【調査データ】 企業におけるリモートアクセス/テレワークシステムの運用状況

アイキャッチ
目次

2022年6月1日~2022年6月3日でインターネットアンケート調査(企業ネットワーク及び関連システムに関する調査)を実施し、1,114件の回答を得ました。
この記事は、その結果の中から「テレワーク/リモートアクセスの導入率」「導入検討時に重視するポイント」および「実施している不正アクセス対策」について整理しています。


【調査データ】企業ネットワーク及び関連システムに関する調査 -全国の情シス1114名に聞きました- | ネットアテスト

本記事では、インターネット調査から見えてきた状況や課題などを分析・整理し、レポートとして広く公開するものです。企業ネットワークの企画・導入・運用をされている情報システム部門の担当者様、お客様にITシステムを提案されているインテグレーター様の日々の活動の一助となりましたら幸いです。

netattest.com

og_img

企業におけるリモートアクセス/テレワークシステムの運用状況

まず、現在のシステムの運用状況を確認しました。

設問

「リモートアクセス/テレワークシステム(VPNなど)」の運用状況として最も近いものを選びください。
  • 全社的に運用中
  • 多くの部署・拠点で運用中
  • 一部の部署・拠点で運用中
  • 業務利用を目指して試験運用中
  • 運用していない、または近日中に廃止予定 

運用状況

リモートアクセス/テレワークシステムの導入・運用率は、従業員200人以上の企業で特に高くなっています。

「全社的に運用中」と「多くの部署・拠点で運用中」を合わせた割合は、【従業員50人以上200人未満】の企業では56%、【従業員数200人以上1,000人未満】で75%、【従業員1,000人以上5,000人未満】で74%、今回の調査で最も大きな規模区分の 【従業員数5,000人以上】の企業では81%です。

多くの企業で、リモートアクセス/テレワークシステムが主要な業務システムの一部として運用されていることが分かりました。

また、【従業員50人以上200人以下】の企業においても、「一部の部署・拠点で運用中」までを加えた割合は83%に達します。【従業員数200人以上1,000人未満】で91%、【従業員1,000人以上5,000人未満】で89%、【従業員数5,000人以上】の企業では94%です。 規模を問わず、大半の企業で、何らかのリモートアクセス/テレワークシステムを運用しています。

1年以内で導入・更改・拡張計画を考えている割合

企業の規模を問わず運用されているリモートアクセス/テレワークシステム。今後、1年以内での新規導入・更改・拡張の予定について確認しました。

設問

「リモートアクセス/テレワークシステム(VPNなど) 」の新規導入・更改・拡張の予定について最も近いものを選びください。(1年以内) 
  • 新規導入を予定している
  • 更改を予定している
  • 拡張を予定している
  • 更改・拡張の予定はない
  • 把握していない・分からない  

新規導入・更改・拡張の予定

リモートアクセス/テレワークシステム の新規導入・更改を検討している企業の割合は、企業規模(従業員数)が大きになるにつれて高まる傾向があります。

【従業員50名以上200名未満】の企業では「新規導入を予定している」と「更改を予定している」を合わせた割合が15%、【従業員数200人以上1,000人未満】で21%、【従業員1,000人以上5,000人未満】では27%、今回の調査で最も大きな規模区分の 【従業員数5,000人以上】の企業でも27%です。

約四分の一の企業で検討されています。2010年代後半からの「働き方改革」の奨励や2020年前半からのコロナ禍をうけて整備した企業においても、より良いシステムを求めての更改需要も高そうです。

また、既存システムの「拡張を予定している」と回答した割合は、【従業員50名以上200名未満】 で10%、【従業員数200人以上1,000人未満】で17%、【従業員1,000人以上5,000人未満】で21%、 【従業員数5,000人以上】の企業では30%です。

リモートアクセス/テレワークシステムを検討する際に重視すること

すでに運用中の割合が高いリモートアクセス/テレワークシステムですが、1年以内に新規導入・システム更改を検討している企業は多くあります。検討・導入する際に重視する要素を確認しました。

設問

リモートアクセス/テレワークシステム(VPNなど) 」を検討・導入する際に重視する要素を全てお答えください。また、その中でも最も重視するものを1つお選びください。
  • 通信の速度 (スループット)
  • 通信の安定性 (速度低下が起きない)
  • セキュリティ(不正アクセス対策など)
  • 利用者の使いやすさ(利便性)
  • システム面での信頼性や耐障害性
  •  システム導入の容易さ
  • システム運用の容易さ
  • システムの導入費用(イニシャルコスト)
  • システムの運用費用(ランニングコスト)
  • 環境の変化に対応できる柔軟性・拡張性
  • 製品・ソリューションの導入実績
  • 開発メーカーの実績(企業の規模や知名度)
  • 提案インテグレーターの過去の提案実績
  • 製品・サービス・企業の評判・口コミ
  • その他

導入・検討する際に重視する要素(全て)

リモートアクセス/テレワークシステムの企画・導入時に重視する機能として「セキュリティ(不正アクセス対策など)」が65.7%と最も多く、「通信の安定性 (速度低下が起きない)」(55.7%)、「通信の速度 (スループット)」(47.2%)と続きます。

安全であること、そしてリモートから快適に業務できる環境が強く求められています。

導入・検討する際に最も重視する要素(1つ)

様々なポイントがあるならで、もっとも重視なものを「1つ」選んでいただきました。

他を大きく引き離して「セキュリティ」が39.1%の回答を集めました。

企業では、日々の活動の中で大量の機密情報を取り扱ってます。高いセキュリティレベルが保たれているオフィス内と比べて、テレワークでは社員が実際に作業している環境は様々です。

企業は『便利だから』で導入することはできません。まず『安全であること』『自社の情報資産が守られること』が第一の要件になります。

リモートアクセスを安全に利用するために

情報システム担当者の約4割が最も重視すると回答した「セキュリティ(不正アクセス対策など)」について、実際にリモートアクセスシステムを運用している企業がどのような対策をとっているか確認しました。

設問

「リモートアクセス (VPNなど)」で実施している不正アクセス対策を全てお答えください。また、その中で対策の中心となっているものを1つお選びください。  
  • ID/パスワード(VPN機器内に設定)
  • ID/パスワード(外部認証サーバーと連携)
  • MACアドレスフィルタリング
  • 電子証明書
  • ワンタイムパスワード
  • 画像・マトリックス認証
  • 生体認証(顔・指紋・虹彩認証など)
  • 接続元のIPアドレス制限
  • その他
  • セキュリティ対策はしていない

実施している不正アクセス対策(全て)

リモートアクセスシステムを運用するとき、不正アクセスには最大限の注意を払うべきです。

その対策方法として、もっとも利用されている方式は「ID/パスワード」でした。また、電子証明書やワンタイムパスワード、生体認証などの高度な認証を採用している企業も多くあります。

中心となっている不正アクセス対策(1つ)

様々な不正アクセス対策があるならで、もっとも対策の中心になっているものを「1つ」選んでいただきました。

「ID/パスワード(VPN機器内に設定)」と「ID/パスワード(外部認証サーバーと連携)」を合わせた割合は50.5%。パスワード認証を不正アクセス対策の中心に据えていることが分かります。
「電子証明書」が12.3%で3位に入りました。総務省の「テレワークセキュリティガイドライン」でも例示されている高度な認証として、今後普及が進みそうです。

調査データの引用について

  • 本サイトに掲載している調査結果・図版は、出典元として「ネットアテスト(https://www.netattest.com)」を明記いただくことで引用できます。

  • ご利用に際してのご連絡は、事前・事後ともに不要です。

  • 今後のビジネスの検討や、ウェブ記事・プレゼンテーション・企画書内で示す補足データとして是非ご活用ください。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム