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ICTとは? 10分でわかりやすく解説

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目次

ICTという言葉はよく聞くものの、「ITと何が違うのか」「自社の業務改善にどうつながるのか」が曖昧なままのケースも少なくありません。この記事では、ICTの基本から、ビジネスで効果が出やすい活用領域、導入時につまずきやすい論点(セキュリティ・移行・人材・投資評価)までを一通り整理します。読み終える頃には、自社の課題に対して「どの領域から手を付けるべきか」「何を前提に検討すべきか」を判断できるようになります。

ICTとは何かをわかりやすく解説

ICTの定義と意味

ICTは、Information and Communication Technology(情報通信技術)の略語です。コンピューターで情報を扱う技術(IT)に加え、ネットワークや通信によって人・組織・システムが情報をやり取りする技術(Communication)まで含めて捉える考え方です。

実務では、「社内システムを整える」だけでなく、「拠点や在宅を含む働き方全体を、ネットワークと仕組みで支える」といった文脈でICTが用いられます。たとえば、クラウドサービスの利用、Web会議、チャット、モバイル端末の業務利用、IoTによる遠隔監視などは、通信を前提に価値が成立するため、ICTの代表例と言えます。

ICTを構成する要素技術

ICTは単一の技術ではなく、複数の要素が組み合わさって価値を生みます。代表的な要素は次のとおりです。

  • コンピューター技術(ハードウェア、OS、業務アプリ、SaaSなど)
  • ネットワーク技術(有線・無線、インターネット接続、社内LAN、VPN/ゼロトラスト接続など)
  • データ基盤(データベース、DWH、ログ管理、データ連携/API、ETLなど)
  • セキュリティ技術(認証・権限管理、暗号化、監査ログ、EDR、脆弱性管理など)
  • 活用技術(分析、BI、AI/機械学習、RPA、IoT、デジタルツインなど)

ポイントは、「どれか1つを入れれば終わり」ではなく、目的に応じて組み合わせを設計することです。たとえば、データ活用を進めたいのに、収集・連携の仕組みや権限管理が不十分だと、効果が出にくくなります。

ICTの目的と期待される効果

ICTの目的は、情報の収集・処理・共有・伝達を“業務の流れ”に組み込み、品質とスピードを上げることにあります。よく挙げられる効果を、実務での見え方に寄せて整理すると次のとおりです。

  1. 業務の効率化(入力・転記・集計・申請など定型作業の削減)
  2. コミュニケーションの改善(確認待ちの短縮、判断の材料が揃う)
  3. 情報共有の標準化(最新版管理、属人化の解消、監査性の向上)
  4. 意思決定の質向上(現状の見える化、異常検知、予測や根拠の提示)
  5. 新しい提供価値の創出(オンライン化、パーソナライズ、データ起点のサービス)

ただし、ICTは魔法の杖ではありません。導入しただけで成果が出るわけではなく、「業務のどこを変えるのか」「運用で守るべきルールは何か」をセットで決めることが重要です。

ICTの歴史と発展の経緯

ICTの発展を一言でまとめるなら、「計算機の普及」から「ネットワーク前提の業務」へ、そして「データを使って改善を回す段階」へと重心が移ってきた、という流れです。

  • PCの普及:個人や部門単位での情報処理が一般化
  • インターネットの普及:メールやWebを前提に情報共有が加速
  • モバイル・クラウド:場所や端末に縛られず業務を行える環境が拡大
  • IoT・データ活用・AI:現場データを収集し、分析・自動化で改善を回す方向へ

現在は「クラウド化=終わり」ではなく、クラウドを前提にセキュリティ、ガバナンス、運用を整え、継続的に改善できる体制づくりが問われる段階に入っています。

ビジネスにおけるICT活用のメリット

ICTのメリットは多岐にわたりますが、現場で実感しやすいのは「時間のムダが減る」「情報が探せる」「判断が速くなる」といった変化です。ここでは、よくある効果を具体像とあわせて整理します。

業務の効率化とコスト削減

ICTが効く場面は、定型作業が多い業務や、複数部署をまたぐ手続きが多い業務です。たとえば次のような改善が起こり得ます。

  • 申請・承認の電子化で、紙・押印・回覧の待ち時間を削減
  • 経費精算や請求処理の自動化で、入力ミスや差し戻しを減らす
  • RPAで転記作業を減らし、担当者は例外処理に集中できる
  • クラウド利用で、サーバー調達・保守の負担を平準化しやすい

「人を減らす」よりも「ムダとミスを減らし、重要業務に時間を戻す」という設計のほうが、導入後の反発も少なく、定着しやすくなります。

情報共有とコミュニケーションの円滑化

情報が共有されない原因は、「共有の仕組みがない」だけでなく、「どこに何を置くか決まっていない」「最新版が分からない」「権限が複雑で探せない」といった運用面の問題も多いものです。ICTツールを使う際は、次の観点を合わせて整えると効果が出やすくなります。

  • 情報の置き場所(ドキュメント管理、ナレッジベース)
  • 共有単位(部署、プロジェクト、機密区分)
  • 連絡手段の使い分け(チャット、メール、会議、タスク)
  • 議事や決定事項の残し方(検索できる形で残す)

「連絡が速い」だけでなく「後から追える」ことが、組織の生産性を底上げします。

データ活用による意思決定の迅速化

データ活用は、まず「見える化」から始まります。売上・在庫・稼働・問い合わせなど、事実がタイムリーに見えれば、判断の質が上がります。たとえば以下のような形です。

  • 販売データの分析で、需要変動に合わせた在庫・販促を調整する
  • 問い合わせ履歴の分析で、FAQや製品改善につなげる
  • 設備の稼働データを監視し、異常兆候が出た段階で点検する(予防保全)

注意点として、データが増えるほど「正しい解釈」が難しくなります。指標の定義(何をどう計算するか)や、意思決定に使う範囲(参考情報か、判断基準か)を決めないと、分析が現場の不信につながることもあります。

新たなビジネスモデルの創出

ICTは、既存業務の効率化だけでなく、提供価値そのものを変える力も持ちます。たとえば次のような変化です。

  • サブスクリプション型の提供(必要な分だけ利用し、継続的に改善する)
  • オンライン完結(契約・申込・サポートまでをデジタル化する)
  • データ起点のサービス(利用状況に応じた提案、故障予兆の通知など)

「新しい売り方」だけでなく「提供後の改善を回せる」ことが、ICTが生む競争力の中核になりやすい点です。

ICTを導入・活用する際の課題と対策

ICTは効果が大きい一方で、「導入したのに使われない」「運用が回らない」「セキュリティが不安」といったつまずきも起こりがちです。ここでは、代表的な課題と、現実的な対策の方向性を整理します。

セキュリティ対策と情報漏洩リスクへの備え

ICT活用が進むほど、クラウド・モバイル・外部共有などの経路が増え、攻撃面(アタックサーフェス)も広がります。必要なのは「何となく強化」ではなく、守る対象と運用を決めることです。

  • 情報資産の棚卸し(重要データ、個人情報、機密文書など)
  • アクセス制御(最小権限、役割ベース、退職・異動時の権限更新)
  • 多要素認証や端末管理(不正ログインや紛失対策)
  • ログの取得と監視(後追いできる状態にしておく)
  • 教育(標的型メール、共有設定ミス、パスワード使い回しの防止)

「強い仕組み」より先に「守る範囲と運用ルール」を決めておくと、現場にとっても納得しやすく、継続しやすくなります。

レガシーシステムからの移行とデータ連携

レガシー移行は技術課題に見えますが、実際は業務の前提(入力項目、承認経路、マスタ管理)を見直す必要が出てきます。移行で失敗しやすいポイントを避けるには、次の考え方が有効です。

  1. 移行範囲を切る(全置換ではなく、まずは周辺から段階的に)
  2. データの品質を確認する(重複、欠損、名称揺れを放置しない)
  3. 連携方式を設計する(API、ファイル連携、ETLなど、現実的な手段を選ぶ)
  4. 並行稼働とテストを確保する(本番影響を避け、現場検証の時間を取る)

特にデータ連携は、導入後の運用負荷を左右します。「手作業の連携が残る」「例外処理が多い」と、現場の負担が戻ってしまうため、業務フローとセットで設計することが重要です。

社員のICTリテラシー向上と教育

ICTが定着しない原因は「難しいから」だけではありません。「なぜやるのか」「やらないと何が困るのか」が共有されないまま、使い方だけ教えると形骸化しやすくなります。効果が出やすい進め方は次のとおりです。

  • 目的を一言で言える状態にする(例:申請の滞留を減らす、情報の最新版問題をなくす)
  • 職種・役割別の教育にする(管理者、一般、情シス、現場責任者で内容を変える)
  • 問い合わせ窓口とFAQを用意し、初期のつまずきを放置しない
  • 「使った人が得をする」運用にする(テンプレ、ショートカット、成功事例の共有)

教育は導入前より、導入後の3か月が勝負になりやすい点も押さえておくとよいでしょう。

ICT投資対効果の測定と評価

ICT投資は、費用が見えやすい一方で、効果が「時間短縮」「ミス削減」「判断の質」といった形で現れ、数値化が難しいことがあります。そこで、導入前に「何がどう改善したら成功か」を決め、定期レビューできる形にします。

指標見方の例
ROI(投資収益率)コスト削減・売上増など、金額換算できる効果に向く
TCO(総所有コスト)導入費だけでなく運用・保守・教育・更新まで含めて比較する
業務指標処理時間、差し戻し件数、申請滞留、問い合わせ件数など
品質・リスク指標監査指摘、セキュリティ事故、権限棚卸しの実施率など
利用定着指標アクティブ率、利用頻度、機能別の利用率など

「費用対効果」だけでなく「使われているか」「運用が回っているか」を評価に入れると、改善の打ち手が見えやすくなります。

自社に合ったICT活用の進め方

ICTは、ツール選びよりも「進め方」で失敗が分かれます。ここでは、導入前の整理から、導入後の改善までを一連の流れとして押さえます。

自社の課題とニーズを明確にする

まずは、現場で起きている困りごとを具体化します。たとえば「情報共有が遅い」という課題でも、原因は次のように分かれます。

  • 探せない(置き場所が分散している/検索できない)
  • 信じられない(最新版が不明/更新ルールがない)
  • 共有できない(権限が複雑/外部共有のルールがない)

課題の粒度が揃うと、必要な機能や運用ルールも見えやすくなります。現場ヒアリングは「不満を聞く場」ではなく、「何が起きていて、どこで止まっているか」を具体化する場として設計するのがコツです。

ICT活用の目的と期待効果を設定する

目的は、できるだけ業務に紐づけて設定します。例としては次のような形です。

  • 経費精算の差し戻し率を下げる
  • 承認の滞留を減らし、締め処理の遅延をなくす
  • 問い合わせ対応の一次回答率を上げる
  • 在庫差異を減らし、欠品・過剰在庫を抑える

目的が曖昧だと、導入後に「結局、何が良くなったのか」が説明できず、改善も止まりがちです。小さくても測れる目標を置き、定期的に振り返る前提で設計します。

ICTベンダーとやり取りする際のポイント

提案を受ける際は、機能一覧よりも次の観点で会話すると、導入後のギャップを減らせます。

  • 自社の前提条件(ユーザー数、拠点、端末、ネットワーク制約、運用体制)
  • 業務フロー(例外処理、承認、マスタ更新の手順)
  • セキュリティ要件(権限、監査、ログ、データ保管場所)
  • 移行方針(段階導入、並行稼働、過去データの扱い)

「何ができるか」より「どう運用できるか」をすり合わせるほど、定着しやすくなります。

段階的導入とPDCAで改善を回す

ICT導入は、一度に全社展開すると、教育・問い合わせ・運用負荷が集中しやすくなります。まずは小さく試し、成果と課題を見ながら拡大するほうが安全です。

  • 小規模な部門や業務から開始する(PoC/パイロット運用)
  • 定着の阻害要因を洗い出す(ルール、教育、権限、テンプレ不足など)
  • 運用を整えたうえで対象範囲を広げる

導入後は、Plan(目的と指標)→Do(運用)→Check(評価)→Act(改善)を回し続けることが重要です。ICTの価値は「導入時点」ではなく、「改善を継続できた組織」に残ります。

まとめ

ICTは、情報と通信を前提に業務を支える技術の総称であり、業務効率化・情報共有の改善・意思決定の高度化・新しい事業価値の創出に寄与します。一方で、セキュリティ、レガシー移行、社員教育、投資評価といった論点を避けて通ることはできません。自社の課題を具体化し、目的と指標を定め、段階的に導入してPDCAで改善を回すことで、ICT活用の効果を現実の成果として積み上げやすくなります。

Q.ICTとITの違いは何ですか?

ICTはITに通信・ネットワークを含め、情報のやり取りまで含めて扱う考え方です。

Q.ICT導入で最初に取り組むべきことは何ですか?

現場の課題を具体化し、目的と評価指標を決めることです。

Q.ICT化とDXは同じ意味ですか?

同じではなく、ICT化は手段で、DXは事業や業務の変革まで含む取り組みです。

Q.ICTツールを入れても定着しない原因は何ですか?

目的の共有不足、運用ルール不備、教育と支援体制の不足が主因です。

Q.ICT導入でセキュリティを強化する基本は何ですか?

守るデータを定義し、最小権限のアクセス制御とログ管理を徹底することです。

Q.レガシーシステム移行で失敗しやすい点は何ですか?

データ品質の未確認と、業務フローを変えないまま置き換える設計です。

Q.ICT投資の効果はどう測ればよいですか?

業務時間、ミス件数、滞留、利用率などを指標化して定期的に評価します。

Q.クラウド利用はICTの一部ですか?

クラウドはネットワークを前提に情報を扱うため、ICTの代表的な要素です。

Q.中小企業でもICT活用は有効ですか?

業務のムダや属人化が大きいほど効果が出やすく、中小企業でも有効です。

Q.段階導入が推奨される理由は何ですか?

教育と運用を整えながら拡大でき、失敗リスクを抑えやすいからです。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム