機能を使って報告します。また、身近な人に誤情報である可能性を冷静に伝えることも有効です。

Q.企業がフェイクニュースの被害を受けたとき、最優先ですべきことは何ですか?

最優先は事実関係の迅速な確認です。そのうえで、公式な見解を自社サイトやプレスリリースなどで適切に発信し、誤解を最小限に抑える対応が求められます。

Q.社内でフェイクニュース対策として実施しやすい取り組みはありますか?

社員向けにメディアリテラシー研修を行い、情報の見分け方やSNS利用時の注意点を共有することが効果的です。また、情報発信時の社内ガイドラインを整備することも有用です。

Q.フェイクニュース対策として、法的規制だけに期待してもよいのでしょうか?

法的規制は一つの手段ですが、それだけに依存することは現実的ではありません。教育やメディアの自律的な取り組み、プラットフォームの改善などと組み合わせて対策を進めることが重要です。

Q.フェイクニュースを完全になくすことはできますか?

完全になくすことは難しいと考えられていますが、メディアリテラシーの向上やファクトチェックの仕組み、プラットフォームの対策などにより、影響を小さくすることは可能です。

Q.中小企業やスタートアップでもフェイクニュース対策は必要ですか?

はい、必要です。規模にかかわらず、誤情報が広がれば信用や取引に影響が出る可能性があります。基本的な社内教育と情報発信のルールづくりから始めることがおすすめです。

Q.個人として今日からできるフェイクニュース対策はありますか?

情報を見たときに、すぐ共有せず「出所」「他の報道」「内容の妥当性」を一度確認する習慣を持つことが有効です。また、信頼できる情報源をいくつか決めておき、情報の裏取り先として活用することもおすすめです。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム