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コアタイムとは? わかりやすく10分で解説

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目次

フレックスタイム制やリモートワークが広がるほど、「いつ相談できるか」「いつ決めるか」が曖昧になり、業務が止まりやすくなります。そこで役立つのがコアタイムです。この記事では、コアタイムの定義から、導入メリット・注意点、制度設計と運用のコツまでを整理し、自社にとって妥当な設計を判断できるように解説します。

コアタイムとは

コアタイムとは、主にフレックスタイム制などで設定される「その時間帯は勤務していることが求められる」必須の時間帯を指します。出退勤時刻を一定範囲で柔軟にできる制度の中でも、連絡・相談・意思決定を行いやすいように“稼働が重なる時間”を確保するための仕組みです。

なお、コアタイムは「全員が出社する時間帯」と混同されがちですが、制度上は勤務していることが重要であり、出社の有無は働き方(出社/在宅/ハイブリッド)や社内ルールによって異なります。近年は、同じ場所に集めるよりも、同じ時間に連携できる状態をつくる目的で運用されるケースが増えています。

コアタイムが生まれる背景

柔軟な働き方は、通勤負担の軽減や私生活との両立に寄与する一方で、チームの動きが「各自バラバラ」になりやすい側面があります。たとえば、確認が必要なタスクが出たときに担当者が不在で、返答待ちのまま作業が止まる、といった状況です。

コアタイムは、こうした「止まりやすい瞬間」を減らすために、同期コミュニケーション(その場で話して決める)の最低限の枠を設ける考え方だと捉えると理解しやすくなります。

コアタイムを設定する目的とメリット

コアタイムの主な目的は、連携に必要な時間帯を確保し、業務の停滞を減らすことです。特に、複数人で進める仕事や承認が絡む業務では、共通の稼働時間があるだけで進み方が変わります。

目的

  • 連絡・相談・承認を進める時間帯を確保する
  • 会議や打ち合わせの調整コストを下げる
  • 緊急度の高い判断を滞らせない
  • チームの同期時間と個人の集中時間を両立させる

メリット

  • 意思決定が速くなる:関係者が揃いやすく、確認待ちが減る
  • 日程調整の負担が減る:会議や1on1を入れやすい
  • 情報共有が揃う:同時に確認できる時間があるため、認識ずれが起きにくい
  • 柔軟性を残せる:コアタイム以外で出退勤を調整しやすい

重要なのは、コアタイム自体が目的ではなく、連携が必要な仕事を前に進めるための設計要素だという点です。コアタイムを設けても、会議が増えて集中時間が失われれば逆効果になります。

コアタイムと勤務制度の関係

コアタイムは、どの勤務制度でも同じ意味で使われるわけではありません。制度の前提を押さえると、運用設計が崩れにくくなります。

フレックスタイム制とコアタイム

フレックスタイム制では、一般に「始業・終業時刻の裁量」と「一定期間内での総労働時間の管理」を組み合わせます。その中でコアタイムは、その時間帯に勤務していることを求めるルールとして位置づけられます。コアタイムを短めにすると柔軟性は増えますが、連携が取りにくくなる可能性もあるため、業務特性に合わせた調整が必要です。

リモートワークとコアタイム

リモートワークでは「同じ場所にいない」ことが前提になるため、コアタイムは特に連絡がつく時間の明確化として効いてきます。たとえば、障害対応や顧客対応など“即時性”が求められる業務では、コアタイムの存在がチーム運用の安定に直結しやすくなります。

シフト制・顧客対応業務の場合

シフト制やコールセンターのような業務では、全員の稼働を同じ時間に重ねるのが難しい場合があります。その場合は、全社一律のコアタイムよりも、チーム別の重なり時間や、役割ごとの連携枠(引き継ぎ時間、一次対応の窓口時間など)を設けるほうが現実的です。

IT経営・IT部門におけるコアタイムの役割

IT部門は、問い合わせ対応、権限付与、障害対応、変更管理など、他部門との接点が多く、連携遅延が業務停止に直結しやすい領域です。そのためコアタイムは、「働き方のためのルール」というより、ITサービス提供を安定させる運用設計として意味を持ちます。

IT部門で起きやすい“止まり”を減らす

  • 承認待ち:アカウント発行、アクセス権付与、例外対応の判断が止まる
  • 問い合わせの往復:追加情報の確認ができず、対応が長引く
  • 障害の初動:関係者連絡が遅れ、切り分けや影響判断が後ろ倒しになる

コアタイムを設けることで、これらの局面で「誰にもつながらない時間」を減らし、初動や判断を早めやすくなります。

「会議が増える」を防ぐ設計

コアタイムがあると、会議がその時間帯に集中しやすくなります。すると、本来得たいはずの生産性が落ちる場合があります。IT部門では、特に次のような運用ルールをセットで検討すると効果が出やすくなります。

  • 会議の上限を決める:コアタイムの一定割合を会議上限にする
  • 議事メモで非同期化する:会議の参加人数と頻度を減らす
  • 集中枠を守る:変更作業や設計作業の時間帯を確保する

導入時の設計ポイント

コアタイム導入で重要なのは、「何時間にするか」よりも、何のために重なり時間が必要なのかを明確にすることです。目的が曖昧なまま導入すると、運用が形骸化したり、不公平感だけが残ったりします。

コアタイム設計の基本ステップ

  1. 連携が必要な業務を特定する(承認、顧客対応、障害対応、会議など)
  2. 重なり時間が必要な頻度と緊急度を整理する(毎日なのか、週次なのか、即時性はどの程度か)
  3. 最小限のコアタイムを仮設定する(短めで開始し、運用しながら調整する)
  4. 例外ルールを決める(育児・介護・通院、時差、出張など)
  5. 会議・情報共有のルールを整える(会議の上限、記録の徹底、決定事項の残し方)

短く始めるのが安全な理由

コアタイムは長いほど安心に見えますが、長くするとフレックスの価値が下がり、会議が増え、結果として集中時間が削られやすくなります。まずは短いコアタイムで運用して、以下のような指標を見ながら調整するほうが安全です。

  • 返答待ち・承認待ちの発生頻度
  • 会議時間の総量(増えすぎていないか)
  • 残業の偏り(特定の人に集中していないか)
  • 問い合わせ対応の滞留(チケットが溜まっていないか)

運用上の注意点と落とし穴

コアタイムは、導入するだけでは効果が出ません。運用の癖によっては、むしろ働きづらさの原因になります。よくある落とし穴を先に押さえておくことが重要です。

「コアタイム=会議枠」になる

コアタイムが会議で埋まると、同期時間は確保できても、実作業が進みにくくなります。会議の必要性を見直し、議事メモやタスク管理で代替できるものは非同期化することが効果的です。

不公平感が生まれる

家庭事情や通院など、一定時間に稼働を合わせにくい人がいる場合、例外が認められない設計は不公平感につながります。例外を「特別扱い」として扱うのではなく、制度として前提化し、手続きを明確にしておくと運用が荒れにくくなります。

「いるはず」なのに連絡がつかない

コアタイムに勤務していても、会議中、集中作業中、顧客対応中などで即時に返答できないことはあります。コアタイムは万能ではないため、連絡手段と期待値を揃えることが大切です。たとえば、緊急連絡は電話、通常はチャットで一定時間内に返信、などのルールです。

法令・就業規則との整合(一般的な留意点)

コアタイムの運用は勤怠管理と直結します。実務では、フレックスの清算期間、休憩時間、時間外労働の扱いなど、制度全体と整合した設計が必要です。特に、運用が曖昧なままだと、過剰な時間外労働や健康管理上の問題につながる恐れがあります。

導入や変更の際は、就業規則や社内規程に照らし、運用ルール(例外扱い、申請、記録、連絡手段)を明文化しておくことが重要です。

まとめ

コアタイムは、主にフレックスタイム制などで設定される「その時間帯は勤務していることが求められる」必須の時間帯です。柔軟な働き方の中でも連携が必要な仕事を止めないために、最低限の同期コミュニケーションの枠として機能します。

一方で、長すぎるコアタイムや会議偏重の運用は、柔軟性を損ね、集中時間を削る原因になります。目的を明確にし、短く始めて調整しながら、非同期の情報共有(記録・タスク管理)とセットで設計することで、働き方改革と生産性の両立につながります。

Q.コアタイムは「全員出社」が前提ですか?

いいえ。コアタイムは「勤務していること」を揃える考え方で、出社を必須とするかは企業の運用次第です。

Q.コアタイムがないフレックスタイム制もありますか?

あります。必須の時間帯を設けない運用も可能ですが、連携が必要な業務では別の仕組みが必要になります。

Q.コアタイムは長いほど効果がありますか?

いいえ。長すぎると柔軟性が下がり、会議が増えて集中時間が失われやすくなります。

Q.コアタイムを入れると会議が増えませんか?

増える可能性があります。会議の上限や議事メモ運用を併用して、会議偏重を防ぐのが有効です。

Q.チームごとにコアタイムを変えてもよいですか?

よいです。業務特性が異なるならチーム別に最適化し、部門間の重なり時間も設計します。

Q.シフト制の職場でもコアタイムは使えますか?

使えます。全員一律ではなく、引き継ぎ時間や窓口時間など役割別の重なりを設ける方法が現実的です。

Q.コアタイム中に連絡がつかないと問題ですか?

問題になり得ます。緊急連絡手段や返信期待値など、連絡ルールを明確にしておく必要があります。

Q.導入時にまず決めるべきことは何ですか?

連携が必要な業務を特定し、重なり時間が必要な頻度と即時性から最小限のコアタイムを設計することです。

Q.コアタイムの例外はどう扱うのがよいですか?

例外を制度として前提化し、条件と手続きを明文化して不公平感を抑えるのが有効です。

Q.運用がうまくいっているかは何で判断できますか?

承認待ちや返答待ちの頻度、会議時間の総量、残業の偏り、問い合わせの滞留などで判断できます。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム