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SREとは? わかりやすく10分で解説

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目次

はじめに

近年、IT業界で注目を集めている「SRE」。この言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、具体的にSREが何を意味するのか、どのような背景や目的で生まれたのかを知る人はまだ少ないかもしれません。

この記事では、SREの基本的な考え方や主要な概念、そしてSREを取り入れることのメリットや注意点について、わかりやすく解説していきます。

SREとは?

SRE(Site Reliability Engineering)とは、システムの信頼性を高めるための方法論の一つです。特に大規模なシステムを持つ企業やサービスでの採用が増えており、その効果から多くの組織が導入を検討しています。

SREの歴史

多くの技術や方法論は、特定の問題やニーズに応える形で生まれます。SREもその一つで、特に大規模なシステムを持つ企業やサービスが直面する課題を解決するための方法論として考え出されました。

Googleが提唱する新しい方法論

Googleは、その巨大なインフラとサービスを支えるために、従来のシステム運用の方法を見直す必要がありました。その結果、開発と運用の間のギャップを埋める新しいアプローチとして、SREが生まれました。Googleの経験と知見を基に、SREはシステムの信頼性と効率性を両立させるためのベストプラクティスとして広まっていきました。

従来の運用との違い

従来のシステム運用は、開発チームと運用チームが別々に活動しているケースが多く、それぞれのチームが異なる目標や価値観を持っていました。しかし、SREの考え方では、これらのチームが協力して一つの目標に向かうことが重視されます。具体的には、システムの安定性を保ちつつ、新しい機能や改善を迅速にリリースすることが求められます。

SREの基本

システムの運用において、開発と運用の間には伝統的に垣根が存在していました。SREはこの垣根を取り払い、よりスムーズで効果的なシステム運用を目指す考え方を提供しています。

開発者と運用者の垣根を超える

従来、開発者は新しい機能やサービスの開発に専念し、運用者はシステムの安定性や性能の維持に努めていました。しかし、このような分業体制は、新しい変更を迅速に適用することが難しくなるという課題がありました。SREの考え方では、開発者と運用者が協力して、システムの改善や問題解決を行うことが推奨されます。

安定的な運用管理を目指す

SREは、システムのダウンタイムや障害を最小限に抑えることを目指しています。これを実現するために、エラーバジェットSLO(Service Level Objective)といった概念が導入されています。これらの概念を活用することで、システムの安定性と新しい変更の導入をバランス良く進めることができます。

SREの概念

SREには、システムの信頼性を高めるための独自の概念やツールが数多く存在します。これらの概念を理解することで、SREの考え方やアプローチがより深く掴めるでしょう。

エラーバジェットとは?

エラーバジェットは、システムが許容できるエラーの上限を示す指標です。具体的には、システムがダウンする時間や、特定のエラーが発生する頻度などを示すものです。エラーバジェットを設定することで、開発チームは新しい機能のリリースやシステムの改善を進める際のガイドラインとして活用できます。

SLOとは?

SLOは、システムの性能や信頼性に関する目標を示す指標です。例えば、レスポンスタイムやダウンタイムの頻度など、ユーザーにとってのサービスの品質を示すものです。SLOを設定することで、運用チームはシステムの状態を常にモニタリングし、目標を達成するための取り組みを進めることができます。

オペレーションの自動化

SREの考え方の中心には、オペレーションの自動化があります。手動での作業はエラーの原因となることが多いため、可能な限り自動化することで、システムの安定性を高めることができます。特に、デプロイや監視、障害対応などの運用業務を自動化することで、迅速かつ確実にシステムの運用を行うことができます。

SREとDevOpsの関係

IT業界での話題として、SREと同じくらい注目されているのが「DevOps」です。これら二つの方法論は、多くの点で共通の目的や考え方を持っていますが、それぞれに独自の特徴やアプローチがあります。

2つの方法論の違い

DevOpsは、開発(Dev)と運用(Ops)の間のコラボレーションを促進することを目的とした方法論です。一方、SREは、システムの信頼性を高めるための具体的な手法やツールを提供する方法論です。DevOpsがより抽象的な概念や文化の変革を重視するのに対し、SREは具体的な実践やツールの導入を中心に考えられています。

SREがDevOpsの概念を具体化する

多くの組織では、DevOpsの考え方を取り入れることで、開発と運用の連携を強化しようとしています。しかし、具体的な取り組みやツールの選定に迷うことも少なくありません。SREは、このような課題を解決するための具体的なガイドラインやツールを提供しており、DevOpsの考え方を実際の運用に落とし込むための一つの方法として注目されています。

SREのメリット

多くの組織がSREを導入する背景には、それが持つ多くのメリットがあります。ここでは、SREを取り入れることで得られる主要な利点について詳しく解説します。

効率的なシステム運用

SREの考え方やツールを取り入れることで、システムの運用がより効率的になります。特に、オペレーションの自動化やエラーバジェットの導入により、手動での作業やエラーのリスクを大幅に削減することができます。

障害対応のスピードアップ

SREでは、システムの障害やダウンタイムに迅速に対応することが重視されています。具体的なモニタリングツールやアラートシステムを導入することで、問題が発生した際にすぐに対応することができ、ユーザーへの影響を最小限に抑えることができます。

開発と運用のバランスの取りやすさ

従来のシステム運用では、新しい機能のリリースとシステムの安定性の間にトレードオフの関係が存在していました。しかし、SREの考え方を取り入れることで、これらのバランスをより簡単に取ることができます。特に、エラーバジェットの導入により、どれだけのリスクを取って新しい変更を導入するかを明確にすることができます。

SREを取り入れる際の注意点

SREの持つ多くのメリットに魅力を感じ、導入を検討する組織も多いですが、その際にはいくつかの注意点が存在します。ここでは、SREを効果的に取り入れるためのポイントや、導入時に気をつけるべき点について詳しく解説します。

組織文化の変革が必要

SREを成功させるためには、組織全体の文化や価値観の変革が不可欠です。従来の運用方法や考え方に固執することなく、新しい方法論やツールを柔軟に取り入れることが求められます。特に、開発者と運用者の間のコミュニケーションや協力の重要性を理解し、それを実践することが必要です。

継続的な学習と改善の重要性

SREは、システムの運用を常に最適化し、改善を続けることを目指す方法論です。そのため、新しい技術やツールの導入、運用方法の見直しを継続的に行うことが重要です。また、システムの障害や問題が発生した際には、その原因を徹底的に分析し、再発防止策を講じることが求められます。

まとめ

この記事を通して、SRE(Site Reliability Engineering)の基本的な考え方や主要な概念、そしてそのメリットや導入時の注意点について詳しく解説してきました。SREは、システムの信頼性を高めるための新しい方法論として、多くの組織での導入が進められています。

SREの魅力と可能性

SREは、従来のシステム運用の課題を解決するための具体的な手法やツールを提供しています。特に、開発と運用の間のコラボレーションを強化し、システムの安定性と新しい変更の導入をバランス良く進めることができる点が魅力とされています。また、SREの考え方やツールを取り入れることで、システムの運用がより効率的になるだけでなく、障害対応のスピードアップや継続的な改善も実現できます。

最後に、SREを導入する際には、組織全体の文化や価値観の変革が必要であることを忘れてはなりません。新しい方法論やツールを柔軟に取り入れ、継続的な学習と改善を進めることで、SREの真の価値を最大限に引き出すことができるでしょう。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム