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RAID6とは? わかりやすく10分で解説

水色の背景に六角形が2つあるイラスト 水色の背景に六角形が2つあるイラスト
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目次

はじめに

RAID6 とは?

RAIDは、複数のディスク(HDD/SSD)をまとめて扱い、OSやサーバーからは「1つのディスク(論理ボリューム)」のように見せることで、可用性(止まりにくさ)性能容量効率のバランスを調整する仕組みです。

RAID6は、RAID5と同様にストライピング(分散書き込み)を行いながら、パリティ(復元情報)を2つ持つ方式です。これにより、ディスク2台までの同時故障に耐えられる点が最大の特徴です。

ただしRAID6は「安全そう」に見える一方で、容量効率が下がる、書き込み性能が伸びにくい(むしろ不利になりやすい)、そしてバックアップの代わりにはならないといった注意点もあります。ここでは、RAID6の仕組み・向き不向き・運用の勘所を整理します。

RAID6 の機能について

RAID5では、ディスク障害が起きても復元できるようにパリティが1つ含まれます。RAID6ではパリティが2つあるため、2台が同時に故障してもデータを復元できる余地が増えます。

一方で、パリティを2つ持つぶん、実効容量が減り書き込み時の計算・更新が増えるため、ワークロードによっては性能面のデメリットが出ます。RAID6は「速くするため」よりも、ディスク故障に対して止まりにくくするための方式と捉えるほうが判断がブレません。

RAID6 の構成

RAID6は、最低でも4台以上のディスクが必要です。データを分散して持ちながら、復元用の情報(パリティ)を2つ分確保するためです。

データはストライピングで複数ディスクに分散され、2種類のパリティも特定の1台に固定せず、ディスク全体に分散して配置されます(実装やコントローラ設計によりますが、基本的な考え方は同じです)。

RAID6 の原理

RAID6は、データと2種類のパリティ情報を分散して保存し、ディスクが故障した場合でも、残りの情報から内容を再構成できるようにします。パリティは「元のデータを丸ごと複製する」ものではなく、演算で作る復元情報です。

パリティが2つあるため、1台故障であればもちろん、2台同時故障でも復元できる余地が生まれます。これがRAID6が「より堅牢」とされる理由です。


RAID6 が求められる背景

ディスク容量が増え、1台に載せるデータ量が大きくなるほど、「1台故障」のインパクトが増えます。さらに、故障後のリビルド(再構築)に時間がかかりやすい環境では、その間に追加障害が起きるリスクも無視できません。こうした状況で、RAID6の「2台故障まで耐える」設計が評価されることがあります。

データ保護の重要性

現代の業務システムでは、顧客情報や業務データなど、失うと影響が大きい情報を扱います。ハードウェア故障、運用ミス、セキュリティ事故など、データを損なうリスクは複数あります。

RAIDはそのうち、主にディスク故障に備える仕組みです。RAID6はパリティを2つ持つことで、ディスク故障に対する耐性を高めます。

RAID6 によるデータ保護

RAID6の最大のメリットは、ディスク2台までの同時故障に耐えられることです。特に、リビルド中(冗長性が落ちた状態)は、残りディスクへの負荷が上がるため、追加故障や読み取りエラーが起きやすい局面でもあります。RAID6は、この局面で「もう1台故障しても致命傷になりにくい」余地を持たせます。

なお、RAID6の実装はコントローラやソフトウェアによって異なり、パリティ計算方式や最適化もさまざまです。一般的には、RAID5より計算と書き込みのオーバーヘッドは増える方向に働くため、性能面は「向上する」と言い切らず、安全性と引き換えに負荷が増えやすいと捉えるのが安全です。

RAID6 のデメリット

RAID6は万能ではありません。主なデメリットは次の通りです。

  • 実効容量が減る:パリティ2台分が必要になるため、容量効率はRAID5より下がります。
  • 書き込み性能が不利になりやすい:パリティ計算・更新が増えるため、小さな書き込みが多いワークロードでは影響が出やすいです。
  • 運用の要求が上がる:監視・交換手順・復旧手順が曖昧だと、冗長性を活かせません。

ただし、これらは「欠点だからダメ」ではなく、2台故障まで耐える必要があるか書き込みが多い用途か運用で守れるか、という条件で評価が変わります。


RAID6 の設定

RAID6 のハードウェア要求

RAID6を設定するためには、まず適切なハードウェアの準備が不可欠です。基本は、最低でも4台以上のディスク(可能なら同容量・同等性能)を用意します。容量が異なるディスクを混在させると、全体が小さい方に引っ張られ、余りが使えません。

次に、RAIDを管理する仕組みが必要です。

  • ハードウェアRAID:専用RAIDカードやストレージ装置のコントローラで管理する
  • ソフトウェアRAID:OS機能で管理する(Linuxのmdadm等)

どちらでもRAID6は組めますが、重要なのは「組めること」よりも、監視と通知が確実にできるか、そして故障時に復旧できる手順があるかです。

さらに、ディスク本数が増えるほど消費電力と発熱も増えるため、電源ユニット(PSU)冷却が十分であることも前提になります。

RAID6 の設定手順

設定手順は機器・OSによって異なりますが、考え方は次の流れです。

  • 構築前にバックアップを取る(構成変更は事故が起きがちです)
  • RAIDコントローラ(またはOS)でRAID6を作成する
  • OS上で初期化・フォーマットを行い、用途に合わせてファイルシステムを設定する
  • 障害通知(アラート)が飛ぶかテストする

RAID6が作成されると、OSからは「1つの大容量ディスク」として認識されます。

RAID6 の設定時の注意

設定時・設定後に重要なのは「正しく動いているか」を確認できる状態にすることです。具体的には次を意識します。

  • 監視と通知:ディスク故障を見逃すと、冗長性があっても意味が薄れます。
  • 定期的な状態確認:S.M.A.R.T.情報やエラー状況、温度などを見ます。
  • バックアップ併用:RAIDはディスク故障対策であり、誤削除や暗号化、論理破損には別対策が必要です。

また、故障後のリビルドは時間がかかることがあるため、業務影響(性能低下、処理遅延)も含めて運用計画に入れておくのが安全です。

RAID6 設定失敗時の対処

設定がうまくいかない場合は、焦って操作を重ねると状況が悪化しがちです。まずは次を順に確認します。

  • HDD/SSDとコントローラの接続(ケーブル、スロット、電源)
  • BIOS/UEFI設定(RAIDモードやコントローラ設定)
  • ディスクの状態(既存パーティションや初期化状態が影響する場合があります)

原因が特定できない場合や、業務影響が大きい場合は、ベンダー保守や専門家へ早めに相談する判断が安全です。


RAID6 のトラブルシューティング

RAID6は保護水準が高い一方で、運用手順が曖昧だと「守れるはずのものを守れない」状態になりがちです。よくあるトラブルと、考え方の整理をしておきます。

RAID6 の主な問題と解決策

RAID6のトラブルは主に、ディスク障害RAIDコントローラの故障設定や操作ミスが中心です。

  • ディスク障害:故障ディスクを特定し、交換してリビルド(再構築)する
  • コントローラ故障:同型コントローラが必要になるケースがあるため、保守部材と復旧手順を用意する
  • 操作ミス:誤ったディスクを抜く、誤リビルドを実行する等を防ぐため、手順書とダブルチェックを徹底する

特に「どのディスクが故障しているか」の取り違えは致命傷になり得ます。管理画面上のスロット番号、LED表示、シリアルなど、特定方法を事前に決めておくと事故が減ります。

RAID6 の故障時の復旧方法

RAID6は、ディスクが1台故障しても、基本的にはデータを保護したまま運用を継続できます。さらに、2台故障まで耐えられる設計のため、RAID5より復旧の余裕が大きいことがあります。

ただし「耐えられる」ことと「放置してよい」ことは別です。故障したディスクは早めに交換し、リビルドして冗長性を回復させる運用が前提になります。

より深刻な障害(コントローラ故障、複数ディスクの障害、誤操作など)が疑われる場合は、独断で作業を進めるより、保守ベンダーやデータ復旧の専門家に相談したほうが安全です。

RAID6 の維持・最適化方法

RAID6を良い状態で維持するには、定期的な監視と手順整備が不可欠です。

  • 監視:故障・予兆を早く検知する(アラートが実際に届くかも確認)
  • 定期点検:温度、エラー、S.M.A.R.T.の傾向を見る
  • 巡回読み取り(スクラブ):対応機器なら、定期的な検査で潜在エラーを早期にあぶり出す
  • 容量管理:容量が逼迫すると性能や運用が苦しくなるため、余裕を残す

ファームウェア更新は有効な場合がありますが、環境によっては影響もあるため、保守手順と照らし合わせて計画的に行います。

RAID6 の故障予防策

故障を完全にゼロにはできませんが、事故を減らすなら「壊れにくくする」よりも「壊れても早く気づいて復旧する」設計が効きます。具体的には次の通りです。

  • 冷却・電源・振動などの物理条件を整える
  • 故障通知(メール/監視ツール連携等)を必ずテストする
  • 予備ディスク(ホットスペアを含む)と交換手順を用意する
  • バックアップ(世代管理)を併用し、論理障害に備える

まとめ

RAID6は、RAID5をベースにパリティを2つ持つことで、ディスク2台までの同時故障に耐えることを狙った方式です。リビルド中の追加障害リスクを下げたい、停止やデータ喪失の可能性をできるだけ抑えたい、といった場面で採用されます。

一方で、RAID6はパリティが増えるぶん、実効容量が減り書き込み性能は不利になりやすいという特徴があります。RAID6を選ぶかどうかは、データの重要性、許容できる停止・損失リスク、書き込み負荷の大きさ、そして監視・交換・復旧の運用体制をセットで比較して判断するのが現実的です。

また、RAID6はディスク故障対策であって、バックアップそのものではありません。誤削除、ランサムウェア、論理破損に備えるには、別途バックアップ(できれば世代管理)を併用することが重要です。

Q.RAID6は最低何台のディスクが必要ですか?

最低4台です。データ分散に加え、2種類のパリティ領域が必要になるためです。

Q.RAID6は何台の故障まで耐えられますか?

基本は2台までです。3台目が故障すると復旧できない可能性が高くなります。

Q.RAID6はバックアップの代わりになりますか?

なりません。誤削除や暗号化、論理破損はRAIDにも反映されるため、別途バックアップが必要です。

Q.RAID6の容量効率はどのくらいですか?

おおむね(本数-2)/本数です。例として6台なら実効は約67%になります。

Q.RAID6はRAID5より必ず安全ですか?

ディスク故障に対しては耐性が上がります。ただし運用ミスやコントローラ故障などは別の対策も必要です。

Q.RAID6は書き込みが遅くなりますか?

不利になりやすいです。パリティ計算・更新が増えるため、特に小さな書き込みが多い用途で影響が出やすくなります。

Q.リビルド中に気をつけることは何ですか?

性能低下が起きやすく、追加障害のリスクも上がります。故障ディスクは早めに交換し、監視を強めるのが基本です。

Q.同容量・同型番で揃えるべきですか?

基本は同容量・同等性能が安全です。混在させると容量や性能が小さい方に引っ張られます。

Q.ホットスペアは用意したほうが良いですか?

有効です。故障後すぐに再構築へ移行でき、冗長性が落ちている期間を短くできる場合があります。

Q.RAID6運用で一番大事なポイントは何ですか?

故障に早く気づける監視と、交換・復旧を迷わず実行できる手順の整備です。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム