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サードパーティとは? 10分でわかりやすく解説

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UnsplashAdi Goldsteinが撮影した写真   

サードパーティ(third party)という言葉は、「当事者ではない第三者」を指す表現として、ITやビジネスのさまざまな場面で使われます。たとえば、自社サービスの機能を広げるために外部のSaaSを連携したり、開発・運用の一部を外部企業に委託したりするケースは珍しくありません。

一方で、サードパーティは便利な反面、品質やセキュリティ、責任分界点の曖昧さが原因でトラブルになりやすい領域でもあります。本記事では、サードパーティの定義と基本から、活用のメリット、選定基準、契約・運用での注意点までを整理し、導入の判断に必要な観点を10分で理解できる形で解説します。

サードパーティとは何か

サードパーティとは、ビジネスにおいて、自社と顧客(または取引相手)以外の外部の企業・組織・開発者を指します。自社の製品やサービスを補完・拡張する目的で、外部の専門性・技術・運用能力を取り込む存在として位置づけられます。

サードパーティの定義

サードパーティは「第三者」という広い意味を持ちますが、ビジネス文脈では次のような役割を担う外部主体を指すのが一般的です。

  1. 補完的なサービスや製品の提供(例:決済、メール配信、分析、チャットなど)
  2. 自社サービスとの連携・統合(例:SSO連携、API連携、データ連携など)
  3. 専門的な知見やノウハウの提供(例:セキュリティ診断、設計支援、運用設計など)
  4. 技術的な支援やサポート(例:保守運用、監視、障害対応、教育など)

重要なのは、サードパーティが「単なる外注先」だけを意味するわけではない点です。外部SaaSの採用、クラウド基盤の利用、広告配信や計測基盤の利用など、現代の事業は多くのサードパーティに依存して成り立っています。

ファーストパーティ、セカンドパーティとの違い

関係者の呼び分けは文脈によって揺れますが、実務では次の理解が混乱しにくいでしょう。

  • ファーストパーティ:自社(サービス提供者、データ管理者など)
  • セカンドパーティ:顧客・取引先など、自社と直接関係を持つ相手
  • サードパーティ:自社と顧客の外側にいる外部主体(外部ベンダー、外部SaaS、委託先、連携先など)

ファーストパーティとセカンドパーティが直接の関係者である一方、サードパーティは自社の価値提供を支える外部要素です。だからこそ、サードパーティの品質や事故は、自社の信用・顧客体験に直接影響します。

サードパーティが関わる領域

サードパーティの関与は、ITだけでなく事業全体に及びます。代表的な領域は次の通りです。

領域内容
システム開発・運用開発支援、保守、運用監視、SRE支援、クラウド運用など
マーケティング広告配信、タグ計測、MA、CRM、分析、制作支援など
セキュリティ脆弱性診断、SOC/監視、EDR運用、監査、コンサルなど
データデータ基盤、DWH、ETL、BI、外部データ提供など

利用範囲が広いほど、影響範囲も広がります。導入前に「どの業務のどの部分がサードパーティに依存するのか」を可視化することが重要です。

サードパーティを活用するメリット

サードパーティ活用のメリットは、「不足している能力を補い、事業の速度と品質を上げる」ことにあります。代表例は次の通りです。

  1. 専門性の活用:自社にない知見・スキルを取り込める
  2. コスト最適化:固定費化を避け、必要なときに必要な分だけ活用できる
  3. スピード向上:ゼロから作るより早く価値提供できる
  4. リスク分散:自社単独では抱えきれない領域を分担できる

ただし、メリットは自動的に得られるものではありません。サードパーティ側の品質や運用成熟度が不足していると、短期的にはスピードが出ても、中長期では統制やセキュリティの負債になり得ます。

サードパーティの役割と重要性

企業におけるサードパーティの役割

現代のサービス開発や運用では、自社だけで完結することは少なく、多くの機能が外部依存で構成されます。サードパーティは次のような役割を担います。

  1. 連携・統合による機能拡張
  2. 専門技術の投入による課題解決
  3. 自社リソースの補完
  4. 市場変化への迅速な対応(新機能の導入、スケール、運用強化など)

一方で、サードパーティが増えるほど「管理対象(ベンダー、契約、連携、権限、データフロー)」が増えます。活用の成否は、導入そのものよりも、管理の設計と運用に左右されます。

サードパーティ製品・サービスの品質管理

サードパーティの品質は、自社の顧客体験と信用に直結します。たとえば、外部サービスの障害で自社の提供が止まれば、顧客から見れば「自社の障害」です。品質管理は次の観点で設計します。

  1. 導入前:評価基準を作り、候補を同じ物差しで比較する
  2. 導入後:稼働状況、障害、問い合わせ対応などを定期的にモニタリングする
  3. 問題発生時:連絡経路、一次切り分け、エスカレーション、再発防止の流れを明文化する
  4. 改善:定例会やレポート運用で、品質改善のループを回す

品質とは「機能が動くか」だけではありません。パフォーマンス、可用性、サポート品質、更新頻度、互換性、運用品質など、複数の要素で構成されます。

サードパーティとのパートナーシップ

サードパーティとの関係が「発注者と受注者」で止まると、期待とのズレが起きたときに調整が難しくなります。特に、長期利用・共同運用が前提の領域では、パートナーシップとして設計したほうが安定します。

  1. 目的と前提の共有(なぜ使うのか、何を達成したいのか)
  2. 役割と責任の明確化(どこまでが相手の責任か)
  3. 定期的なコミュニケーション(運用・改善の場を作る)
  4. 中長期の見通し(拡張、更新、終了の可能性を含めて議論する)

サードパーティを活用する際の留意点

サードパーティ活用で特に問題になりやすいのは、セキュリティ、データ、責任分界点です。導入前に次を押さえておくと、後工程の事故を減らせます。

  1. 情報資産の分類:外部に渡るデータの種類と重要度を整理する
  2. アクセスの統制:権限の付与・棚卸し・剥奪の運用を決める
  3. 法令・契約:個人情報、委託、国外移転などの論点を確認する
  4. 継続性:相手の経営状況、サービス終了リスク、代替手段を考える

「便利だから入れる」ではなく、「何を外に渡し、何を守り、何を自社が最終責任として負うのか」を明確にしたうえで活用することが重要です。

サードパーティの選定基準

サードパーティの評価ポイント

選定では、価格や知名度だけで判断すると失敗しやすくなります。次の観点で比較すると、後から効いてくるリスクを拾いやすくなります。

  1. 専門性と実績:同種・同規模の導入実績、提供体制、継続運用の経験があるか
  2. 自社との相性:コミュニケーション、スピード感、意思決定の進め方が合うか
  3. 総コスト:初期費用だけでなく、運用・追加機能・サポートの費用も含めて評価する
  4. 拡張性と柔軟性:将来の拡張、利用者増、要件変更に追随できるか

特に「自社との相性」は軽視されがちですが、運用が始まると差が出ます。定例会の運用、一次回答の質、障害時の連携など、日々の協業に直結するためです。

サードパーティのセキュリティ対策

セキュリティ評価は「大丈夫と言っているか」ではなく、「何を根拠に、どの運用で担保しているか」を確認することが重要です。実務では次の観点が最低限の出発点になります。

  1. 方針と体制:情報セキュリティ方針、責任者、運用ルールが明文化されているか
  2. 技術対策:暗号化、アクセス制御、ログ管理、脆弱性管理、バックアップなどが運用されているか
  3. 物理対策:入退室管理、監視、持ち出し制限などが整っているか(該当する場合)
  4. 従業員教育:機密情報の扱い、インシデント対応、委託先管理などが教育・訓練されているか

また、アクセス権限の設計は「導入時だけ」ではなく、運用中の棚卸しや退職・異動時の剥奪まで含めて考える必要があります。

サードパーティのサポート体制

導入後の安定運用は、サポート体制の質で左右されます。確認したいポイントは次の通りです。

  1. 窓口:連絡手段(メール、チャット、電話など)と受付時間
  2. ドキュメント:FAQ、マニュアル、障害時の手順などの整備状況
  3. エスカレーション:重大障害時に、誰がどの順序で動くのか
  4. SLA:稼働率、応答時間、復旧目標などの合意ができるか

SLAは、契約書に入れること自体が目的ではありません。「期待値のすり合わせ」と「障害時の判断基準」を作るための道具として扱うのが実務的です。

サードパーティとの契約における確認事項

契約は、トラブル時の拠り所になります。特にサードパーティ活用で揉めやすい論点は、次の4つです。

  1. 知的財産権:成果物の帰属、利用範囲、二次利用の可否
  2. データの取り扱い:所有権、利用目的、第三者提供、保存期間、削除・返還
  3. 契約終了時:データ移行、返還、削除証明、引き継ぎの範囲
  4. 損害賠償:賠償範囲、上限、免責、間接損害の扱い

契約で全てを防げるわけではありませんが、少なくとも「責任分界点」と「終了時の出口戦略」を明確にしておくことで、運用リスクを下げられます。

サードパーティ活用のベストプラクティス

導入前に決めておくべきこと

導入前に曖昧なまま進むと、運用が始まってからコストとトラブルが膨らみます。最低限、次を決めておくと判断が安定します。

  1. 目的:何の課題を解決し、何を指標として成功とみなすか
  2. 範囲:どの業務・機能・データが対象か
  3. 責任:障害対応や問い合わせ対応の分担をどうするか
  4. 出口:契約終了やサービス停止に備え、代替案や移行手順をどうするか

サードパーティとのコミュニケーション設計

コミュニケーションは「相性」だけでなく「仕組み」で安定させることができます。たとえば次のような運用は、特に中長期の協業で効果があります。

  1. 定例:進捗、品質指標、問い合わせ状況、改善点を共有する場を作る
  2. 記録:決定事項、仕様、運用手順を文書化し、口頭に依存しない
  3. 窓口:緊急時の連絡経路と判断者を明確にする
  4. 変更管理:仕様変更やアップデートに伴う影響確認の手順を用意する

サードパーティの定期的な評価と見直し

一度選んだサードパーティが、常に最適とは限りません。運用中は「品質」「コスト」「リスク」を定期的に見直し、必要なら改善や切り替えを検討します。

  1. 品質:障害頻度、応答速度、サポートの質、ユーザー影響
  2. 連携:情報共有の質、改善提案の有無、エスカレーションの滑らかさ
  3. セキュリティ:体制や運用の変更がないか、権限棚卸しが機能しているか
  4. 契約:料金体系や利用条件が現状に合っているか

評価は「良い/悪い」の感想ではなく、指標と事実で積み上げることで、意思決定の根拠になります。

自社システムとサードパーティ製品の統合管理

サードパーティが増えるほど、統合管理が重要になります。特に次の観点は、後から効いてくる差分になりやすいポイントです。

  1. インターフェース設計:APIや認証方式など、連携の前提条件を明確にする
  2. データ連携:同期方式、失敗時のリトライ、整合性確認の方法を決める
  3. セキュリティ:統合によって生じる権限拡大やデータ流出リスクを評価する
  4. 監視:統合後のシステム全体で、どこを監視し、どこで検知するかを決める

また、トラブル発生時に「どこまでが自社の責任で、どこからが相手の責任か」が曖昧だと復旧が遅れます。責任分界点は設計と契約の両方で揃えるのが現実的です。

まとめ

サードパーティは、自社の外側にある専門性や技術、運用能力を取り込み、事業のスピードと品質を高めるための重要な手段です。一方で、品質・セキュリティ・責任分界点・データ取り扱いが不十分なまま導入すると、自社の信用や顧客体験に直結するリスクになります。選定では、専門性や実績、相性、総コスト、拡張性に加え、セキュリティとサポート体制を同じ重みで評価することが重要です。導入後も、定期的な評価と運用設計、統合管理を通じて、長期的に安定したWin-Winの協力関係を育てていきましょう。

Q.サードパーティとは何を指しますか?

自社と顧客(取引相手)以外に存在し、製品・サービス・運用を補完する外部の企業や開発者を指します。

Q.サードパーティと外注は同じ意味ですか?

同じではありません。外注は委託関係の一種で、サードパーティには外部SaaSや連携先なども含まれます。

Q.サードパーティを増やすと何が難しくなりますか?

契約、権限、データフロー、障害対応などの管理対象が増え、統制や責任分界点の設計が難しくなります。

Q.サードパーティ選定で最初に確認すべきことは何ですか?

自社の目的と対象範囲を明確にし、どの業務・データが外部依存になるかを整理することです。

Q.セキュリティ評価で押さえるべき基本項目は何ですか?

方針と体制、技術対策、物理対策、従業員教育の4点を根拠と運用の両面で確認します。

Q.SLAは必ず結ぶべきですか?

必須ではありませんが、稼働率や応答時間などの期待値を合意し、障害時の判断基準を作るのに有効です。

Q.契約書で特に揉めやすい論点は何ですか?

知的財産権、データの取り扱い、契約終了時の対応、損害賠償の範囲が揉めやすい論点です。

Q.導入後にやるべき運用は何ですか?

稼働・品質・サポート状況のモニタリング、権限棚卸し、定例での改善ループを継続します。

Q.サードパーティ障害時に復旧が遅れる原因は何ですか?

責任分界点や連絡経路が曖昧で、切り分けとエスカレーションが滞ることが主因です。

Q.サービス終了リスクに備えるにはどうすればよいですか?

データの返還・削除、代替手段、移行手順を契約と運用設計の両面で事前に決めておきます。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム