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システムの弱点に関する情報を、日々きちんと追えていますか。見落としがあると、攻撃者に修正し忘れた箇所を突かれ、被害が広がることがあります。この記事では、日本で使われるソフトウェアや機器の弱点と対策を確認できるポータルサイト「JVN(Japan Vulnerability Notes)」について説明します。何を見て、どのくらいの間隔で確認し、どう手を打つかを、自社で決めやすくすることが狙いです。
JVN(Japan Vulnerability Notes)は、日本で使われるソフトウェアや機器の弱点への対策情報を確認できるポータルサイトです。弱点の概要に加え、影響が出る製品や版、深刻度の見方、対策へのリンクがまとまっており、自社に関係があるか、どこから手を付けるかを考える材料になります。
JVNの役目は、弱点の情報を広く共有し、対策につなげることです。ニュースの見出しだけを並べるのではなく、実際に手を打つときに必要な情報をまとめて示す点に価値があります。
JVNは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)と一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)が共同で運営しています。2004年7月から続く取り組みで、弱点の情報を安全に流すための枠組みに沿って公開が行われています。
JVNでは、弱点への対策を中心に、判断に必要な要素がまとまっています。代表的には、次のような情報を確認できます。
| 情報の種類 | 見られる内容 |
|---|---|
| 弱点への対策 | 弱点の概要、影響が出る製品や版、想定される被害、パッチや回避策へのリンク |
| 注意を促す情報 | 深刻度が高い事象や、広く影響が及ぶ事象についての周知 |
| 識別子と評価 | CVEやCVSSなど。他のDBと照らし合わせたり、優先度を考えたりするときの手がかり |
| 参考になる資料 | ベンダーの案内、関連文書、回避策の補足 |
JVNは、基本的に誰でもWebで見られます。日々使うなら、サイトで探すだけでなく、更新を取りこぼしにくくする仕組みもあわせて使うのが現実的です。
弱点は、見つかっただけで直ちに被害が出るとは限りません。しかし、公開後に攻撃の手口が広まり、自社の機器が古いまま残っていると、情報の漏えいやランサムウェア感染、業務が止まる事態につながります。だからこそ、弱点の情報を集め、早めに該当を確かめる作業が欠かせません。
JVNのよさは、単なる一覧ではなく、影響が出る条件と対策へのリンクがまとまっていることです。例えば次の点を確かめやすくなります。
JVNは、見ただけで終えると効果が薄くなります。見つけた情報を、実際に手を打つところまでつなげることが大切です。
現場では、次のような形で日々の作業に組み込まれることが多いです。
JVNは、セキュリティ担当者だけのものではありません。運用、開発、情シスが同じ情報を見て、同じ前提で判断するための共通の参照先として使えます。
JVNには、「情報セキュリティ早期警戒パートナーシップ」に基づいて報告と調整が行われた情報や、CERT/CCなど海外の調整機関と連携した情報が掲載されます。国内で使われる製品では、弱点の報告を受けたあと、関係者の調整を経て公開される例があります。
JVNでは、影響が出る製品や版、対策の有無などが示されます。深刻度を見る目安としてCVSSが使われることもありますが、それだけで決めるのは危険です。実際には、次の点も合わせて見たほうが、優先度を決めやすくなります。
弱点の情報は、対策がまだない段階で詳細を出しすぎると、逆に悪用を助けるおそれがあります。そのため、公開の時期は、対策の出方や関係者との調整を見ながら決められます。利用する側は、公開された情報を読むだけで終えず、自社に当てはまるかを確かめ、手を打つところまで進める必要があります。
弱点の情報には、国際的な識別子であるCVEが付くことがあります。JVNでもCVEとの対応関係が示されるため、海外ベンダーの案内や他のDBと照らし合わせやすくなります。
また、JVNと混同しやすいものとして「JVN iPedia」があります。JVNが注意を促す情報や対策への案内を見る場だとすると、JVN iPediaは、JVN掲載分を含む弱点への対策情報を検索・集計するためのデータベースです。MyJVN APIは、その情報を機械的に取り出すための窓口です。次のように分けて使うと整理しやすくなります。
JVNを活かせるかどうかは、自社で何を使っているかが分かっているかに大きく左右されます。ソフトウェア名だけでなく、版、置き場所、外に公開しているか、担当者は誰かまで分かると、JVNを見たときに当てはまるかどうかや優先度を決めやすくなります。
忙しい現場ほど、手作業の巡回は続きません。次のような方法を組み合わせるのが現実的です。
弱点への対応が遅れる原因は、情報が届かないことよりも、判断が止まることにあります。共有の型を決めておくと、関係者が動きやすくなります。
弱点は日々見つかり、情報も更新されます。JVNを見続け、対応した記録をためると、次第に直しやすい体制に近づきます。よく影響を受ける製品の標準の構成を見直す、保守の契約や更新の手順を整える、といった改善にもつながります。
JVN(Japan Vulnerability Notes)は、日本で使うソフトウェアや機器の弱点と対策を確認できる代表的なポータルサイトです。IPAとJPCERT/CCが共同で運営し、影響が出る製品や対策へのリンクをまとめて示しています。企業はJVNを定期的に見て、自社で使うものの台帳と照らし、優先度を決めながら手を打つことが大切です。RSSや検索、必要に応じたJVN iPediaとMyJVN APIも組み合わせ、社内での共有と対応した記録を続けることで、攻撃を受ける危険を下げやすくなります。
Japan Vulnerability Notesの略です。日本で使うソフトウェアや機器の弱点と対策を確認できるポータルサイトです。
IPA(情報処理推進機構)とJPCERT/CCが共同で運営しています。
いいえ。基本的にWebで誰でも見られます。
いいえ。自社で使っているものの台帳と照らし、手を打ち、その記録を残すところまで必要です。
影響が出る製品や版、想定される被害、パッチや回避策へのリンクです。
目安にはなりますが、インターネットから届くか、悪用が広がっているか、回避策があるかも合わせて見ます。
弱点に付く国際的な識別子です。他のデータベースやベンダー情報と照らし合わせる手がかりになります。
JVN iPediaは、弱点への対策情報を検索したり集めたりするためのデータベースです。自動で取り込みたいときは、そこにある情報を使うMyJVN APIも見ます。
RSSを使うこと、重点的に見る製品を決めること、チケット管理とつなぐことが有効です。
どの製品か、どんな被害があり得るか、どのくらい急ぐか、どう手を打つかを短くまとめると伝わりやすくなります。