RAID01(0+1)は、先にRAID0のストライプを作り、そのまとまりをRAID1で複製する方式です。速さと冗長性を両立しやすい半面、1台故障した直後の粘りはRAID10より弱くなりやすい、という点が選定の分かれ目です。RAID01を選ぶなら、「平常時の性能」だけでなく、「1台故障した後にどうなるか」まで含めて見る必要があります。
RAID01は、まず複数ディスクでストライプを組み、そのストライプ全体をもう一組の同構成でミラーする方式です。言い換えると、「ストライプのミラー」です。作り方が逆になるRAID10は「ミラーのストライプ」なので、同じ 0 と 1 の組み合わせでも、故障時の振る舞いは同じではありません。
最小構成として考えやすいのは4台です。2台で1組目のRAID0、残り2台で2組目のRAID0を作り、その2組をミラー関係にします。実効容量は、ミラーを持つぶん、全体容量の半分が目安になります。
RAID01を理解するうえで押さえるべき点は、RAID0とRAID1の性質がそのまま入ってくることです。RAID0はデータを分散して書き込むため並列化しやすい一方、1台でも壊れるとそのストライプ全体が成立しなくなります。RAID1は同じデータを複製するため冗長性を持ちますが、容量効率は下がります。RAID01は、この2つを「RAID0を先に作ってから、その塊をミラーする」順番で組み合わせています。
| RAID0 | データを複数ディスクへ分散して書き込みます。並列化しやすい反面、1台故障でそのストライプ全体が使えなくなります。 |
| RAID1 | 同じデータを複製して書き込みます。片側が故障しても継続しやすい一方、容量効率は下がります。 |
| RAID01 | RAID0 のストライプを2組用意し、その2組を丸ごとミラーします。平常時は高速化と冗長化を両立しやすいものの、故障時の余裕は RAID10 より小さくなりやすい構成です。 |
RAID01で一番見落とされやすいのは、1台目の故障が起きた直後の状態です。RAID01では、片側ストライプの中で1台でも故障すると、その片側ストライプ全体が使えない扱いになりやすく、残るのは反対側のストライプ1組だけです。つまり、最初の故障で冗長性が大きく落ちます。
一方のRAID10は、先にミラーを作ってからストライプします。そのため、1台故障しても「片側全部を失う」のではなく、「あるミラーペアの片側が欠ける」形になりやすく、故障の組み合わせによっては複数台故障でも継続できる余地があります。ここが、RAID01とRAID10を分ける実務上の差です。
| 組み立て順 | RAID01 は「ストライプを作ってからミラー」、RAID10 は「ミラーを作ってからストライプ」です。 |
| 1台故障した直後 | RAID01 は片側ストライプ全体を失いやすく、残るのはもう片側1組です。RAID10 は故障したミラーペアの片側だけが欠ける形になりやすく、残存する冗長性が大きくなりやすい構成です。 |
| 再構築中の余裕 | RAID01 は1台目の故障後に片側だけで動く状態へ入りやすく、再構築が終わるまでの余裕が小さくなります。RAID10 は組み合わせ次第で残るミラーが多く、故障許容に差が出ます。 |
| 選定時の論点 | 平常時の速度だけなら似た印象を持ちやすいものの、故障直後の耐え方まで見ると差が出ます。比較では、この点を先に見る方が判断しやすくなります。 |
RAID01の利点は、RAID0を含むため並列読み書きの効果を得やすいことです。特に大きめの連続データを扱う場面では、単体ディスクより性能差が出やすくなります。ただし、書き込みはミラー先にも同じ内容を書き込むため、読み取りと同じ伸び方をそのまま期待する構成ではありません。
もう一つの利点は、RAID0単体よりは故障に備えられることです。片側ストライプが失われても、もう片側が生きていれば継続できます。速度だけを狙うRAID0よりは、障害時の継続性を持たせやすい構成です。
RAID01で先に確認したいのは、故障時に冗長性が急に縮むことです。平常時の見た目は「ストライプもミラーもある構成」でも、1台目の故障後は片側だけで走る状態になりやすく、そこからの追加故障に弱くなります。RAID10と比べるべきなのは、平常時の速度よりこちらです。
容量効率も軽くはありません。ミラーを持つため、使える容量は原則として全体の半分です。同じ容量を確保するなら、必要なディスク本数とコストは増えます。速度と冗長性の両立を狙える代わりに、容量効率では有利な方式ではありません。
さらに、RAIDはデータのバックアップそのものではありません。RAID01が守るのは主にディスク故障に対する継続性であって、誤削除、論理破損、暗号化被害まで元に戻す仕組みではありません。障害対応を考えるなら、バックアップ設計は別に持つ前提で見た方が安全です。
RAID01が候補に残りやすいのは、既存のコントローラや運用方針に制約があり、0+1 構成を前提に組む環境です。また、性能と最低限の冗長性を同時に欲しいが、すでに構成ルールが決まっているケースでも候補には入ります。既存環境を大きく変えない、という条件が付く場面では検討余地があります。
逆に、新規に方式を選べるなら、RAID10、RAID5、RAID6まで含めて、何を優先するかで決めた方が整理しやすくなります。速度、容量効率、再構築中の余裕、障害許容、運用負荷は同時には揃いません。RAID01だけを単独で見ても判断は固まりません。
| 候補に残りやすい場面 | 既存機器や既存方針で 0+1 構成が前提になっている場合、または平常時の性能と最低限の冗長性を優先したい場合です。 |
| 外しやすい場面 | 新規設計で故障時の粘りを重く見る場合、容量効率を重視する場合、再構築中の余裕を大きく取りたい場合です。 |
RAID01は、方式そのものより故障後の運用で差が出ます。1台故障したあと、どれだけ早く検知し、交換し、再構築を完了できるかで危険度が変わります。構成を選ぶ段階で、監視、通知、交換部材、担当者の動きまで見えていないなら、方式の説明だけを読んで決めるのは危うくなります。
| 監視 | 障害アラートが確実に届くか、夜間や休日に誰が確認するかを先に決めます。 |
| 交換 | 故障ディスクの特定方法、交換手順、交換部材の在庫を揃えておきます。 |
| 再構築 | 再同期の所要時間を見積もり、その間の追加故障リスクを把握しておきます。 |
| 復旧 | RAID障害と論理障害を分けて考え、バックアップから戻す手順も別に用意します。 |
RAID01は、ストライプを先に作ってからミラーする方式です。平常時は速度と冗長性を両立しやすいものの、1台故障した直後に片側ストライプ全体を失いやすく、冗長性が急に小さくなります。RAID10と同じ「0と1の組み合わせ」と見てしまうと、この差を読み違えます。
選定で見るべきなのは、平常時の速さだけではありません。故障直後の状態、再構築中の余裕、容量効率、交換体制、バックアップ設計まで含めて比べると、RAID01が合う場面と外した方がよい場面が分かりやすくなります。
A.組み合わせる順番が違います。RAID01はストライプを作ってからミラーし、RAID10はミラーを作ってからストライプします。この違いが、1台故障した直後の耐え方に表れます。
A.基本的には全体容量の半分が目安です。ミラー用に同じデータを複製するため、容量効率は高くありません。
A.多くの構成では継続できます。ただし、その時点で片側ストライプ全体が使えない扱いになりやすく、残る冗長性は小さくなります。
A.はい。RAID0は1台故障で全体が使えなくなりますが、RAID01はストライプ全体をミラーしているため、片側が生きていれば継続しやすくなります。
A.故障時の粘りを重く見るなら、比較対象としてRAID10を外しにくくなります。RAID01より故障直後の余裕が大きくなりやすいからです。
A.なりません。RAID01は主にディスク故障への備えであり、誤削除や論理破損、暗号化被害から戻す仕組みではありません。
A.既存コントローラや既存方針で 0+1 構成が前提になっている環境、または性能と最低限の冗長性を両立したい場面で候補に残ります。
A.1台目の故障で冗長性が大きく落ちやすい点です。障害検知、交換、再構築を素早く進められる体制があるかで危険度が変わります。
A.大きめの連続読み書きなど、ストライプの並列化が効きやすい場面です。ただし、書き込みはミラー先にも反映するため、読み取りと同じ伸び方にはなりません。
A.ストライプを丸ごとミラーする方式で、平常時は速いが、1台故障した直後の余裕は小さくなりやすい構成です。