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JANコードとは? 10分でわかりやすく解説

水色の背景に六角形が2つあるイラスト 水色の背景に六角形が2つあるイラスト
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JANコードは、商品を識別するために使う商品コードです。商品パッケージに表示したバーコードを読み取ることで、POSでの販売処理や在庫管理、棚卸し、出荷管理に利用できます。

特に、店舗販売、ECモール連携、複数販路での在庫管理、取引先との商品データ連携を行う場合は、JANコードの要否を早めに確認しておく必要があります。この記事では、JANコードの基本、活用方法、導入時のメリット・デメリット、取得手順を順に整理します。

  • JANコードの意味と役割
  • 在庫管理・販売管理での活用方法
  • 導入時のメリット・注意点
  • 取得手順と運用時の確認ポイント

JANコードとは?その意味と基本を解説

JANコードは、日本で広く使用されているバーコード規格の一つです。商品の識別や在庫管理、POSシステムでの売上管理など、流通や小売業界において重要な役割を果たしています。ここでは、JANコードの意味や基本的な仕組みについて解説します。

JANコードの定義と役割

JANコードとは、GTIN(商品識別コード)のうち、日本国内で使われる呼称です。商品そのものを識別するコードで、通常はJANシンボルとして商品パッケージに表示し、バーコードリーダーで読み取って使います。GS1標準に基づく国際的な商品識別の仕組みで、日本ではこの呼び方が定着しています。

JANコードの主な役割は以下の通りです。

  1. 商品の一意な識別
  2. 在庫管理・棚卸業務の効率化
  3. POSシステムによる売上管理の自動化
  4. 商品トレーサビリティの向上

これらの役割により、流通や小売業界における業務の効率化とデータの正確性向上に大きく貢献しています。特に複数店舗展開やECと実店舗をまたぐ販売を行う企業にとっては、共通の「商品ID」として欠かせない存在です。

JANコードの構造と種類

JANコードは、黒と白の縞模様(バー)で構成されており、その配列によって数字を表現しています。JANコードには、8桁(JAN-8)と13桁(JAN-13)の2種類があります。

種類桁数主な用途
JAN-88桁小型商品などスペースが限られたパッケージ向けに用いられてきた短縮コード
JAN-1313桁一般的な流通・小売全般で利用される標準的な商品コード

現在、一般的な商品の識別には13桁のGTIN(JANコード標準タイプ)が使われます。GTIN(JANコード)標準タイプは、GS1事業者コード、商品アイテムコード、チェックデジットで構成されます。日本の事業者に貸与されるGS1事業者コードは「45」または「49」で始まります。

JANコードの読み取り方

JANコードは、専用のバーコードリーダーを使用して読み取ります。バーコードリーダーは、JANコードの白と黒のバーの幅を光学的に読み取り、それを数字に変換します。この数字列が、商品を一意に識別するためのキー情報となります。

バーコードリーダーには、ハンディタイプやレジに固定されたスキャナ、一括読み取りに対応した産業用スキャナなど様々なタイプがあり、用途や現場の作業環境に応じて選択することが可能です。また、近年はスマートフォンのカメラと専用アプリを使ってJANコードを読み取るケースも増えています。小規模店舗やポップアップストアなどでは、このようなスマホアプリ型POSが手軽な選択肢となります。

JANコードの付番ルール

JANコードを新しい商品に割り当てる際は、GS1 Japanが定める付番ルールに従う必要があります。主なルールは以下の通りです。

  • 同一商品には同一のJANコードを付番する(容量や味が違う場合などは別商品として扱う)
  • 異なる商品には異なるJANコードを付番する
  • 一度設定したGTIN(JANコード)は再利用しない
  • チェックデジットは、他の桁から一定の計算式で算出する

これらのルールを遵守することで、JANコードの一意性と整合性が保たれ、サプライチェーン全体で混乱なく商品を管理することが可能になります。特に、取引先やECモールとデータ連携を行う場合は、付番ルールに沿った運用が前提となります。

以上、JANコードの意味と基本的な仕組みについて解説しました。JANコードは、流通や小売業界になくてはならない重要な規格であり、その理解と適切な運用が求められています。

JANコードの活用方法

JANコードは、在庫管理、商品情報管理、販売管理で広く使われます。以下では、現場で使われやすい活用場面を順に説明します。

JANコードを利用した在庫管理

JANコードを活用すると、在庫管理の精度を高め、作業を速めやすくなります。各商品にJANコードを割り当て、バーコードリーダーで読み取れば、入庫・出庫・棚卸しを素早く正確に進められます。その結果、在庫数をほぼリアルタイムで把握しやすくなり、適正在庫の維持や欠品、過剰在庫の防止につながります。

JANコードを用いた在庫管理システムを導入することで、例えば次のようなメリットが期待できます。

  • 在庫の可視化と適正在庫の維持
  • 在庫回転率の向上と滞留在庫の削減
  • 棚卸し作業時間の短縮と作業工数の削減
  • 伝票入力ミス・数量誤入力など人為的ミスの防止

これらのメリットにより、在庫管理にかかるコストを削減しつつ、欠品による販売機会ロスの抑制にもつながります。

JANコードによる商品情報の一元化

JANコードを使うと、商品情報を一か所で管理しやすくなります。JANコードは商品マスターデータのキーになり、名称、規格、価格、カテゴリー、原材料情報などをひも付けるために使えます。

商品情報をJANコード単位で一元化することで、以下のようなメリットが得られます。

  • 商品情報の整合性の確保(部署やシステム間で情報がズレにくくなる)
  • 商品検索・参照の効率化(JANコードから瞬時に必要な情報へアクセスできる)
  • 商品トレーサビリティの向上(いつ・どのロットを、どこに出荷したかを追跡しやすい)
  • マーケティング分析や需要予測の精度向上

これらのメリットにより、業務の効率化だけでなく、顧客満足度の向上や経営判断の質を高めることが期待できます。

JANコードを活用した販売管理

JANコードは販売管理でも使われます。POSシステムと連携すれば、商品の販売データを正確に記録できます。

JANコードを活用した販売管理により、次のような業務が効率化されます。

  • 売上データの自動集計(店舗別・商品別・時間帯別など)
  • 売れ筋・死に筋商品の可視化と棚割りの最適化
  • 販売データと在庫データの連携による自動発注や補充提案
  • キャンペーン・値引き施策の効果測定

販売データをJANコード単位で蓄積することで、「この商品がどの地域・どの曜日・どの時間帯によく売れているか」といった分析が容易になり、きめ細かな販売戦略の立案に役立ちます。

JANコードとPOSシステムの連携

JANコードとPOSシステムを連携させると、販売管理と在庫管理をまとめて回しやすくなります。POSシステムは、レジでJANコードを読み取って商品を特定し、販売データを自動で記録します。さらに、そのデータを在庫管理システムと連携させれば、在庫数の更新にも使えます。

JANコードとPOSシステムの連携により、以下のようなメリットが得られます。

  • 販売データと在庫データのリアルタイム同期
  • 商品コード入力の省力化によるレジ業務の効率化
  • 商品誤認・打ち間違いの防止
  • 在庫切れや売り逃しの防止に向けた自動アラート

これらのメリットにより、業務の効率化だけでなく、顧客の待ち時間短縮やサービス品質の向上にもつながります。

JANコードは、在庫管理、商品情報管理、販売管理の土台になります。どの業務で使うのかを先に決めておくと、運用ルールやシステム連携も組み立てやすくなります。流通や小売の現場では基本となる仕組みの一つなので、自社の業務にどう組み込むかまで理解しておくことが大切です。

JANコードのメリットとデメリット

JANコードが必要になりやすいケース

JANコードは、すべての事業者で必須になるわけではありません。ただし、販売チャネルや業務の進め方によっては、早い段階で必要になります。

  • 小売店や卸先へ商品を出荷する
  • POSと連携して売上や在庫を管理したい
  • ECモールや複数チャネルで同じ商品を管理したい
  • 取引先と商品データをやり取りする必要がある

反対に、社内だけで完結する小規模な管理で、取引先や販売チャネルとのコード連携が発生しない場合は、独自コードで運用できることもあります。導入の判断では、将来の販路拡大やシステム連携まで含めて考えることが重要です。

JANコード導入のメリット

JANコードを導入することで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 商品の一意な識別が可能になり、在庫管理や販売管理の効率化が図れる
  • POSシステムとの連携により、販売データの自動集計や分析が容易になる
  • 商品情報の一元管理が可能になり、業務の効率化と情報の整合性が確保される
  • 商品トレーサビリティが向上し、品質管理や回収対応が迅速に行える
  • 取引先やECモールとのデータ連携がスムーズになり、販路拡大に対応しやすくなる

これらのメリットにより、流通や小売の現場で、在庫管理、販売管理、商品情報管理をそろえて見直しやすくなります。単に「バーコードを貼る」だけでなく、バックオフィス業務全体の見直しとセットで導入を検討すると、効果が出やすくなります。

JANコード運用におけるデメリット

一方で、JANコードの運用には以下のようなデメリットや注意点も存在します。

  • JANコードの印刷やラベル貼付作業にコストと手間がかかる
  • JANコードの付番ルールが一定の複雑さを持ち、商品点数が多いと管理が煩雑になりうる
  • バーコードリーダーやPOSなど、読み取りに必要な機器への初期投資が発生する
  • JANコードの劣化や汚損により、読み取りエラーが発生する可能性がある

これらのデメリットを踏まえ、自社の業務特性や規模に合わせてJANコード導入の是非や、導入範囲(自社内のみ/取引先との連携まで含めるか)を検討する必要があります。

JANコードに関する課題と対策

JANコードの運用においては、以下のような課題がよく見られます。

  • 商品マスターの整備と継続的な管理が不十分で、重複や誤登録が生じる
  • 社内の各部門でJANコードの重要性や活用方法の理解に差がある
  • 基幹システム・在庫管理システム・ECサイトなど、複数システム間の連携が不十分
  • JANコード印字品質のばらつきにより、現場での読み取りトラブルが発生する

これらの課題に対しては、以下のような対策が考えられます。

  1. 商品マスター整備の専任チームを設置し、ルールに基づく登録・更新を徹底する
  2. 社内教育プログラムを整備し、JANコード活用の意義と運用ルールを継続的に周知する
  3. システム部門と連携し、関連システム間のデータ連携・統合を計画的に進める
  4. JANコード印字品質の定期的なチェックと、印字設備(プリンタ・ラベラー)のメンテナンスを徹底する

これらの対策を続けることで、登録ミスや読み取りトラブルを減らし、JANコードを日常業務で安定して使いやすくなります。

JANコードの代替手段

JANコードの代替手段として、以下のようなものが存在します。

  • QRコード:情報量が多く、URLやテキストなど様々な情報を格納できる。スマートフォンでも読み取り可能
  • RFIDタグ:電波を利用し、非接触で読み取りが可能。見えない位置に付けても読み取れ、複数タグの同時読み取りにも対応
  • 独自コード:自社の商品特性に合わせて、独自のコード体系を設計・運用する方法(社内用途に限定される場合など)

これらの代替手段は、JANコードとは異なる特徴や利点を持っています。業務特性やニーズに合わせて、最適な商品識別方法を選択することが重要です。ただし、標準化された規格であるJANコードの利点(取引先やシステムとの高い互換性)も大きいため、代替手段との使い分けや併用も含めて慎重に判断する必要があります。

JANコードに関するよくある質問

JANコードの取得方法

JANコードを取得するには、以下の手順を踏む必要があります。

  1. GS1 Japanに申請し、GS1事業者コード(企業識別コード)を取得する
  2. 取得したGS1事業者コードをもとに、自社の商品にJANコードを割り当てる
  3. 割り当てたJANコードを商品パッケージやラベルに印刷する

JANコードの利用には、GS1事業者コードの登録申請料が必要です。料金は、事業者全体の年間売上高と、1年払いまたは3年払いの選択によって決まります。JANコードごとに個別の「加入金」や一律の「年会費」がかかるわけではありません。

また、JANコードの印刷には、一定の品質基準を満たす必要があります。バーコードの印刷品質が悪いと読み取りエラーが発生しやすくなるため、用紙やインク、印刷解像度などにも注意が必要です。

JANコードの変更や再利用

一度割り当てられたJANコードは、原則として変更や再利用ができません。これは、JANコードの一意性を維持し、流通現場での混乱を避けるために必要な措置です。

JANコードの変更要否は、商品の内容量や規格、ブランド、取引単位などが変わるかどうかで判断します。商品の仕様変更によって別商品として扱う必要がある場合は、新しいGTIN(JANコード)を設定します。

一方で、GTIN(JANコード)の再利用は2019年以降認められていません。2018年12月末までに終売した商品の一部には移行措置がありましたが、現在は終売商品に設定していたコードを別の商品に付け直す運用はできません。変更や運用判断が必要な場合は、GS1 Japanのルールやガイドラインを確認して進める必要があります。

JANコードとGS1事業者コード

JANコードを取得するには、まずGS1事業者コードを取得する必要があります。GS1事業者コードは、国際的な企業識別コードであり、JANコードの一部として使用されます。

GS1事業者コードは企業単位で付与され、同一企業であれば、複数の商品に同じGS1事業者コードを利用できます。そのうえで、残りの桁を使って商品アイテムコードを設計することで、自社商品を体系的に管理できるようになります。

GS1事業者コードの桁数や付与パターンは、事業規模や想定する商品点数などによって異なります。いずれの場合も、コード体系の設計段階で「今後何点ぐらいの商品を管理するのか」を見据えておくことが重要です。

JANコードに関するサポート体制

JANコードに関する問い合わせや相談は、GS1 Japanが窓口となっています。GS1 Japanでは、以下のようなサポートを提供しています。

  • JANコードの取得方法に関する相談
  • JANコードやGS1事業者コードの運用ルールに関する質問への回答
  • JANコード関連のセミナーや勉強会の開催
  • ガイドライン・マニュアルなどJANコード関連資料の提供

また、GS1 Japanのウェブサイトでは、JANコードに関する各種情報が公開されています。FAQや申請書類のダウンロード、関連リンク集などが掲載されており、JANコードに関する理解を深めることができます。

JANコードの運用において不明な点や問題が生じた場合は、GS1 Japanに相談することをおすすめします。専門スタッフが制度や実務に基づいて、適切なアドバイスを提供してくれます。

まとめ

JANコードは、流通や小売の現場で商品を識別し、在庫管理や販売管理を支える基本の仕組みです。導入を検討する際は、単にコードを付けるだけでなく、運用ルールやシステム連携まで含めて考える必要があります。

JANコードの仕組みを正しく理解しておけば、在庫管理、販売管理、商品情報管理の精度を上げやすくなります。導入時は、GS1 Japanのルールやサポート情報を確認しながら、自社で無理なく続けられる運用体制を整えることが大切です。

JANコードに関する疑問や課題があれば、社内だけで抱え込まず、GS1 Japanやシステムベンダーに相談しながら進めるほうが安全です。運用ルールやシステム連携を早い段階で確認しておくと、導入後のトラブルを減らしやすくなります。

Q.JANコードとは何のためのコードですか?

JANコードは、商品を識別するためのコードで、商品パッケージに表示したバーコードを読み取って在庫管理や販売管理、POS処理に利用します。

Q.JANコードとバーコードの違いは何ですか?

バーコードは情報を線のパターンで表現する技術の総称で、その中でも商品識別に使われる規格の一つがJANコードです。

Q.JAN-13とJAN-8はどのように使い分けますか?

一般的な商品にはJAN-13が使われ、小さなパッケージなどスペースが限られる場合にJAN-8が利用されます。

Q.自社商品にJANコードを付けるにはどうすればよいですか?

GS1 Japanに申請してGS1事業者コードを取得し、そのコードに基づいてJANコードを自社で割り当てます。

Q.JANコードの取得にはどのくらい費用がかかりますか?

GS1事業者コードの登録申請料が必要で、事業者全体の年間売上高と1年払いか3年払いかによって金額が変わります。

Q.一度使ったJANコードを別の商品に再利用できますか?

いいえ。GTIN(JANコード)の再利用は2019年以降認められておらず、異なる商品には別のコードを設定する必要があります。

Q.小さな店舗でもJANコードを導入するメリットはありますか?

はい、売上集計・在庫管理・棚卸しの効率化など、小規模店舗でも業務負荷軽減やミス削減の効果が期待できます。

Q.オンライン販売専用の商品にもJANコードは必要ですか?

必須ではありませんが、モール出店や他チャネルとの連携を考える場合、JANコードを付けておくと管理が容易になります。

Q.自社独自のコード体系だけで運用しても問題ありませんか?

社内だけで完結する運用なら可能ですが、取引先やECモールとの連携を考える場合は標準のJANコードが推奨されます。

Q.JANコードについて相談したいときはどこに問い合わせればよいですか?

JANコードの取得方法や運用ルールについては、GS1 Japanに問い合わせることでサポートや最新情報を得られます。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム