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ZTNAとは? わかりやすく10分で解説

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目次

はじめに

インターネットの普及とともに、私たちの生活やビジネスの中心にデジタル技術が位置づけられるようになりました。このデジタル化の進展は多くの利点をもたらす一方で、セキュリティの問題も増大しています。特に、リモートワークの普及に伴い、企業のネットワークへの安全なアクセスが求められるようになりました。

セキュリティの変遷

過去、企業のネットワークセキュリティは、ファイアウォールを使用して企業の内部ネットワークを外部からの脅威から守ることが主な目的でした。しかし、クラウドサービスの利用の増加やモバイルデバイスの普及により、従来のセキュリティ手法だけでは十分ではなくなってきました。

ZTNAとは?

ZTNA(Zero Trust Network Access)は、この新しい時代のセキュリティニーズに応えるためのアプローチです。従来の「信頼するネットワーク」に対して、ZTNAはゼロトラストの原則に基づいています。これは、ネットワーク内外を問わず、すべてのアクセス要求を疑念の目で見るという考え方です。具体的には、ユーザーのアイデンティティやデバイスのセキュリティ状態をリアルタイムで確認し、適切なアクセス権限を動的に付与することを意味します。

このセクションでは、セキュリティの変遷とZTNAの基本的な概念を紹介しました。次のセクションでは、ZTNAの基本原理について詳しく解説します。

ZTNAの基本原理

ネットワークセキュリティの世界は、常に新しい脅威や技術の進化に対応してきました。ZTNAは、現代の複雑なビジネス環境に適応するための最新のアプローチとして注目されています。

ゼロトラストという考え方

ゼロトラストとは、文字通り「何も信じない」という意味で、ネットワークやシステムに対する疑念の持ち方のことです。具体的には、内部ネットワークであっても外部からのアクセスであっても、すべてのアクセス要求を最初は信じないというスタンスを取ります。そして、そのアクセスが正当であることを確認した上で、適切なアクセス権限を付与します。

なぜZTNAが必要なのか

近年、企業のデータブリーチやサイバー攻撃のニュースが増えています。多くの場合、これらの攻撃は内部からのものや、信頼されたネットワークからのものであることが明らかにされています。このような状況下で、従来のセキュリティ手法だけでは、内部の脅威や新しい種類の攻撃から企業を守ることは難しくなっています。ZTNAは、このような脅威環境に対応するための新しいセキュリティモデルとして提案されているものです。

このセクションでは、ZTNAの基本的な原理とその必要性について説明しました。次のセクションでは、従来のVPNとZTNAの違いについて詳しく見ていきます。

従来のVPNとの違い

多くの企業がリモートアクセスのためにVPN(Virtual Private Network)を使用してきました。しかし、現代のビジネスニーズやセキュリティの要求に応じて、ZTNAという新しいアプローチが登場しています。では、これら二つの技術はどのように異なるのでしょうか。

VPNの基本

VPNは、インターネット上で仮想的なプライベートネットワークを構築する技術です。これにより、外部からも企業の内部ネットワークに安全にアクセスできます。VPNは、データの暗号化や認証機能を提供し、通信の安全性を確保します。しかし、一度VPNを通じてネットワークにアクセスすると、多くの場合、ネットワーク内のリソースに広範囲にアクセスできるようになります。

ZTNAの新しいアプローチ

ZTNAは、VPNとは異なるアプローチを採用しています。ZTNAは、ユーザーやデバイスがアクセスしようとしている具体的なリソースに基づいて、アクセス権限を動的に決定します。これにより、最小限のアクセス権限の原則に従い、必要なリソースのみにアクセスできるように制限されます。また、ZTNAはリアルタイムでのアクセス制御や、ユーザーの行動に基づいたポリシー適用など、より高度なセキュリティ機能を提供します。

このセクションでは、従来のVPNとZTNAの主な違いについて説明しました。次のセクションでは、ZTNAの主な特長について詳しく解説していきます。

ZTNAの主な特長

ZTNAは、従来のリモートアクセス手段とは異なる多くの特長を持っています。これらの特長は、現代の複雑なビジネス環境やセキュリティの要求に応えるためのものです。

4.1 リアルタイムのアクセス制御

ZTNAは、アクセス要求が発生した瞬間にその要求を評価し、適切なアクセス権限を付与します。これにより、不正なアクセスや脅威をリアルタイムで検出し、ブロックできます。また、ユーザーの行動やアクセスパターンに基づいて、動的にアクセスポリシーの変更も可能です。

ユーザーとデバイスの認証

ZTNAは、ユーザーだけでなく、アクセスしているデバイスの認証も行います。これにより、セキュリティが確保されていないデバイスからのアクセスを防ぐことができます。また、二要素認証や多要素認証を組み合わせることで、さらに高度なセキュリティを実現することができます。

ダイナミックなポリシー適用

ZTNAは、ユーザーのロールやアクセス状況、デバイスのセキュリティ状態など、さまざまな要因に基づいてアクセスポリシーを動的に適用します。これにより、細かいアクセス制御を実現することができ、企業のセキュリティポリシーに柔軟に対応できます。

このセクションでは、ZTNAの主な特長について詳しく解説しました。これらの特長を理解することで、ZTNAが企業のセキュリティニーズにどのように応えることができるのかが明確になります。次のセクションでは、ZTNAの導入によるメリットについて詳しく見ていきます。

ZTNAの導入メリット

従来のセキュリティ手法と比較して、ZTNAの導入には多くのメリットがあります。これらのメリットは、企業のセキュリティを強化するだけでなく、ビジネスの効率や柔軟性の向上にも寄与します。

セキュリティの強化

ZTNAは、リアルタイムでのアクセス制御やユーザーとデバイスの認証など、高度なセキュリティ機能を提供します。これにより、不正なアクセスや脅威を即座に検出し、ブロックすることができます。また、最小限のアクセス権限の原則に基づいてアクセス制御するため、データの漏洩リスクを大幅に削減できます。

アクセスの柔軟性

ZTNAは、ユーザーのロールやアクセス状況に応じて動的にアクセス権限を付与します。これにより、従業員やパートナーが必要なリソースに迅速かつ安全にアクセスできます。特に、リモートワークや外部からのアクセスが増える現代のビジネス環境において、アクセスの柔軟性は大きなメリットです。

コスト削減の機会

従来のVPNなどのセキュリティ手法は、導入や運用に高額なコストがかかることが多いです。一方、ZTNAはクラウドベースのサービスとして提供されることが多く、初期投資や運用コストを削減できます。また、セキュリティインシデントの発生を防ぐことで、その対応にかかるコストやブランドのダメージを避けることができます。

このセクションでは、ZTNAの導入による主なメリットについて詳しく解説しました。これらのメリットを理解することで、企業がZTNAを導入する際の判断材料となるでしょう。次のセクションでは、ZTNAの実装ステップについて詳しく見ていきます。

ZTNAの実装ステップ

ZTNAの導入を検討する際、その実装にはいくつかのステップが必要です。正確な実装手順は、企業の状況やニーズに応じて異なる場合がありますが、以下は一般的なZTNAの実装ステップを示しています。

現状の評価

まず、現在のネットワーク環境やセキュリティポリシー、使用しているツールやサービスを評価します。これにより、ZTNAの導入によってどのような改善が期待できるのか、また、どのような課題や障壁が存在するのかを明確にすることができます。

必要なツールと技術の選定

ZTNAの実装には、さまざまなツールや技術が必要となります。これには、アイデンティティとアクセス管理(IAM)ツール、エンドポイントセキュリティソリューション、ネットワークセキュリティツールなどが含まれます。企業のニーズや予算に応じて、最適なツールや技術を選定します。

実装とテスト

選定したツールや技術を使用して、ZTNAを実装します。実装後はテストを行い、ZTNAが正しく機能するか、またセキュリティ要件を満たしているかを確認します。このステップでは、実際の運用環境でのシミュレーションや、さまざまなシナリオに基づいたテストの実施が重要です。

このセクションでは、ZTNAの実装に必要な主なステップについて詳しく解説しました。これらのステップを参考に、企業がZTNAを効果的に導入するための計画を立てることができます。次のセクションでは、ZTNAの成功事例を通じて、その実際の効果やメリットを詳しく見ていきます。

ZTNAの成功事例

ZTNAの導入は、多くの企業でその効果を実感しています。以下は、ZTNAの導入によって得られた実際の成功事例をいくつか紹介します。

大手金融機関の事例

ある大手金融機関は、ZTNAを導入することで、リモートアクセスのセキュリティを大幅に強化しました。従来のVPNベースのアクセス方法からZTNAに移行することで、不正アクセスの検出率が90%以上向上したと報告しています。また、アクセスログの分析機能を活用することで、内部の脅威もリアルタイムで検出することができるようになりました。

グローバルIT企業の事例

グローバルに展開するIT企業は、ZTNAを導入することで、従業員やパートナーが世界中から安全にアクセスできる環境を構築しました。ZTNAのダイナミックなアクセス制御機能により、各国の規制や法律に対応したアクセスポリシーを適用することができ、ビジネスの柔軟性とセキュリティを両立することができました。

これらの事例を通じて、ZTNAの導入が企業のセキュリティやビジネスの効率向上にどのように寄与しているかが明確になります。ZTNAは、現代の複雑なビジネス環境やセキュリティの要求に応えるための有効な手段として、多くの企業でその価値を実感しています。

ZTNAの導入を検討する際の注意点

ZTNAは多くのメリットを持つ一方で、導入を検討する際にはいくつかの注意点があります。正確な導入計画と適切な運用が求められるため、以下のポイントを考慮することが重要です。

既存のシステムとの互換性

企業が既に使用しているシステムやツールとZTNAが適切に連携できるかを確認することが必要です。特に、既存の認証システムやデータベースとの互換性は、スムーズな導入のための鍵となります。

スタッフのトレーニング

ZTNAの導入には、ITスタッフのトレーニングや教育が不可欠です。新しいセキュリティモデルやツールの操作方法を理解し、適切に運用するための知識やスキルを身につけることが重要です。

ポリシーの策定と継続的な見直し

ZTNAは動的なアクセス制御を行うため、アクセスポリシーの策定が必要です。しかし、ビジネスの変化や新しい脅威の出現に対応するため、継続的なポリシーの見直しも求められます。

このセクションでは、ZTNAの導入を検討する際の主な注意点について詳しく解説しました。これらのポイントを考慮することで、ZTNAの導入と運用をスムーズに進めることができます。次のセクションでは、ZTNAの未来展望について考察していきます。

ZTNAの未来展望

近年、ZTNAは多くの企業や組織での導入が進められています。その背景や今後の展望について考察していきます。

9.1 リモートワークの普及

新型コロナウイルスの影響を受け、多くの企業がリモートワークを導入しています。このような状況下で、従業員が安全に企業のリソースにアクセスするための手段として、ZTNAの重要性が高まっています。今後もリモートワークの普及が進む中、ZTNAの導入が一層加速することが予想されます。

クラウドの利用拡大

多くの企業がクラウドサービスを利用してビジネスを展開しています。クラウド環境でのデータ保護やアクセス制御の重要性が増している中、ZTNAはその解決策として注目されています。クラウドの利用が一層拡大する今後、ZTNAの役割はさらに大きくなるでしょう。

AIとの統合

最先端のZTNAソリューションは、AI技術を活用してアクセス制御や脅威検出を行っています。AIによる自動化や学習機能を取り入れることで、より高度なセキュリティ対策が可能です。今後、AIとZTNAの統合が一層進むことが期待されます。

このセクションでは、ZTNAの未来展望について考察しました。技術の進化やビジネス環境の変化に応じて、ZTNAの役割や重要性はさらに高まることが予想されます。

まとめ

ZTNA(Zero Trust Network Access)は、現代の複雑なビジネス環境やセキュリティの要求に応えるための新しいアクセス制御のアプローチです。従来のネットワークベースのセキュリティ手法とは異なり、ZTNAはアクセスの都度、ユーザーとデバイスの認証を行い、最小限のアクセス権限を付与することを原則としています。

この記事では、ZTNAの基本的な概念から、その特長、導入メリット、実装ステップ、成功事例、未来展望に至るまで、幅広く解説しました。ZTNAの導入は、企業のセキュリティを強化するだけでなく、ビジネスの効率や柔軟性の向上にも寄与します。特に、リモートワークの普及やクラウドの利用拡大の中、ZTNAの重要性は一層高まっています。

最後に、ZTNAの導入を検討する際には、既存のシステムとの互換性やスタッフのトレーニング、ポリシーの策定と継続的な見直しといったポイントを考慮することが重要です。適切な導入と運用により、ZTNAは企業のセキュリティとビジネスの成功を後押ししてくれることでしょう。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム