SaaS利用の拡大に伴い、ID管理の複雑化やセキュリティリスクが企業の課題となっています。本記事では、IDaaSの市場動向、導入によって得られるメリット、選定時の注意点を詳しく解説します。ゼロトラスト時代に求められる認証基盤の考え方を整理し、業務効率とセキュリティ強化を両立するためのポイントを整理します。
①Soliton OneGate
②Soliton SecureWorkspace
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SaaS普及に伴い、国内でもIDaaSの需要が急増しています。ゼロトラストへの対応を背景に、認証基盤の見直しが進む企業も増えています。
ソリトンシステムズの「ゼロトラスト セキュリティ実態調査 2025」では、日本企業におけるゼロトラストセキュリティを実現する個別のソリューションの導入状況について調査しました。最も導入が進んでいるものは「ID/アクセス管理」」(導入済み・継続利用が37.7%)です。次点ではSASEやZTNEなどのネットワークソリューション」(導入済み・継続利用35.4%)が続く形となりました。 一方、ID/アクセス管理では、導入済だが見直し予定であるとした回答者が32.2%と多く、何らかの課題を抱えていることが伺えます。
参考:ゼロトラストセキュリティ実態調査 2025
IDaaSは、クラウド経由でID管理や認証機能を提供するサービスです。複数のシステムへ安全にアクセスする基盤となります。
IDaaSは、従来オンプレミスサーバーで管理していたユーザーIDやアクセス権限をクラウド上で一元管理するサービスです。複数のSaaSや社内システムに対して、一度の認証でログインを可能にするシングルサインオン(SSO)を提供します。端末や人、場所に依存しない継続的な検証により、安全な認証環境を構築できる点が特長です。
IAM(Identity and Access Management)はID管理の概念や仕組み全体を指す言葉です。このIAMをどのように実装するかという「形態」によって、「オンプレミス型(自社構築型)」と、クラウドサービスとして提供される「IDaaS(クラウド型)」に分けられます。
オンプレミス型IAMは、自社専用の細かなカスタマイズや閉域環境での運用に適していますが、インフラの維持・管理コストを自社で負担する必要があります。対してIDaaSは、プロバイダーがインフラ管理を担うため、最新のセキュリティ機能(MFAやリスクベース認証など)を迅速に導入し、利用規模に合わせて柔軟に拡張できるという利点があります。
多くのSaaS利用により、ユーザーが管理すべきIDやパスワードは増大しています。付箋へのメモや使い回しによる漏洩リスク、管理者による登録作業の負荷が深刻な課題です。IDaaSはこれらの情報をクラウド上で統合し、適切なアクセス制限を自動化することで、利便性と高度なセキュリティを同時に実現する役割を担います。
SaaSの利用が広がるなかで、従来の境界型防御だけでは対応が難しいケースも増えています。こうした背景から、企業の情報資産を守る手段としてIDaaSが注目されています。
業務で利用するSaaSの増加により、従業員が管理するID数は膨大になっています。各サービスで個別にIDやパスワードを設定する運用は、利便性を著しく損なうだけでなく、退職者のアカウント削除漏れといった管理不備を招く原因です。IDaaSによる一元管理は、こうした複雑化した運用を整理し、ガバナンスを強化できます。
覚えやすい単純なパスワードの使い回しや、付箋などによる物理的なメモは、不正アクセスの温床となります。また、パスワードのみの認証ではリスト型攻撃を防ぐことが困難です。IDaaSを導入して認証プロセスを統合することで、脆弱な管理体制を改善し、企業の重要なデータや個人情報を守るための対策を強化できます。
社内ネットワークを安全とみなす従来の考え方は通用しなくなっています。すべてのアクセスを疑い、常に検証を行う「ゼロトラスト」の概念において、認証は中核をなす要素です。IDaaSは、場所や端末を問わず「誰が、どのデータにアクセスしているか」を動的に判断し、適切な制御を行うための基盤として機能します。
IDaaSは単なるログイン管理に留まらず、安全性と利便性を両立する多彩な機能を備えています。
SSOは、一度の認証で連携する複数のクラウドサービスやアプリへ自動ログインを可能にする機能です。ユーザーはサービスごとに異なるパスワードを記憶し、入力する手間から解放されます。業務効率が飛躍的に向上するだけでなく、パスワードを忘れることによる管理部門への問い合わせ削減にもつながります。
ID・パスワードに加え、指紋や顔などの生体情報、スマートフォンへのワンタイムパスワード送信などを組み合わせた認証方式です。万が一パスワードが流出した場合でも、別の要素による確認が必要なため、第三者による不正アクセスを強固に防ぎます。
また、デジタル証明書等を用いた「デバイス認証」に対応したIDaaSであれば、未許可端末や紛失端末からのアクセスを即座に遮断可能です。これにより、単なる本人確認の強化に留まらず、デバイスの盗難・紛失時における情報資産への不正アクセスにも有効な手段となります。
従業員の入社や異動、退職に伴うアカウントの発行・削除を一元的に行います。ADをユーザー源泉とすることで、ADとIDaaSでユーザーを二重管理することなく、自動で同期させ、管理の手間を減らすことができます。
また、アクセスを許可するIPアドレスや端末を制限する機能が搭載されているため、機密情報の不正アクセスを未然に防げます。
「誰が、いつ、どのシステムに、どの端末からアクセスしたか」という詳細なログを自動で記録します。また、これらのログは内部統制や監査対応の際にも客観的な証跡として活用でき、情報システム部門の報告業務の負担を大幅に軽減します。
自社の環境に最適なサービスを選定するには、機能面だけでなく、運用コストや将来性も考慮しましょう。ここでは、IDaaSの選び方と注意点を解説します。
導入予定のIDaaSが既存のSaaSや社内システムと連携可能か事前に確認することが重要です。SAMLやOIDCといった標準プロトコルへの対応はもちろん、独自のレガシーシステムとの連携可否も重要な判断基準です。連携範囲が広いほど、シングルサインオンによる利便性と一元管理の効果を最大化できます。
多要素認証(MFA)の対応範囲や、アクセス制御の設定のしやすさは、IDaaSごとに異なります。生体認証やデバイス証明書など、自社のセキュリティポリシーに合致する認証方式が備わっているかが焦点となります。また、リスクベース認証のように、通信環境やユーザーの行動に応じて動的に認証レベルを変化させる機能の有無も確認が必要です。
IDaaSの料金体系は、一般的にユーザー数に応じた月額課金制です。初期導入費用だけでなく、将来的な人員増加を踏まえたランニングコストまで含めて検討する必要があります。安価なサービスであっても、必要な機能がオプション扱いとなり、結果的に高額になる場合もあります。提供される機能と費用のバランスを慎重に見極めることが大切です。
既存のディレクトリサービスとの同期不全や、設定ミスによるアクセス不能といったリスクを想定しておく必要があります。また、IDaaS自体が停止した場合、すべてのサービスにログインできなくなるため、冗長性の確保やサポート体制の確認が欠かせません。導入前にスモールスタートで検証を行い、運用上の課題を洗い出すことが大切です。
導入の効果を最大化するためには、技術的な連携だけでなく、運用面を見据えた設計が不可欠です。併せて、アクセス権限といったセキュリティポリシーについて、導入を機に見直すことが重要です。
IDaaSの恩恵を十分に享受するには、社内の主要なシステムとのシームレスな同期が求められます。Active Directory(AD)などの既存のディレクトリサービスとIDのライフサイクルを統合し、人事異動や退職に伴うメンテナンスを自動化する設計が重要です。設計を最適化することで、手動管理によるミスやセキュリティホールの排除につながります。
セキュリティレベルを引き上げる多要素認証は、ユーザーの利便性を損なう側面もあります。すべての操作に厳格な認証を求めるのではなく、社内ネットワークや信頼された端末からのアクセス時は簡略化するなど、リスクに応じた柔軟な運用を検討してください。過度な負担を強いない仕組み作りが、組織内での定着を促します。
IDaaSは導入後の運用が重要となるため、運用開始後のモニタリング体制をあらかじめ整えておく必要があります。アクセスログを定期的に確認し、不自然な挙動や設定の不備がないかをチェックします。利用者のフィードバックを反映しながら、認証方式の見直しや対象範囲の拡大を段階的に進めることで、より強固で使いやすい基盤へと成長します。
IDaaSは、ID管理の効率化とセキュリティ対策を両立するための基盤です。導入時は、既存システムとの連携やコスト、運用面を踏まえて検討する必要があります。自社に合ったサービスを選ぶことで、運用負担の軽減と安全性の向上が期待できます。特に、利用中のSaaSや社内システムとの親和性や、将来的な拡張性まで見据えた選定が重要です。
IDaaSの導入を検討するにあたっては、「Soliton OneGate」のサービスをぜひご検討ください。
Soliton OneGate