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SLAとは? わかりやすく10分で解説

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目次

SLA基本

SLA(Service Level Agreement)とは

SLA(Service Level Agreement)とは、サービス提供者とユーザー間でサービスの品質を定めた契約のことを指します。多様化するクラウドサービスやSaaSなどにおいて、サービスの品質、性能、サポート内容など、双方が共有するべき重要な情報を文書化し、トラブルを未然に防ぐための手段となります。

また、こうしたSLAは単に契約内容を明示するだけでなく、サービス提供者からユーザーへのコミットメント(約束)としての役割も果たします。

予め設定された品質基準を満たすことで、ユーザーはシステムの安定稼働を保証され、サービス提供者は利用者からの信頼を獲得することができます。

SLAの役割

SLAが果たす役割は主に2つあります。一つはユーザーの利益保護で、具体的なサービスレベルの指標を設定し、それが達成されない場合の補償などを定めることにより、ユーザーを保護します。

もう一つは、サービス提供者の業務品質の向上です。SLAの作成過程でサービス提供者は、自社のサービスレベルを明確にし、品質向上の具体的な目標を設定することになります。これにより、自社のサービスを継続的に向上させていく動機づけにもなります。

また、SLAはサービス提供者とユーザーの間での認識の共有を促進し、無駄なトラブルを防ぎます。

SLAの主な内容

SLAの主な内容はサービスごとに異なるものの、一般的なSLAにはサービスの可用性、性能、セキュリティ、サポート内容などが含まれます。

具体的には、サービスの稼働率、レスポンス時間、障害通知、障害回復時間、データバックアップなどの条件が明記されます。

また、SLA違反の際のペナルティ(契約違反罰金)についてもしっかりと述べられています。これは、サービス提供者がSLAを遵守する上でのインセンティブとなります。

SLAの意義

SLAはユーザーとサービス提供者の間での信頼関係の構築に寄与します。予め合意しておいた契約に従ってサービスが提供されるため、ユーザーは安心してサービスを利用することができます。

また、SLAはサービス提供者にとっても重要です。SLAを掲示することでサービスの品質を明示し、ユーザーからの信頼を勝ち取ることが可能になります。

さらに、SLAがなければ、サービスに問題が生じた際の対応が曖昧になり、サービス提供者とユーザーの間に混乱や摩擦が生じる可能性があります。そのため、SLAはトラブルを未然に防ぐための重要なツールとなります。

SLAの中身

SLAの理解を深めるためには、その具体的な内容について詳しく知ることが不可欠です。ここでは、SLAに定められる一般的な条件の例、SLAの範囲設定、品質指標を中心に触れていきます。また、SLAの見直しと更新についても解説します。

SLAの具体的な条件例

SLAには通常、サービスの品質を保証するための具体的な条件が定められます。これらの条件はサービスごとに異なりますが、以下のような項目が含まれることが一般的です。

  1. サービスの稼働率
  2. レスポンス時間
  3. 障害通知
  4. 障害回復時間
  5. データバックアップ

SLAの範囲設定

主要な要素の一つに、SLAの範囲設定があります。サービス提供者がどの範囲までサービスの品質を保証するのか、具体的に定めます。これにより、サービス提供者とユーザーの間で認識の齟齬を防ぎ、予期せぬトラブルを未然に防ぐことが可能になります。

また、SLAの違反が発生した場合の責任の所在も明確にされます。これは保証型、努力目標型、混合型の3つに大別されます。

SLAにおける品質指標

品質の保証を目指す上で、SLAにおける品質指標の重要性は言うまでもありません。品質指標とは、サービスのパフォーマンスを評価するための具体的な基準のことを指します。品質指標の設定により、サービスの品質を定量的に把握し、その改善を目指すことが可能となります。

SLAの見直しと更新

組織やビジネスの状況、テクノロジーの進化は、常に変化を続けています。そのため、定められたSLAも時代の変化に対応するための見直しが必要になることがあります。 SLAの見直しは、全ての関係者がサービスの現状を理解し、将来の改善を進めるための重要なステップです。

サービス品質の合意

サービス提供者と顧客間での合意であるSLA (Service Level Agreement)における最も重要な概念は、サービス品質の合意です。ここでは、それがなぜ重要であるか、その必要な要素、それが顧客満足度とどのように関係しているか、および品質改善への取り組みについて詳しく説明します。

なぜサービス品質の合意が重要か

SLAの核心要素であるサービス品質の合意は、ユーザーとサービス提供者間の認識齟齬を防ぐことに非常に大きな価値があります。これにより、両者間の明確な期待値が設定され、それが達成されたかどうかを評価する基準が確立されます。

また、サービス提供者は、SLAを通じてサービスの品質を保証する責任を負います。これにより、品質が維持されることをユーザーは確信することができます。

その結果、誤解やトラブルを防ぎ、長期的な信頼関係を築くことができます。サービス品質の合意は、ビジネス関係の成功を可能にする鍵となります。

サービス品質の合意に必要な要素

SLAで定めるサービス品質の要素には、サービスの稼働時間、レスポンス時間、障害通知、回復時間、データバックアップなどがあります。これらは各サービスの特性、提供内容により差異があるため、明記されることが極めて重要です。

また、SLAには、サービスレベルを達成できなかった場合の責任が記載されており、それが保証型であるか、努力目標型であるか、またそれらの混合型であるかにより、サービス提供者の負うべき責任は異なります。

さらに、SLAは定型約款として取り扱われることもあり、それが変更される場合には変更内容を周知するなど適切な手続きが必要とされます。

サービス品質と顧客満足度

サービス品質の合意が顧客満足度に直接的に影響します。品質が納得いく範囲内で提供されると、顧客の満足度は高まり、長期的なビジネスパートナーシップの成立を助けます。

また、サービス品質の合意により設定された基準が守られていれば、それは顧客に対する約束の遵守を示し、提供者の信頼性を高めます。

顧客満足度の向上は、販売数の増加や顧客基盤の拡大をもたらし、結果としてビジネスの成長につながるでしょう。

品質改善への取り組み

SLAはまた、品質改善の取り組みを推進するための道具となります。

サービス提供者は、SLAに基づいてサービスの品質を定期的に見直し、必要な改善を行うべきです。その際、技術の進化や市場動向、顧客の要求の変化なども考慮に入れるべきです。

このような取り組みを通じて、サービス提供者は業績を向上させるだけではなく、適応力と革新性を持つ組織文化を築くことができます。

サービス提供者と顧客間の認識合わせ

特にIT産業など、技術的な要素が強く介在する分野でのサービス提供に際して、サービス提供者と顧客間の認識合わせが重要なポイントとなります。その認識合わせの具体的な方法として活用されるのがSLA(Service Level Agreement)です。

ユーザーとサービス提供者のコミュニケーション

ユーザーとサービス提供者は通常、コミュニケーションを通じてサービスの品質を確認します。このプロセスはSLAの策定において極めて重要であり、双方が必要な品質を理解し合います。

SLAは、サービス提供者とユーザー双方が納得できる形で品質基準を定義するためのツールです。このツールを活用することで、両者間の認識のずれを無くすことが可能となります。

通常、このSLAはサービス提供者から提案され、ユーザーとの間で詰められます。したがって、SLAはコミュニケーションツールとしても非常に有用です。

SLAを通じた認識のズレの解消

SLAは、顧客が期待するサービス品質と、サービス提供者が提供できる品質との間での認識のズレを解消するためのツールとして設計されています。

具体的には、SLAにはサービス提供者が保証するサービスの品質を詳細に記載します。これにより、顧客はサービス提供者が何を保証しているのか、何を提供できるのかを具体的に知ることができます。

また、SLAは、サービスが一定の品質を保つために必要な環境や設定も明記します。これにより、顧客はサービス提供者に対して具体的な改善要望を出すことも可能となります。

信頼関係の強化

SLAは、品質に関する明確な約束を含むため、サービス提供者と顧客間の信頼関係を生み出します

この信頼関係は、サービスの提供に関する問題が発生したとき、迅速かつ適切な対応を可能とします。SLAがあることで、問題が発生したときの対策や対応策も明確になります。

したがって、SLAはサービス提供者と顧客間の長期的な信頼関係を築くための重要なツールとなります。

長期的な関係性

SLAはサービス提供者と顧客の間で、長期的な関係を構築するための枠組みを提供します。具体的には、サービス提供者が顧客に対してどのようなサービスを提供し、その品質をどのように確保するかを明記します。

これにより、顧客はサービスの品質を一定期間保証することに関する確約を得ることが可能となります。顧客はサービス提供者に対して信頼感を持ち、長期的なビジネス関係を築くことが可能となります。

また、SLAは顧客が追加的なサービスを購入する際の判断材料ともなります。これにより、サービス提供者は長期的なビジネスを獲得し、顧客満足度を向上させることが可能となります。

SLA違反時の責任

SLA(Service Level Agreement)違反の責任とは、サービス提供者がSLAで約束したサービスレベルが顧客が期待する水準または合意した条件を満たさなかった場合における、その違反に対する責任を指します。具体的な違反の例としては、サービス提供の可用性、性能、機密性などが低下するなどがあります。

責任の程度は、違反の範囲や影響の広さ、違反の原因などによります。また、予めSLAにおいて、違反に対する責任の範囲や条項、対応方法などが定められています。

SLA違反の責任を理解し、それに基づいて適切な対応を行うことがサービス提供者のスムーズな運営につながります。

SLA違反の認定基準

SLA違反の認定基準はSLAにより設定されます。多くの場合、以下のような項目が基準として設けられることがあります:サービスの可用性、応答時間、エラー発生率、緊急事態対応時間等です。

基準は具体的かつ明確に定義されるべきであり、それに基づきサービス提供者の対応が評価されます。この基準に従い、定期的にサービスの運営状況を監視し、評価を行うことが望まれます。

また、基準には状況に応じて柔軟に対応できるための裁量の範囲も設けられることがあります。

SLA違反時の対応

SLA違反時の対応型は大きく3つに分類されます。保証型努力目標型、そして混合型です。

保証型はSLAで約束した目標を達成しなかった場合に、予め取り決めたペナルティを適用する方式です。一方、努力目標型はSLAで約束した目標に対して最善を尽くすことを約束し、ペナルティの適用はありません。

そして混合型はこれら両方の要素を含みます。特定の項目については責任を保証する一方で、他の項目については努力目標とする、という形式を取ることが一般的です。

SLA違反時の責任負担

違反が発生した際の責任負担については、違反の原因や状況等によって変動します。具体的な内容は当然ながら各SLAによりますが、一般的には、違反の原因がサービス提供者側にある場合、違反による損失等の責任を負うことが多いです。

また、責任負担の範囲や負担の度合いについてもSLAで明確に定められています。

なお、責任免除条件として「天災地変」や「サードパーティからの攻撃」といった、提供者の責任範囲外の事象が原因となった場合を除外する旨の条項が設けられていることもあります。

SLA違反の重要理解と取り扱い

SLA違反は、ユーザーに影響を与えるだけでなく、サービス提供者自身の評価や信頼性にも影響します。

そのため、SLA違反は重大な問題として、適切かつ迅速な対応が求められます。適切な対応とは、ユーザーに対する説明や改善策の提案、また長期的な視点でのサービス改善などを含みます。

また、SLA違反の予防、適切な対応、継続的な品質改善のためには、定期的なSLAの見直しと調整が必要です。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム