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ルーターとは? わかりやすく10分で解説

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ルーターとは

ルーターとは、複数の機器をインターネット回線に接続する役割を持つ機器のことです。端末がインターネットに接続するためには、IPアドレスが必要となりますが、一つのインターネット回線には一つのIPアドレスしか割り振れないため、ルーターがこれを管理しています。

ルーターは、家の中の端末に自宅内のIPアドレスを割り振り、それをインターネットのグローバルIPアドレスと変換するという重要な役割を果たしています。これによって、複数のデバイスが同時にインターネットを利用することが可能になります。

ルーターにはさまざまな種類があり、有線ルーター、無線ルーター、モバイルWi-Fiルーター、ホームルーターなどがあります。これらの選び方や、各ルーターの特性については、後述します。

ルーターの役割と効率的な利用方法

ルーターの主な役割は、通信データを適切に伝送し、それぞれの端末をインターネットに接続することです。通信速度や接続安定性、セキュリティ対策など、様々な要素がこの役割を果たす上で重要な要素となります。

効率的な利用法の一つとして、ルーターの設置場所に配慮することがあります。ルーターからの信号は直線的に伝わるため、障害物があると通信状態が悪くなる可能性があります。そのため、可能な限り中央に設置し、高い位置に置くことで、家全体に均一に信号を届けることが可能となります。

また、必要以上に多くの機器を接続すると通信速度が落ちる場合があります。適切な管理と、不要なデバイスの接続を避けることで、通信環境を最適化することができます。

ルーターを使用する際の注意点

ルーターを使用する際に重要な注意点として、まずセキュリティが挙げられます。ルーターはインターネットと直接接続されているため、不正なアクセスを防ぐことが重要です。そのため、初期設定のパスワードは自分だけが知るものに変更することを推奨します。

次に、ルーターの断熱管理も重要です。ルーターは24時間つけっぱなしにすることが多いため、発熱が問題となることがあります。ルーター自体の寿命を延ばすためにも、通気性の良い場所に設置する事を推奨します。

最後に、ルーターの更新も重要です。新しい機種には新たなセキュリティ対策や機能が搭載されることがあります。定期的に最新の情報をチェックし、必要であれば機器の入れ替えを考えるとよいでしょう。

ルーターの種類と特性

ルーターにはいくつかの種類があり、それぞれに特性や適した使用状況などが異なります。それぞれの特性を理解し、自分のライフスタイルやインターネットの利用状況に応じて最適なルーターを選びましょう。

ここでは、有線ルーター、無線ルーター、モバイルWi-Fiルーター、ホームルーターの4つの主要なルーターの種類とその特性について解説します。

有線ルーター

有線ルーターは、物理的にLANケーブルを使用してデバイスをインターネットに接続するタイプのルーターです。他のルータータイプと比較すると、安定性やセキュリティが高く、大量のデータ転送が必要なサーバーなどに適しています。

また、通信速度が無線に比べて落ちにくいという特徴があります。しかし、ルーターから直接ケーブルを引く必要があるため、設置場所や移動の自由度に制限があります。

したがって、有線ルーターは、安定したインターネット環境を必要とするゲームや動画視聴、大量のデータを扱う仕事などに最適です。

無線ルーター

無線ルーターは、Wi-Fi(ワイヤレス)を利用してデバイスとの接続を行うルーターのタイプです。有線ルーターと違い、設置場所の自由度が高く、端末の持ち運びが容易であることが特徴です。

Wi-Fiに対応しているスマートフォン、タブレット、パソコンなど、複数のデバイスを同時に接続することができます。しかし、使用するデバイスの数や距離によって通信速度が変動する可能性があります。

通信速度を保つための高速な無線ルーターも存在するため、デバイスの数や使用頻度に応じて選択することが重要です。

モバイルWi-Fiルーター

モバイルWi-Fiルーターは、携帯通信キャリアのネットワークを利用してインターネット接続を行うタイプのルーターです。ポータブルであることが大きな特徴で、外出先でも利用可能です。

ただし、通信量や速度に制限がある場合も多く、料金プランの選択も重要になります。データ量を多く消費する動画の視聴や大量のファイルのダウンロードは通信制限に気をつけながら行う必要があります。

モバイルWi-Fiルーターは、外出先でインターネットを利用したい方や、災害時などの非常時に備えて持っておきたいという方におすすめです。

ホームルーター

ホームルーターは、自宅で固定的に利用するためのルーターで、携帯通信キャリアのネットワークを使用します。無線ルーターの一種であり、家族全員や共同生活者がインターネットを利用するための環境を提供します。

一般的には高速通信が可能ですが、同じエリアで多くの人が利用していると速度が低下することもあります。

また、月間のデータ通信量に制限があることがほとんどなので、ヘビーユーザーの場合は注意が必要です。これらの特性を踏まえて、家庭内のインターネット利用状況に応じて選ぶことが重要です。

ルーターと他のIT用語の違い

ここでは、ルーターと他のIT用語との違いについて、説明していきます。具体的には、Wi-Fi、モデム・ONU、ハブ、そしてスイッチとルーターとの違いを明確にします。これにより、各機器の特性と役割が理解できるようになるでしょう。それぞれの違いを簡単に説明します。

ルーターとWi-Fi

ルーターは主に機器をインターネットに接続する装置の名称で、一方Wi-Fiはその接続方法の一つを示す規格の名称です。

このため、Wi-Fiを利用した無線接続を可能にするルーターは「Wi-Fiルーター」と呼ばれますが、すべてのルーターがWi-Fi機能を持つわけではありません。

従って、Wi-Fi機能が必要な場合は、それを搭載したルーターを選ぶ必要があります。

ルーターとモデム・ONU

モデムまたはONUは、プロバイダから送られてくるアナログ信号をデジタル信号に変換し、さらにその逆の変換も行う装置です。

それに対して、ルーターは端末からの要求をインターネットに適切にルーティングする役割を持つ一方で、モデムと同様にデータの変換は行いません。

基本的に、モデムまたはONUとルーターはセットで使用することで、インターネットに接続する機器の要求に対して適切なデータをやり取りすることが可能となります。

ルーターとハブ

ハブはネットワーク上の機器を物理的につなぐための装置で、単純に信号を増幅して全てのポートに送信します。

これに対して、ルーターはデータが必要な機器にのみデータを送信します。このため、ルーターはハブよりも効率的な通信が可能です。

ただし、ハブは構成が簡単で、コストが低いため、少数の機器で構成される小規模なネットワークには適しています。

ルーターとスイッチ

スイッチは、データを受信すると、そのデータを送信すべきポートを判断し、該当するポートにのみデータを送信します。そのため、スイッチはハブと比べて効率的な通信が可能です。

それに対して、ルーターはスイッチの機能に加え、異なるネットワーク間のデータのやり取りも行います。これにより、インターネットなど大規模なネットワークと接続することが可能です。

そのため、ルーターとスイッチは機能的には異なりますが、ネットワークの規模や要求に応じて適切に選択することが求められます。

ルーターの選び方と設定方法

ルーター選びは利用条件により最適なものが変わります。また、正しく設定を行わなければ高性能なルーターでもその性能を発揮できません。この章ではルーター選びのポイントと設定方法について解説します。

ルーターの選び方のポイント

まずルーターを選ぶ際は通信速度に着目しましょう。最も高速な通信が可能なのは有線ルーターですが、場所を選ばずに利用したい場合は無線ルーターやWi-Fiルーターが便利です。

次に、接続機器数も重要です。多くの機器を同時に接続する場合は多ポート搭載のルーターを、少ない機器数であればシンプルなルーターを選ぶと良いでしょう。

最後に、セキュリティ性能も考慮すべきです。不正アクセス防止機能が搭載されているルーターを選ぶことで、より安全にインターネットを利用できます。

ルーターの接続設定方法

ルーターの設定は基本的にルーター添付のマニュアルに従って行います。まず、ルーターとインターネット回線をケーブルで繋ぎます。

次に、接続したい機器とルーターを接続します。有線接続ではケーブルを、無線接続ではWi-Fiのネットワーク名とパスワードを利用します。

これらの接続が完了したら、最後にルーターの設定画面から詳細設定を行います。具体的な設定内容は製品により異なります。

ルーターのセキュリティ設定法

セキュリティ設定で最も基本的なのがWi-Fiのパスワード設定です。ランダムで複雑なパスワードを設定し、定期的に変更することが推奨されます。

また、フィルタリング機能を活用すると特定のサイトへのアクセスを制限できます。例えば子供からアダルトサイトへのアクセスを遮断するといった使い方があります。

さらに、一部の高性能ルーターでは侵入検知機能を搭載しており、不正アクセスを自動的に検知することが可能です。

使用環境に適したルーターの選び方

使用環境に適したルーターを選ぶためには、まず接続したいエリアが被るかどうかを調べます。例えば一戸建てで2階以上から接続したい場合は、広範囲をカバーできるルーターが必要です。

次に、ルーター設置場所と接続機器の距離も考慮します。距離が離れるほど通信速度は低下するため、適度な距離を保つことが重要です。

最後に、通信機器の特性を考慮します。ゲームや動画視聴によく使う機器では高速・安定通信が必要なため、高性能なルーターを選び、一方で簡単なWeb閲覧程度であればシンプルなルーターでも概ね問題無く利用できるでしょう。

ルーターの詳細な機能

日々進化するテクノロジーの世界では、IT製品の機能や設定法も日々進化しています。ルーターもその一つで、基本的なインターネット接続機能だけでなく、ポート開放DMZ設定ファームウェアの更新QoS設定など、さまざまな高度な設定法が存在します。これらの設定を活用すれば、より安全かつスムーズにインターネットを利用することが可能になります。では、ここでそれぞれの詳細な機能と設定法について解説していきましょう。

ルーターのポート開放とは

ポート開放とは、ルーターの設定を変更して特定のポート番号に対する通信を許可することを指します。これにより、外部からの接続要求を特定の機器に直接送ることが可能になります。例えば、オンラインゲームやP2P通信で必要となるポート開放を行えば、通信がスムーズになり遅延を減らすことができます。

ただし、ポート開放を行うとセキュリティ面でのリスクも高まるため、必要なポートのみを限定して開放することが重要です。そして、ポート開放の設定はルーターの設定画面から行いますが、その手順はルーターのメーカーや型番により異なるため、具体的な設定法は取扱説明書や公式ウェブサイトを参照してください。

ルーターのDMZ設定と利用シーン

DMZ(Demilitarized Zone)設定とは、ルーター内で特定の機器を「非武装地帯」に設定し、インターネットからの全ての通信をその機器に直接送る設定のことです。DMZ設定を行った機器は外部から直接アクセス可能となるため、サーバー機器の運用や、ポート開放が難しいオンラインゲームのプレイなどに活用できます。

しかし、全ての通信が直接届くため、セキュリティリスクが非常に高まります。なので、DMZ設定は必要最低限、必要性が高い場合のみ行うようにし、それ以外の利用は避けるべきです。DMZ設定もルーターの設定画面から行いますが、設定手順はルーターの種類により異なりますので、必ず取扱説明書や公式ウェブサイトを確認してください。

ルーターのファームウェア更新

ファームウェア更新とは、ルーター内部のソフトウェア(ファームウェア)を最新のものにアップデートすることを指します。これを行うことで、新たな機能を追加したり、既存の問題を修正したりすることができます。また、セキュリティ対策としてのアップデートも多く、定期的な更新が推奨されています。

ファームウェアの更新手順は、基本的にはルーターの設定画面から行います。メニューから「システム」「アップデート」などの項目を選び、指示に従って進めることで更新を行うことができます。ただし、更新中に電源が切れると重大な問題を引き起こす可能性があるため、十分な電源確保と余裕を持った時間帯で行うことが大切です。

ルーターのQoS設定とその活用法

QoS(Quality of Service)設定とは、ルーターの通信量を制御し、通信の品質を確保するための設定です。QoS設定を行うことで、特定の機器やアプリケーションへの通信優先度を設定でき、複数の機器が同時にインターネットを利用してもスムーズに通信を行えます。

例えば、ビデオ会議中に他の機器が大量のデータをダウンロードした際でも、ビデオ会議への通信が優先され、途切れることなく会議を続けることが可能となります。QoS設定の方法はルーターの機種により異なりますが、基本的には設定画面から行えます。この設定法をマスターすれば、より快適なインターネット環境を実現することができます。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム