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パスワードの安全な管理方法とは? リスクや注意点とあわせて解説

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IT化が進んだことで、企業ではWebサービスを含む多くのITシステムを業務利用するようになりました。その結果、利用するシステムの数に比例して多くのアカウントを管理することになり、いまや、適切なパスワードの管理方法はセキュリティに直結する重要な事項となっています。しかし、現実にはパスワードは危険な状態で管理されてしまっている場合も多く、それがセキュリティ事故につながるケースも散見されます。

この記事では、企業のパスワード管理におけるリスクや適切な管理方法などについて解説します。

企業のパスワード管理

いまや企業では数多くのシステムやWebサービスを採用しており、従業員は日常的に複数のシステム・サービスを利用しています。最近では、コロナ禍でテレワークが普及し、外部からアクセス可能なクラウドサービスの利用も増えたことからパスワード管理の重要性が一層高まっています。

パスワードとセキュリティは密接な関係にあり、誤ったパスワード管理をしていると重大なセキュリティ事故につながりかねません。

誤ったパスワードの管理方法で生じるリスク

パスワードは利用者の識別や、重要な情報などへのアクセス制限のために利用されます。そのため、誤ったパスワード管理によってパスワード情報が流出することで、不正アクセスや情報漏えいなどの被害につながります。

社内ネットワークの境界を中心にセキュリティ対策を実施する旧来型の「境界線型セキュリティ」の場合には注意が必要です。1つのアカウントのパスワードが漏えいすることで、社内ネットワーク内を自由にアクセスできるため、業務の継続が危ぶまれるほどのセキュリティ事故に発展する可能性が考えられます。

誤ったパスワード管理方法と注意点

誤ったパスワードの管理方法として代表的なものは、「付箋に書いてPC周りなどの見えるところに貼る」「テキストファイルやExcelにそのまま保存する」「容易に予測できる文字列を使う」「同じパスワードを使い回す」というものが挙げられます。

パスワードが覚えづらいことからこのような管理方法を取る方も少なくありませんが、漏えいしたときのリスクを考慮してこのような管理方法は避けるべきです。

適切なパスワード管理方法とは

そもそも、パスワードを情報として残さないことが重要です。本来、パスワードは「正規のユーザーしか知り得ない情報」であるため、記憶しておくことが最も安全な管理方法といえるでしょう。

しかし、近年では多くの場面でパスワードを利用するため、「覚えきれない」という方も少なくありません。その際にパスワードを情報として書き出す場合には、追加でアクセスを制限するための仕組みが必要です。

紙の場合には鍵付きのキャビネットに保管する、テキストやExcelファイルに保存する場合には暗号化して保存する、などの対策が考えられます。

パスワード管理にともなうリスクをさらに軽減する方法

前述の管理方法は、「パスワードを管理するためにパスワードを利用する」というものであるため、あまり効率的であるとはいえません。管理対象となるパスワードが増えるほど管理の手間も増えてしまい、それにともなってリスクも増加してしまいます。

そこでおすすめの管理方法として次のようなものが挙げられます。

  • 認証管理システム、パスワード管理ツールの利用
  • ワンタイムパスワードの利用
  • シングルサインオンの利用

パスワードの管理によって生じるリスクは、多数のパスワードの管理が難しいことから発生します。パスワードを一元的に管理できれば、多くのリスクを軽減できるため認証管理システムやパスワード管理ツールの利用がおすすめです。

認証管理システムは管理者が一元的にユーザーのIDとパスワードを管理できるため、管理負担の軽減と共に安全なパスワード管理が実現します。また、パスワード管理ツールで一元的に管理する場合にも、指紋認証などの二段階認証を利用できるものが多く、効率的かつ安全性の高いパスワード管理が実現可能です。

加えて、一定期間のみ利用可能なワンタイムパスワードを利用したり、一度のログインで複数のシステム・サービスに自動的にログインできるシングルサインオンの仕組みを利用したりすることで、パスワード管理にともなうリスクを大幅に軽減できます。

この記事のまとめ

パスワードは適切に管理しましょう。

多くのシステム・サービスを業務利用する昨今、パスワード管理は非常に重要性を増しています。適切でないパスワード管理は重大なセキュリティ事故に発展する可能性があり、企業にとって大きな課題の1つとなっています。

近年は効率的かつ適切なパスワード管理を実現するためのソリューションも多く登場しているため、これらを活用しながら適切なパスワード管理について見直してみてはいかがでしょうか。

また、パスワード管理における課題の1つとして「使い回し」が挙げられます。その危険性と対策については「パスワードの使いまわしは危険? 知っておきたいリスクと対策」にて詳しく解説していますので、こちらもぜひご覧ください。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム