UnsplashのJakub Kapusnakが撮影した写真
ウェブサイトやアプリで「メニューがどこにあるのかわからない」と感じたことはありませんか。この記事では、限られたスペースでもナビゲーションをまとめて表示できる「ハンバーガーメニュー」について、その特徴やメリット・デメリット、実装時のポイントまでを分かりやすく解説します。読み終えるころには、自社サイトやアプリでハンバーガーメニューを採用すべきかどうか、判断するための基本的な知識が身についているはずです。
ハンバーガーメニューとは、ウェブサイトやモバイルアプリケーションにおいて、複数のメニュー項目を折りたたんで格納するためのアイコンを指します。一般的に、3本の横線が重なったアイコンで表現され、その形状がハンバーガーに似ていることから、この名称で呼ばれています。
ハンバーガーメニューは、ヘッダーの中にすべてのメニューを並べることが難しい場合に特に有効です。アイコンをタップまたはクリックするとメニュー項目が展開され、再度操作すると折りたたまれるため、表示スペースを節約しながら必要なナビゲーションを提供できます。
ハンバーガーメニューの起源は、1980年代にさかのぼります。当時、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の開発が進む中で、限られた画面スペースでメニュー項目を整理して表示する方法が求められていました。ゼロックス パロアルト研究所(Xerox PARC)のデザイナーであるノーム・コックスが、3本の横線のアイコンを使ってメニューを表現するアイデアを提案したことが始まりとされています。
その後、ハンバーガーメニューは徐々に普及し、特にスマートフォンが普及した2010年代以降、モバイルサイトやアプリケーションのナビゲーションパターンとして広く使われるようになりました。現在では、レスポンシブデザインの標準的な選択肢の一つとして認識されています。
ハンバーガーメニューが広く使われる主な理由は、次のように整理できます。
特に、スマートフォンやタブレットなどの小さな画面では、ハンバーガーメニューを使うことでコンテンツ表示領域を広く確保できる点が大きな利点です。一方で、PC の大きな画面では「最初からメニューを見せる」デザインのほうが適しているケースもあるため、デバイスや利用シーンに応じた使い分けが重要です。
ハンバーガーメニューにはメリットとデメリットが存在します。主なメリットは以下の通りです。
一方で、デメリットとしては次のような点が挙げられます。
これらを踏まえ、ハンバーガーメニューを使用する際は、本当に隠してよいメニューかどうか、ユーザーにとって分かりやすい設計になっているかを検討することが重要です。たとえば、「お問い合わせ」「購入」など最重要の導線は、PC 版では常に表示し、スマホ版では別の場所にボタンを配置するなどの工夫がよく行われます。
ハンバーガーメニューは、ウェブサイトやモバイルアプリケーションにおいて、画面上部の限られたスペースにナビゲーションをまとめる際に便利なパターンです。一般的には、ハンバーガーアイコンをタップまたはクリックするとメニューが展開され、もう一度操作すると折りたたまれます。
ハンバーガーメニューを使う際の基本的なポイントは、以下の通りです。
アイコンのデザインやラベルがユーザーにとって分かりやすいものであるかどうかは、利用されるかどうかに直結します。デザインだけでなく、メニュー項目の命名や並び順も含めて、ユーザーが迷わずに目的地へ到達できるよう設計することが大切です。
ハンバーガーメニューの配置は、ウェブサイトやアプリケーション全体のレイアウトと密接に関係しますが、一般的には画面の左上または右上に配置されることが多くなっています。ユーザーがナビゲーションを探す際、まずヘッダー周辺を見ることが多いためです。
また、アイコン自体の視認性も重要です。
アイコンが小さすぎたり背景と同化していたりすると、そもそもメニューの存在に気付かれない可能性が高まります。視認性の高いデザインと配置を意識しましょう。
ハンバーガーメニューの開閉アニメーションは、ユーザーエクスペリエンスを分かりやすくするための重要な要素です。メニューの展開や折りたたみの際に、滑らかなアニメーションを付けることで、画面上で何が起きているのかをユーザーに伝えやすくなります。
よく使われるアニメーションの例としては、以下のようなものがあります。
| アニメーションの種類 | 説明 |
|---|---|
| スライドイン・スライドアウト | 画面の左右または上下からメニューがスライドして表示・非表示になる |
| フェードイン・フェードアウト | メニューが徐々に表示・非表示になる |
| プッシュ | メニューが表示される際に、背後のコンテンツが横に押し出される |
アニメーションは派手である必要はありませんが、遅すぎてストレスになったり、速すぎて変化が分からなかったりしないよう、適度なスピードと距離に調整することが大切です。サイト全体のトーンやブランドイメージとも合わせて検討しましょう。
ハンバーガーメニューを設計する際は、アクセシビリティにも配慮する必要があります。マウスだけでなくキーボードやスクリーンリーダーでも操作しやすいことが重要です。
具体的には、以下のような点に注意しましょう。
これらのアクセシビリティへの配慮により、より多くのユーザーがハンバーガーメニューを快適に利用できるようになります。WCAG などのウェブアクセシビリティ指針も参考にしながら設計することをおすすめします。
ハンバーガーアイコンは一般的に3本の横線で表現されますが、デザインのバリエーションは豊富です。たとえば、次のような工夫が考えられます。
ハンバーガーアイコンのデザインは、サイトやアプリ全体のトーンと調和させることが重要です。過度に装飾的にしすぎると意味が伝わりにくくなるため、「何のアイコンかが一目で分かること」を最優先にしましょう。
ハンバーガーメニューの背景色と文字色は、ブランドカラーやサイト全体の配色に合わせつつ、見やすさを確保する必要があります。一般的には、以下のような組み合わせがよく使われます。
| 背景色 | 文字色 |
|---|---|
| 白 | 黒または濃い色 |
| 黒または濃い色 | 白または明るい色 |
| ブランドカラー | 白、黒、またはブランドカラーとコントラストを確保できる色 |
背景色と文字色のコントラストを十分に確保し、視認性と可読性を優先することが大切です。メニュー内のリンクカラーについても、ホバー時やアクティブ時の変化を設定し、「現在どの状態にあるのか」が視覚的に分かるようにすると親切です。
ハンバーガーメニューのサイズは、デザインだけでなく操作性にも影響します。特にスマートフォンでのタップ操作を考えると、十分な大きさと余白が必要です。目安として、次のような基準がよく用いられます。
アイコンやメニュー項目が小さすぎると、誤タップや誤クリックが増え、ユーザーのストレスにつながります。指先で押しやすいサイズと余白を意識することで、ナビゲーション全体の使い勝手が向上します。
ハンバーガーメニューは、レスポンシブデザインと組み合わせることで真価を発揮します。画面サイズに応じてメニューの表示方法を切り替えることで、PC・タブレット・スマートフォンのいずれからでも快適に利用できるようになります。
レスポンシブデザインでハンバーガーメニューを使用する際は、以下の点に注意しましょう。
レスポンシブデザインを適切に設計することで、「どのデバイスから見ても同じ場所にメニューがある」という安心感を提供できます。サイトの目的やユーザー層に合わせて、ハンバーガーメニューと他のナビゲーションパターンを使い分けると良いでしょう。
ハンバーガーメニューをHTMLとCSSで実装する際は、次のような手順を踏むことが一般的です。
CSS のみでチェックボックスハックなどを使って実装する方法もありますが、実務ではJavaScriptを併用して制御するケースが一般的です。小規模なサイトであれば、シンプルなHTMLとCSS・JavaScriptの組み合わせでも十分に対応できます。
JavaScriptを使ってハンバーガーメニューを実装する場合、クリックイベントを起点にクラスの付け替えやスタイルの変更を行います。基本的な流れは次の通りです。
JavaScriptを使うことで、開閉アニメーションやサブメニューの連動など、より高度なインタラクションを加えることができます。ただし、JavaScriptが無効な環境でも最低限のナビゲーションが機能するよう、フォールバックも意識しておくと安心です。
jQueryを利用する場合も、基本的な考え方はJavaScriptと同じですが、イベント処理やアニメーションをより簡潔なコードで記述できます。典型的な手順は次の通りです。
slideToggleやfadeToggleなどのメソッドでメニューの表示・非表示を切り替える既存プロジェクトで jQuery を利用している場合、短いコードでハンバーガーメニューを追加できる点がメリットです。一方で、新規プロジェクトでは軽量なバニラJavaScriptやモダンフレームワークを使うケースも増えているため、プロジェクト全体の構成に合わせて選択しましょう。
Bootstrapは、レスポンシブデザインに対応したCSSフレームワークで、ナビゲーションバー(Navbar)コンポーネントを利用することでハンバーガーメニューを簡単に実装できます。代表的な手順は次の通りです。
Bootstrapを使うことで、レスポンシブ対応のハンバーガーメニューを短時間で実装できるのが大きな利点です。ブランドに合わせた細かなデザイン調整は、カスタムCSSで行うとよいでしょう。
ハンバーガーメニューは、限られたスペースでもナビゲーションを提供できる便利なパターンです。一方で、メニューが隠れてしまうがゆえに、ユーザーが存在に気付きにくい、重要な導線まで埋もれてしまうといった課題もあります。
そのため、ハンバーガーメニューを採用するかどうかは、「画面サイズ」「表示したいコンテンツ量」「もっとも重視したい導線」などを踏まえて判断することが重要です。採用する場合は、アイコンの配置・サイズ・アニメーション・アクセシビリティ・レスポンシブ対応といった要素を丁寧に設計することで、ユーザーにとって使いやすいメニューになります。
実装方法も、シンプルなHTML+CSS+JavaScriptから、jQueryやBootstrapなどのフレームワークまでさまざまです。サイトの規模や開発体制に合った方法を選びつつ、ユーザビリティとアクセシビリティに配慮したハンバーガーメニューを設計・実装していきましょう。
3本線のアイコンで表される、複数のメニュー項目を折りたたんで表示するナビゲーションパターンのことです。
スマートフォンなど画面スペースが限られる場合や、ヘッダーにすべてのメニューを並べると窮屈になる場合に適しています。
メニューが隠れるため存在に気付かれにくく、重要な導線のクリック率が下がるおそれがある点です。
必須ではなく、重要なメニューは常時表示し、補助的なメニューのみハンバーガーにまとめるなど使い分けるのがおすすめです。
検索エンジンはHTMLのリンク構造を解析するため、適切にマークアップされていればハンバーガーであること自体が直接のマイナス要因になることは通常ありません。
キーボードフォーカス、スクリーンリーダー向けラベル、開閉時のフォーカス制御などを適切に実装することが重要です。
ユーザーの迷いを減らすため、多くの場合は「MENU」などのラベルを併記した方が分かりやすくなります。
スマホでは、少なくとも44px×44px程度のタップ領域を確保すると押しやすくなります。
可能ですが、実務では開閉制御やアニメーションのためにJavaScriptを併用するケースが一般的です。
既成のナビゲーションコンポーネントを利用できるため、レスポンシブ対応のハンバーガーメニューを短時間で実装できる点がメリットです。