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タンパリングとは? わかりやすく10分で解説

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目次

はじめに

タンパリングとは、Webアプリケーションのパラメータを不正に改ざんする攻撃手法とされています。

なお、タンパリング攻撃には高度なテクニカルスキルや特殊装備は必要とされません。端的に言うと、エンドユーザーのブラウザから行うことが可能な手法です。そのため、一般的なインターネットユーザーも危険性を理解しておく必要があるのです。

さて、この節では具体的な設定と攻撃の仕組み、そしてその危険性と影響について詳しく見ていきましょう。

タンパリングとは?

タンパリングは攻撃者がWebアプリケーションの特定のパラメータを不正に変更する手法です。これにより企業の情報流出、本来許可されていない操作の実行、予期しないバグなどが起こる可能性があります。

攻撃者はURL内の情報を改ざんすることによって、Webサイトの管理者にとって予測不能な結果を引き起こし、明らかにあるべきではない情報や動作を求められる可能性があります。

したがって、タンパリングへの理解とその影響を把握することは、情報セキュリティにとって緊急の課題となっています。

タンパリング攻撃の仕組み

タンパリング攻撃の一般的な手口はGETメソッドを利用したものです。この方法では、パラメータがURLのクエリストリングに埋め込まれます。

例えば、「ユーザーID」のようなパラメータがURL内に含まれていると、攻撃者はこの情報を改ざんしてサイト管理者にとって予想外の結果を引き起こすことが可能です。

このような攻撃を実行するためには、URLの構造を理解し、どの部分を書き換えるべきかを判断する必要があります。したがって、設計段階での十分な配慮と保護が求められます。

クエリストリングの危険性

タンパリング攻撃でも利用されるクエリストリングは、外部に露出するため以下の危険性があります。

  1. Webブラウザのキャッシュにより、「戻るボタン」や「履歴」を使用した際に認証なしで特定のページにアクセス可能です。
  2. Webブラウザが送るHTTPヘッダのリファラには、前に見ていたページのURLが含まれ、重要な情報が含まれる可能性があります。
  3. 経路上のプロキシサーバやファイアウォールのログにクエリストリングが残る可能性があります。

これらの理由から、クエリストリングの保護が重要となります。

タンパリングの影響

タンパリングの影響は様々で、その状況によりますが重大な結果を引き起こす可能性があります。一例を挙げると、他のユーザーのアカウントにログインしたり、アクセス権限を超えた操作を実行したりすることが可能になります。

その他にも、不正な価格設定や数量変更による不正利益など、企業や個人に大きな被害を与える可能性があります。

また、クエリストリングに埋め込まれた秘密情報(例えばセッションIDやトークン)が洩れることにより、これらの値を使ったセッションハイジャックやクロスサイトスクリプティング(XSS)などの攻撃につながる可能性もあります。

タンパリング攻撃の例

タンパリング攻撃にはさまざまな手法があります。ここでは、主にURLパラメータの改ざん、クッキーの改ざん、フォームフィールドの改ざん、HTTPヘッダの改ざんといった一般的な手法について具体的な例を示します。

これらの攻撃手法は、攻撃を防ぐために理解しておくべき重要な知識となります。

それでは、それぞれの攻撃例について詳しく見ていきましょう。

URLパラメータの改ざん

URLパラメータの改ざんは、最も一般的なタンパリング攻撃の一つです。GETメソッドを使用して送信されるURLのクエリストリング部分に含まれるパラメータを不正に変更する手法を指します。

例えば、eコマースサイトで商品価格がURLパラメータとして設定されている場合、攻撃者はそのパラメータを改ざんして異常低価格で商品を購入することが可能になることがあります。

攻撃対策としては、重要な情報をURLパラメータに含めない、またはパラメータの値が改ざんされた場合に適切に処理を停止できるような設計にすることが重要です。

クッキーの改ざん

クッキーはユーザのセッション状態を保持するために使用されます。しかし、攻撃者がクッキーを捏造または改ざんすれば、他人のユーザーセッションを乗っ取ったり、制御すべきでない情報にアクセスしたりできます。

例として、攻撃者が管理者権限を持つユーザIDのクッキー情報を作成すれば、サーバー側では管理者として認識し、結果として不正な操作が許可される可能性があります。

対策としては、クッキーの情報を暗号化し、またクッキーの改ざんを検出する処理を追加することが考えられます。

フォームフィールドの改ざん

Webアプリケーションでは、ユーザから入力情報を取得するためにフォームが使用されます。フォームフィールドの改ざんでは、攻撃者が制御すべきでない情報をフォームに入力して送信することで情報を改ざんします。

例えば、攻撃者が他人のユーザIDを入力すればその人物として認識される可能性があります。このように、フォームフィールドの改ざんは重大なセキュリティ上のリスクを持ちます。

対策としては、フォームに対する入力値の検証を強化し、また不正な値が送信された場合には適切にエラーレスポンスを返す設計が必要です。

HTTPヘッダの改ざん

HTTPヘッダの改ざん攻撃は、クライアントがサーバに送るHTTPリクエストヘッダを改ざんする手法を使います。攻撃者はリクエストヘッダの情報を改ざんすることで、想定外の挙動を引き起こすことが可能です。

具体的な例としては、攻撃者がUser-Agentフィールドを改ざんすることで、サーバが別のブラウザからのアクセスと誤認するケースなどがあります。

防御策としては、重要な情報をヘッダに保持しない、または不正なリクエストヘッダを検出した時点でリクエストを拒否するような設計が重要となります。

タンパリング攻撃の脆弱性

タンパリング攻撃は、Webアプリケーションのパラメータを不正に改ざんすることによる攻撃手法です。URL内のクエリストリングに埋め込まれたパラメータを改ざんする場合は特に注意が必要です。以下では、タンパリング攻撃の脆弱性について詳しく述べます。

クリアテキストのパラメータ

クリアテキストのパラメータはタンパリングの危険性を高めます。セキュリティ的に重要な情報をクエリストリングに埋め込むと、URLを通じて攻撃者がその情報にアクセスすることができます。例えば、ユーザーIDやパスワードなどの重要な情報がURLに含まれていると、攻撃者はこれを改ざんして思わぬ被害を引き起こすことが可能です。

ブラウザキャッシュの問題

ブラウザのキャッシュもタンパリング攻撃のリスクを高めます。例えば、「戻るボタン」や「履歴」を使って特定のページにアクセスすると、認証のプロセスをスキップすることが可能になる場合があります。これにより、クエリストリングに含まれる重要な情報が侵害されるリスクが生じます。

無効な入力検証

無効な入力検証はタンパリング攻撃に対する脆弱性を高めます。効果的な入力検証が不足していると、攻撃者は改ざんしたパラメータを送信することが可能になります。これにより、Webアプリケーションは攻撃者の期待通りの反応を示す可能性があります。

データの不適切な取り扱い

データの不適切な取り扱いもまた、タンパリング攻撃のリスクを増大させます。特に、保護すべきデータを安全に処理しない場合や、安全な方法でデータを送信しない場合には注意が必要です。データの不適切な取り扱いは、攻撃者にデータを不正に改ざんする機会を与える可能性があります。

タンパリング防止策

タンパリング、あるいはWebアプリケーションのパラメータ改ざん攻撃に対する理想的な防御策は何でしょうか? タンパリング攻撃が深刻な危険を引き起こす可能性があるため、適切な対処は重要です。以下、具体的な防止策をいくつかご紹介します。

適切なパラメータ妥当性検証

最初に考慮すべき防止策は、適切なパラメータ妥当性の検証です。パラメータを直接信用せず、適切な値のみ受け入れる検証メカニズムを確立することが重要です。これにより、不正または予期しない形式のパラメータがシステムに影響を与えることを防ぐことができます。

適切な検証メカニズムは、具体的な値だけでなく、パラメータの種類、長さ、範囲なども考慮に入れるべきです。さらに、エラーメッセージも慎重に扱う必要があります。エラーメッセージが詳しすぎると、攻撃者に有用な情報を提供する可能性があります。

また、検証は全ての入力箇所で行う必要があります。フォームやURLを通じてだけでなく、クッキーやHTTPヘッダー、隠れたフィールドなど、可能な限り全ての入力をチェックするのがベストです。

固定トークンの使用

次に、固定トークンの使用をお勧めします。この方法は、アプリケーションがパラメータを安全に送受信するための助けとなります。固定トークンは、攻撃者がパラメータを推測または改ざんすることを防ぎます。

各セッション内で一意かつ予測不可能なトークンを生成し、これをパラメータとして使用します。そして、サーバー側では、受け取ったトークンが予想されたものかどうかをチェックします。攻撃者が有効なトークンを推測するのは非常に難しいため、この方法は改ざん阻止に効果的です。

ただし、トークン生成や管理には注意が必要です。トークンは暗号学的に強固でなければならず、予測不可能である必要があります。実装が難しい場合は、既存の信頼できるライブラリを活用するのがベストです。

WAFを用いた防御

また、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)を使用することも一つの対策です。WAFを導入することで、異常なリクエストを監視し、必要に応じてブロックすることが可能となります。これがタンパリング攻撃からの防御戦略の一部となります。

しかし、これだけで万全とは言えません。WAFは効果的なツールですが、最終的な解決策とはなりません。また、WAFを適切に設定し、維持するためには専門知識と時間が必要です。

したがって、WAFは総合的なセキュリティ戦略の一部として位置づけるべきで、決して唯一の防御策とすべきではありません。

セキュアなコードの記述

最後に、セキュリティコードの記述を念頭に置くこともこの問題の解決策となります。データを処理する際の慎重さや、攻撃ベクトルに対する理解が重要になってきます。

例えば、ユーザーからの入力をそのまま信頼せず、推奨されるエスケープメカニズムを使用することが必要です。また、可能であれば、安全なAPIやフレームワークを使用してコードを記述します。

セキュリティコーディングは、静的なコード分析ツールや自動的なセキュリティスキャナを使用して支援することができます。しかし、最終的な防御策はすべての開発者がセキュリティ意識を持つことです。

タンパリング対策の具体的な手順

ここでは、Webアプリケーションに対するタンパリング攻撃の脅威からどのように守るべきか、具体的な手順について説明します。

正確かつ効果的な防御策は、タンパリングの被害からあなたのWebアプリケーションを保護するための不可欠の要素です。

以下の対策手順には、パラメータのエンコーディング、セッションハンドラの利用、技術的な防御策の導入、そして定期的な攻撃対策の見直しが含まれます。

パラメータのエンコーディング

パラメータのエンコーディングは、データの解釈を制御し、不正な操作を防止するための重要な手段です。

エンコーディングによって、パラメータの値が元々の意味を保持しながら不正なスクリプトから守られます。タンパリングに対する防御策の一つです。エンコーディングを適切に行うことで、攻撃者がクエリストリングを改ざんする能力を大幅に制限できます。

セッションハンドラの適用

タンパリング防止のためには、セッションハンドラの適用が極めて重要です。

ユーザーのセッション情報は、サーバーサイドで管理し、ブラウザから送信されるデータを信頼しきらないようにすることが推奨されます。この方法で、攻撃者の改ざんを防げます。また、セッションIDの再生成や、セッションの失効処理なども重要なポイントとなります。

技術的な防御策の導入

技術的な防御策には、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)のようなソリューションの導入が含まれます。

これらのツールや製品を用いることで、リアルタイムの防御を強化し、Webアプリケーションをタンパリング攻撃から守ることが可能になります。しかし、これらの製品を導入するだけでなく、適切に設定し、定期的に更新することが必要です。

攻撃対策の定期的な見直し

攻撃対策の定期的な見直しは重要です。これにより、新たな脅威に対応し、セキュリティ状態を最新の状態に保つことができます。

ログのモニタリング、 セキュリティアップデートの適用、 システムの定期的な監査などが含まれます。

加えて、知識のアップデートも重要で、最新の攻撃手法と防御策についての情報を常にチェックして、必要な手法を取り入れるべきです。

タンパリング攻撃とビジネスへの影響

Webアプリケーションに標準的に使用されるパラメーターの取扱いの安全性は、ビジネスの成功と深い関連があります。タンパリング攻撃は、その安全性に大きな脅威をもたらします。

以下では、この攻撃がもたらす可能性のある多大な影響と、それにどう対処するべきかについて解説します。

ユーザー情報の漏洩

タンパリングの結果、ユーザーの個人情報が第三者に漏洩する可能性があります。これは、パスワード、クレジットカード情報、個人を特定できる情報(PII)など、様々な種類の情報を含んでいます。

情報が漏洩した場合、アカウントの不正利用やクレジットカードの不正利用、あるいは個人を特定する情報を使った詐欺などのリスクがあります。

その結果、ユーザーは重大な金銭的損失を受ける可能性があります。その責任は、結果的にはビジネス運営者にも及びます。

ビジネスイメージへのダメージ

顧客の信頼はビジネスの繁栄のために必要不可欠です。しかし、セキュリティ侵害が発生した場合、それは深刻なダメージを受けるでしょう。

情報漏洩のニュースが一度報道されれば、既存顧客はもちろんのこと、将来的な顧客もその企業・サービスに対する信頼を失います。

その結果、ユーザー離れ、売上の減少、さらには潰れてしまう可能性すら出てくるでしょう。

法的な制裁

個人情報保護法やGDPRなど、様々な法律がユーザー情報の保護を義務付けており、その遵守が求められています。

情報漏洩が発生した場合、適切なセキュリティ対策がとられていなければ、それは法律違反となり、罰金を含む様々な制裁が課せられる可能性があります。

その結果、経済的な損害だけでなく、事業の継続そのものが厳しくなる場合もあります。

セキュリティ強化の重要性

これらのリスクを防ぐためには、適切なセキュリティ対策を設ける必要があります。

特に、パラメータータンパリング攻撃から自社のシステムを守るために、パラメータの利用と管理に対する考え方を見直し、適切な対策を講じることが重要です。

このためには、システムの設計段階から安全性を確保する方針を立て、それに沿って運用を行うことが必要となります。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム