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ショルダーハッキングとは? わかりやすく10分で解説

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ショルダーハッキングとは

ショルダーハッキングは、一種の情報漏洩の行為で、他人のパソコンやスマホの画面やキーボードを覗き見ることで、ログインパスワードなどの機密情報を盗み取るものです。主に公共の場所や職場で行われます。

この行為は情報通信技術を使用せずに行われ、従事者の知識や技術水準が高くなくても可能となっています。その手軽さと身近さから、情報セキュリティの観点では無視できない課題となっています。

さまざまな形で行われていますが、公共の場所での端末の覗き見、職場での情報の盗み見、身に着けた情報の盗み見などが一般的な手口となります。

ショルダーハッキングの定義

ショルダーハッキングは、他人のコンピューターやスマホなどの情報端末の画面やキーボードを覗き見る行為を指します。具体的には、他人が何かを入力しようとするシチュエーションで、その動作や入力内容をこっそり視認することが含まれます。

情報通信技術を使用せずに情報を盗む一形態であるため、重要な機密情報を管理する個人や組織にとっては、技術的なサイバー攻撃と同等の脅威となり得ます。

実行するのは極めて簡単で、特別な技術やツールを必要とせず、誰でも行うことができます。これは、情報セキュリティ対策の難易度を高める一因ともなっています。

ソーシャルエンジニアリングとの関連性

ショルダーハッキングはソーシャルエンジニアリングの一種です。ソーシャルエンジニアリングとは、人間の心理や行動を操って情報を盗み出す技術のことを指します。具体的には、人間の信頼感や安心感、無防備な状態を悪用して情報を入手する手口を指します。

ショルダーハッキングは、特に物理的な視線の範囲を利用したソーシャルエンジニアリングの一形態であり、情報の管理における他の手口とは一線を画します。

また、ソーシャルエンジニアリングはその性質上、情報セキュリティ対策として技術的な手段だけでなく、人間の意識改革も求められます。ショルダーハッキングも同様に、対策としてユーザー教育や情報管理の徹底が不可欠となります。

ショルダーハッキングによるリスクと影響

ショルダーハッキングにより盗まれる情報は、ログインパスワードや個人情報など、個人や組織にとって極めて重要なものとなり得ます。そのため、結果的には情報漏洩や不正利用、サイバー攻撃への導入口となる危険性があります。

また、ショルダーハッキング自体は比較的簡単に行うことができるため、その影響範囲も広範にわたります。 具体的には、公共の場所や自宅、職場など、どのような場所でも行われる可能性があります。

さらに、ショルダーハッキングは犯行の証拠が少なく、認知されにくい特性も有しています。これにより、結果的に被害の発覚が遅れることがあり、その影響は大きなものとなります。

ショルダーハッキングの名称の由来

ショルダーハッキングという名称は、文字通り「肩越しに情報を盗む」という行為を指す英語の表現「shoulder surfing」から来ています。

これは、他人がパソコンやスマートフォンを操作している際に、その背後から肩越しに覗き見ることに由来する命名です。このような視覚的な範囲を利用した手法は、通常の情報通信技術を必要としない独自の形態を持っています。

ショルダーハッキングの手口

ショルダーハッキングは情報通信技術を用いないユニークな手法です。こうした状況から防御するためには、まずは一般的なショルダーハッキングの手口を理解することが重要です。

主なショルダーハッキングの手口としては、人が多い場所での盗み見、従業員になりすましての企業への侵入、パソコンに貼られた付箋を盗み見るなどがあります。

一見無害な行動や日常的な状況下でも十分に注意を払わなければなりません。

人が多い場所での盗み見

人が多い場所、例えばカフェや通勤電車内などは、ショルダーハッキングが行われやすい環境です。他人の端末画面が見やすく、加えて周囲の視線を避けやすいため、注意が必要です。

公共の場所でのパソコンやスマートフォンの使用には十分な警戒心とプライバシー保護の意識が求められます。

機密性の高い情報を扱う場合は、公共の場所では一般的なインターネットサーフィンなどに留め、重要な仕事は個人のプライバシーが保たれている場所で行うことを心掛けましょう。

従業員になりすまして企業に侵入

信頼されている従業員や顧客になりすまし、企業の内部に侵入する手法も見受けられます。こうした手法は外部からの侵攻が難しい企業に対して特に効果的です。

企業は個々の社員が持つ情報が企業全体の情報セキュリティを左右するという意識を持つことが重要です。社員一人ひとりが情報セキュリティを守る意識を持ち、行動することが求められます。

従業員の権限管理や業務上の知識を含めた教育を徹底し、不審な行動や人物を見かけた際は適切な報告が行える状況を建設することが大切です。

パソコンに貼られた付箋を盗み見る

パソコンの画面周辺やキーボードにパスワードやIDなどを記入した付箋を貼り付けている人は少なくありません。しかし、これはショルダーハッキングを極めて容易にさせてしまいます。

このように、パスワードやIDを物理的な手段で保存、提示すること自体が情報漏洩のリスクとなります。デジタルデバイスであれ紙ベースであれ、私たちは常に情報を保護する責任があります。

情報を覚えるのが難しい場合は、パスワードマネージャーのようなツールを使用し、安全な方法で情報を管理しましょう。

デジタルデバイス以外でのショルダーハッキングの事例

ショルダーハッキングには、デジタルデバイスだけでなく、例えば会議中のドキュメントなど、紙ベースの情報も含まれます。

離席時に机上に残された重要書類や、公共の場所での不注意な書類の取り扱いも、ショルダーハッキングの対象となり得ます。

紙ベースの情報についてもプライバシー保護の観点から取り扱いには注意を払うようにしましょう。

ショルダーハッキングに対する防御策

ショルダーハッキングは、非常に狡猾な形の攻撃であり、その閃きやすさから完全に防ぐことは困難です。しかし、以下に示す一連の措置を講じることで、潜在的な脅威を大幅に軽減することが可能です。

人が多い場所での情報取扱

まず、人が多い場所で取扱う情報を制限することが有効です。すなわち、カフェなどの人が多い環境で重要な情報を取り扱わないように注意することです。これは、ショルダーハッキングのリスクを減らすための基本的な方法です。そのため、公的な情報以外の確認や入力は必ずプライベートな場所で行いましょう。

覗き見防止用のシートの活用

続いて、覗き見防止用のシートを活用することです。これらのシートは、特定の角度からしか画面を見ることができないように設計されているため、他人に画面を見られるリスクが大幅に減少します。これらのシートの取り付けは簡単で、ノートパソコンやタブレットなど、各種デバイスに対応しています。

端末の画面ロックの徹底

また、端末の画面をロックすることも重要なセキュリティ対策となります。この方法は、特に離席する際に最も効果的です。画面ロックは誰でも簡単に行うことができ、パスワードによる保護を提供します。離席している場合でも、デバイスは安全な状態を維持します。

多要素認証の活用

最後に、多要素認証の活用です。これにより、パスワードだけでなく、所有物(例えばスマートフォン)や生体情報(例えば指紋や顔認識)を使用してアカウントを保護します。この認証方式は、単一のパスワードよりもはるかにセキュリティが強化され、ショルダーハッキングによる損害が発生した場合でも、アカウントへの不正アクセスを防ぐのに役立ちます。 それぞれの防御策は単独でも効果的ですが、一緒に使用することで最大の防御効果を発揮します。これらの措置を講じて、自分自身と自分の情報を守ることができます。

ショルダーハッキングと組織のセキュリティポリシー

ショルダーハッキングはITの知識を必要としない攻撃手段であり、人間を狙ったソーシャルエンジニアリングの一手法です。そのため、組織としてはIT部門だけではなく、全ての従業員に対する意識向上や教育、対策の普及が不可欠であり、その役割をセキュリティポリシーが担います。

ショルダーハッキングへの意識と教育

ショルダーハッキングは物理的な距離と視線から起こるリスクです。そのため、組織的な対策としては、まずは従業員一人ひとりがその存在を認識し、自身の行動が情報漏洩に繋がる可能性を理解することが重要です。

これを実現するためには、定期的な教育やトレーニングが効果的です。具体的な事例を挙げつつ、ショルダーハッキングの危険性と防止方法を紹介しましょう。

また、強固なセキュリティ環境を構築するためには、組織全体でショルダーハッキングという課題を理解し、意識を共有することが欠かせません。

セキュリティ対策の組織全体への普及

いくら強固なセキュリティシステムを構築しても、人間の行動に起因するショルダーハッキングを防ぐことはできません。そのため、組織全体でのセキュリティ対策の普及および実践が必須となります。

具体的な対策としては、PCの画面やキーボードを覗き見られない位置に設置する、覗き見防止フィルターを使用する、不審な人物や行動を見かけた場合には速やかに報告するなどがあります。

これらの対策は、セキュリティポリシーとして定め、従業員全員に周知徹底することで実効性が高まります。

インシデント発生時の対応手順

さらに、もしショルダーハッキングが発生した場合の対応手順を定めておくことも重要です。具体的には、発生をいかに早く察知し、それをどのように報告・対応するかというプロセスをクリアにしておくべきです。

特に、報告の敷居を低くすることで、早期発見・早期解決につながり、被害の拡大を防ぐことが可能です。

このようなインシデント対応のプロセスも、セキュリティポリシーの一部とすべきです。

ソーシャルエンジニアリング対策の積極的推進

最後に、ショルダーハッキングはソーシャルエンジニアリングの一つであるため、これを防ぐには、ソーシャルエンジニアリング全般に対する対策が求められます。

例えば、フィッシング詐欺やBEC(ビジネスメール詐欺)対策として警戒感を持つこと、正しい知識を得ること、疑わしい行動は速やかに報告することなどが重要です。

従業員ひとりひとりのセキュリティ意識と知識の向上、それに伴う行動変容を促すことで、組織全体としての対策力を高めることが可能となるでしょう。

ショルダーハッキングの法的側面

ショルダーハッキングは、その実態が非技術的手段によって行われるため、法律の観点からも重要な問題となります。本章では、ショルダーハッキングに関連する法的側面について解説します。

特に、情報漏洩やプライバシー侵害、著作権法など、様々な法律の観点からショルダーハッキングの法的影響を見ていきます。

また、ショルダーハッキングを防止するための対策と並行して、法的な見地からのショルダーハッキングの扱いについて理解することは重要となります。

情報漏洩と法令違反の可能性

ショルダーハッキングは、個人情報の不適切な取得という形で行われるため、情報漏洩としての法令違反の可能性があります。

具体的には、個人情報保護法や犯罪による情報の悪用の防止等に関する法律などが関係します。それらの法令では、個人情報の不正な取得や利用は違法とされています。

したがって、ショルダーハッキングにより他人の情報が盗まれる行為は、これらの法律に抵触する可能性があります。

ショルダーハッキングによる被害と訴訟事例

ショルダーハッキングによる被害は、立証が難しいとされています。しかし、それにより被害を受けた場合、訴訟につながる事例があります。

たとえば、従業員がショルダーハッキングにより顧客情報を盗まれ、それが原因で顧客が不利益を被ったとした場合、企業は法的な責任を問われる可能性があります。

そのような事例が起きた際の対応も、事前に考えておくべき重要な法的側面といえるでしょう。

法的な罰則と対応

ショルダーハッキングに対する具体的な罰則については、定められていない場合が多いです。

しかし、無断で他人の情報を取得した場合、プライバシー侵害や不正アクセスの可能性があるため、法的な罰則が科せられる場合があります。

このため、対策だけではなく、ショルダーハッキングが発生した場合の法的な対応も含めて考える必要があります。

著作権法とプライバシー保護法の観点から

ショルダーハッキングは、著作権法の観点からも規制の対象となりうる行為です。

なぜなら、他人のデータや作品を無断で閲覧・複製する行為は、著作権侵害となり得る他、本来は閲覧を許可されていない情報を見る行為は、プライバシーの侵害になり得ます。

これらの観点からも、ショルダーハッキングは法的に問題があると考えられる行為です。

ショルダーハッキング対策の今後の進歩

いかにショルダーハッキングを未然に防ぐかは、近年のインターネット社会における重要な課題となっています。デジタルデバイスの進化やAI技術の活用など、多くの可能性がショルダーハッキング対策に影響を与えています。これからどのような対策が期待されているのか、以下で詳しく見ていきましょう。

デジタルデバイスの進化とショルダーハッキング対策

近年、スマートデバイスは更なる進化を遂げています。それらのデバイスを使った情報漏洩リスクに対する対策もまた進化しています。特に、デジタルデバイスの画面保護技術は、ショルダーハッキング防止策として大いに期待されています。覗き見防止画面や側面からの視認性を低下させるフィルムなど、デバイス自身が持つセキュリティ性能も増してきています。 デジタルデバイスの持つ生体認証機能も、ショルダーハッキング対策に有効です。顔認証や指紋認証などの多要素認証が普及することで、物理的なパスワードだけでなく、ユーザー本人の特性を使った認証により、より強固なセキュリティ対策が可能となっています。

AI活用のセキュリティ強化

AIの進化は、ショルダーハッキング対策の可能性を広げています。AIを活用したセキュリティソフトウェアやサービスが開発されている現在、これらは設定や運用が複雑であった従来のセキュリティ対策よりも高速かつ効率的な解決策を提供しています。 一方で、AIを用いたショルダーハッキング対策の盲点を突く新たな攻撃手法も生み出されています。そのため、AI技術を活用しながらも、全てに頼り過ぎず、ヒューマンエラーを防止することや従業員教育など、基本的なセキュリティ対策を怠らないことも重要となってきます。

未来のショルダーハッキング予防策の展望

将来的なショルダーハッキング対策としては、VRやARを活用した新たな対策技術の開発が期待されています。これらの技術により、視覚的な情報をより安全に、かつ効果的に保護することが可能となるとされています。 また、ブロックチェーン等の分散台帳技術を活用したアプリケーションの開発も、情報を安全に管理し、ショルダーハッキングを防ぐための一方策と考えられています。これにより、機密情報の侵害を防ぐことができます。

ショルダーハッキング防止のための技術開発の動向

ショルダーハッキング防止のための最新の技術開発動向としては、AIや量子コンピューティングの研究といった次世代技術が進展しています。これらは、ごまかし防止、暗号化技術などショルダーハッキング対策の新たな可能性を開くものであり、技術の進化が安全な社会をしっかりと支えることを期待させます。 しかし、それらはまだ発展途上であり、一方で侵入者もまた次々と新たな手法を開発している現状があります。そのため、インターネットユーザー自身がセキュリティに対する意識を高め、対策を行うことがますます重要になっています。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム