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ネットワークの冗長化とは? メリットや方法など

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム
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ネットワークとは、さまざまな機器やシステムを接続するための基盤であり、24時間365日、休むことなく通信可能な状態を保つことが重要です。ネットワーク機器の故障や不慮のトラブルによる通信遮断を回避するために、ネットワークの冗長化は欠かせないものとなっています。

この記事では、ネットワークの冗長化について概要からメリット、冗長化の方法などについて解説します。

冗長化とは?

冗長化とは、必要とされる設備・機能を余分に確保しておき、事故や障害が発生したとしてもシステムを継続して稼動できるようにすることです。IT分野では、おもにサーバーやネットワーク機器に対して冗長化は行なわれます。

ネットワークの冗長化とは?

ネットワークはサーバーやパソコンなどを接続し、相互にデータをやり取りするための経路です。さまざまなシステムやサービスを提供する上で欠かせません。ネットワークは循環する川の流れのようなものと考えられます。もしも、その一部で問題が発生し、流れが止まってしまうようなことになれば、それを利用してきたさまざまな生活に支障を来すでしょう。

ITシステムにおけるネットワークも同様です。そのため、仮に一部で問題が発生したとしても、通信の流れを止めないように別の経路を用意することがネットワークの冗長化です。ネットワークの冗長化により、システムやサービスを停止することなく提供し続けられます。

ネットワーク冗長化のメリット

ネットワークを冗長化する最大のメリットは、ネットワークの通信切断を回避できる点にあります。近年ではさまざまなネットワークに接続して業務を行っているため、ネットワークが利用できなくなると業務が停止するリスクがあります。そのため、ネットワーク冗長化によって業務停止のリスクを回避することが可能です。

また、サーバーやサービスを公開している場合には、アクセス集中やサイバー攻撃を受けることでネットワークが利用できなくなる可能性も考えられます。ネットワークを冗長化しておけば、特定の経路やサーバーにアクセスが集中しすぎないように、冗長化したネットワークで負荷を分散する「負荷分散」も実現可能です。

負荷分散やサイバー攻撃に対する対策としても有効であり、ネットワークを冗長化するメリットの1つといえるでしょう。

ネットワークの冗長化の方法

ネットワークの冗長化は大別すると物理的な冗長化方式と、論理的な冗長化方式に分けられます。特に論理的な冗長化方式はOSI参照モデルでいうところの各層によって異なるため、それぞれの冗長化方式を見ていきましょう。

OSI参照モデルに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。

→「OSI参照モデルとは? 特徴や役割をわかりやすく解説

第1層:物理層

物理層におけるネットワークの冗長化は、ネットワーク機器やLANケーブルなどの物理的な冗長化です。ネットワーク機器やLANケーブルを物理的に余分に確保することで冗長化を実現しています。また、大規模ネットワーク向けの機器になると、電源の冗長化も行なわれます。

第2層:データリンク層

データリンク層におけるネットワークの冗長化方式としては、チーミング・リンクアグリゲーション・スパニングツリープロトコル(STP)などが挙げられます。チーミングは物理的な複数のネットワークアダプターを仮想的に束ねる方法、リンクアグリゲーションは物理ポートを論理的に束ねる方法です。どちらも論理的には1つのネットワークアダプター・ポートとして扱いますが、物理的には複数利用されているため、故障などの際にも接続を切り替えて通信を継続できます。

また、STPはループ状に構成されたネットワークでデータが無限ループしないようにする仕組みです。ネットワークをループ状に構成すると、ブロードキャストトームと呼ばれる問題が発生しますが、STPによってループ状態にならないように通信経路を調整できます。ブロードキャストストームが発生しないようにしつつ、通信経路の冗長化を実現するためになくてはならない存在です。

第3層:ネットワーク層

ネットワーク層における冗長化方式としては、VRRP・HSRPやマルチホーミングなどが挙げられます。VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)やHSRP(Hot Standby Router Protocol)は、物理的な複数台のルーターを論理的な1台のルーターとして扱う技術です。物理的なルーターで障害が発生した際は、論理的なルーターの設定を異なる物理ルーターで引き継ぐため通信を継続できます。

また、マルチホーミングはインターネット回線の負荷分散技術であり、外部ネットワークとの接続における冗長化方式としても利用されます。

第4層:トランスポート層

トランスポート層における冗長化方式としては、ファイアウォールなどに搭載されているHA機能が挙げられるでしょう。HA(High Availability)機能は「フェイルオーバー」とも呼ばれます。2台の機器を稼動系(Active)と待機系(Standby)に分けて論理的にひとまとめにして管理し、通常時は稼動系で処理を行います。稼動系に障害などが発生した際には、自動的に待機系に切り替えることで通信を継続する技術です。

HAに関して詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

→「HA構成とは? 種類と特徴などをわかりやすく解説

この記事のまとめ

自社に適した冗長化を選択しましょう。

業務のIT化が進んだ近年では、あらゆるシステム・機器を接続するためにネットワークの存在は欠かせません。また、サービスなどを公開している場合には、特にネットワークを冗長化して常に接続可能な状態を維持する必要があります。

ネットワークの冗長化と一言でいっても、その内容はさまざまです。自社の環境に応じて、適切なネットワークの冗長化を実現し、切断することのない可用性の高いネットワーク環境を構築しましょう。

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム