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RPOとは? わかりやすく10分で解説

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目次

はじめに

RPOとは?

RPOとは、Recovery Point Objectiveの略で、情報システム障害が発生した場合、どの時点までのデータ復旧を目指すかという目標値のことです。

例えば、障害が14:00に発生し、RPOが4時間で設定されていれば、最新のデータは10:00までのものとされます。RPOはビジネス継続計画(BCP)や災害復旧(DR)策定の際に重要な指標となります。


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RPOの目的

RPOの設定は、企業がデータを失った際に許容できる最大の時間を決めるために重要です。これによりデータバックアップの頻度や災害復旧の戦略を具体的に策定することが可能となります。

また、RPOは潜在的なビジネスリスクを明確化し管理する役割も果たします。障害が発生した際に幾つのデータを失うかというリスクを量的に評価し、事業運営におけるリスク対策を図れるからです。

以上のように、RPOはビジネス適用性の判断基準や、事業継続計画(BCP)策定の重要な要素となります。

RPOの利用シーン

RPOの具体的な利用シーンとしてよく挙げられるのは災害時のデータ復旧です。例えば地震や水害等によりデータセンターが停止した場合、RPOが2時間と設定されていれば最新のデータは障害発生2時間前までのものとなります。

また、サーバーやネットワークに障害が発生し、システム全体が停止した場合にもRPOは利用されます。設定値に基づき、障害復旧の対応策を立てることが可能です。

このようにRPOは、予期せぬデータ喪失や事業停止リスクに備えた対策立案の具体的な指標となり得ます。

RPOを設定する際の基準

RPOを設定する際の一般的な基準は、ビジネス要件やシステム重要度、予算等によります。ビジネス上非常に重要なシステムであればRPOは短く設定し、それに伴い高頻度のデータバックアップを行います。

一方、そこまで重要性が高くないシステムであれば、コスト削減の観点からRPOは長く設定し、バックアップは低頻度に設定する場合もあります。

しかし、極めて長いRPO設定はビジネス継続に影響を及ぼす可能性があるため、バランスを考慮した設定が求められます。このようにRPOはシステムの事業価値とコストとのバランスを図る上で重要な指標となりえます。

RPOの重要性

IT障害がビジネスに与える影響

IT障害が発生すると、業務が滞り生産性が著しく低下します。顧客への影響が大きい場合は、事業の信用損失につながる可能性もあります。特に、現代社会では、ITシステムがビジネスの基軸である企業が多いため、この影響は無視できません。

RPO(Recovery Point Objective)は、こうしたIT障害からビジネスを守るために重要な役割を果たします。

RPOの設定がビジネス継続に及ぼす影響

RPOの設定は、ビジネス継続性に直結します。

具体的には、RPOはデータロスを何時間、何分許容するかのベンチマークや目標値を設定することで、IT障害が発生した場合でもデータをどこまで回復すれば業務が再開できるかを明確に示します。これにより効率的な再開計画を立てることができます。

適切なRPOの設定がなされていなければ、ビジネス自体の存続が危ぶまれることもあり得ます。

データバックアップとの関係性

RPOは、データバックアップと直接関係しています。

バックアップ間隔は、データロスをどの程度許容するかに直結しており、RPOはバックアップ間隔を決めるための基準となります。RPOが適切に設定されていないと、バックアップは適切に機能せず、重要なデータが失われるリスクが増大します。

RPOと業績の間の関係

システム故障やデータ損失は直接的な経済的損失を招きます。

これは顧客との取引停止、機会損失、業務復旧にかかる費用など、多方面にわたります。したがって、RPOを適切に管理し、IT障害から迅速に回復できる体制を整備することは、経済的損失を低減し業績を維持する上で不可欠です。

以上から、RPOの適切な設定と管理はビジネスの継続、保護、成長に深く関わっているといえます。

RPOとRTO

RPO(Recovery Point Objective)とRTO(Recovery Time Objective)は、IT業界におけるビジネス継続性計画(BCP)や災害復旧戦略を策定する際の重要な要素です。これらは共に、データロスやシステムダウンタイムに対する許容範囲を定義し、重大なビジネス影響を最小限に抑える役割を果たします。

しかし、RPOとRTOはどちらも重要ですが、それぞれ意味するところが異なり、バランスよく設定しなければなりません。それぞれの定義から、違いや影響、バランスの取り方を詳しく解説していきましょう。

RTOとは

RTO(Recovery Time Objective)は、システムやサービスがダウンした際に、いつまでに復旧させなければならないかという時間目標を示します。RTOはビジネスの要求によって様々です。一部のシステムでは数時間、一部では数秒となります。

たとえば、オンラインショップなど24時間稼働していることが求められるサービスでは、ダウンタイムがビジネスに大きな影響を及ぼすため、RTOは非常に短い時間でなければなりません。

重要なことは、RTOはあくまで目標であって、常にそれを実現できるわけではないということです。実際のRTOは、技術的な制約やコスト、リソースなどにより変動します。


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RPOとRTOの違い

RPOとRTOの一番の違いは、前者がデータ保護に関連しているのに対し、後者がシステムの復旧時間に関連しているということです。RPOはデータが失われた場合に、それを容認できる時間のことを示し、RTOはシステム障害からサービスを復旧させるまでの時間を示しています。

より具体的に言うと、RPOは「最後のバックアップからデータが失われるまでの時間」を意味します。そのため、これが2時間であれば、2時間以内に何かが起きても安全だということです。一方、RTOは「システムが停止してから稼働を再開するまでの時間」を意味します。

事業続行計画を作成する上では、これら両者のバランスを考慮しなければなりません。例えば、高度なデータ保護を求める企業ではRPOを短く設定する一方で、システムのダウンタイムが許されない状況ではRTOを短く設定するでしょう。

RPOとRTOのバランスの取り方

RPOとRTOのバランスを適切に取ることは、ビジネスの規模、業種、リソースに依存します。どちらも短く設定すれば理想的ですが、それは費用や作業負担を増加させ、実現不可能な場合もあります。

バランスを取るためには、まず自社のビジネス要件を理解することが重要です。RPOとRTOは互いに関係していますが、どちらが優先されるべきかはビジネス要件によります。たとえば、データが命綱のビジネスではRPOが重視され、システムの可用性が重要な場合はRTOが重視されます。

RTOとRPOの目標を設定する際には、それぞれのコストとリソースを考慮して、現実的かつ効果的な計画を立てることが肝心です。そのためには、ひとつひとつのアプリケーションやシステムに対して個別に考えることが必要です。

RTOがビジネスに及ぼす影響

RTOの設定は、ビジネスに大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、時間が経つほどビジネスへの影響が大きくなる業種やサービスでは、RTOの設定は経営戦略の一部と言えます。

RTOを短く設定すればするほど、復旧のための技術的な準備や投資が必要になりますが、その反面でビジネスダウンタイムのリスクを最小限に抑えることができます。しかし、RTOを短すぎる時間で設定しすぎると、それが現実的でない場合、結果的に失望や信頼の低下を招く可能性もあります。

逆に、RTOを長く設定すればするほど、ビジネスはサービス停止のリスクに曝される時間が長くなります。その結果、顧客からの信頼を失ったり、利益の損失を招いたりする可能性があります。そのため、RTOはビジネスの特性とニーズに合わせた適切な設定が必要です。

RPO設定の手法

ITシステムを円滑に維持し、事業の継続性を保証するためにRPO(Recovery Point Objective)の設定は欠かせません。RPOを設定する手法には幾つかのアプローチがあります。

これらの手法はITリスク管理の一環であり、ビジネスの息吹を保持しつつ、ITシステムに対する潜在的な脅威に備えることを目的としています。具体的には、ビジネス影響分析(BIA)、リスク評価とリスク管理、データバックアップの計画、そしてRPO設定の具体的なプロセスに、以下のように分けることができます。

あるいは、これらはディザスターリカバリ計画(DRP)の重要な要素であり、ITシステムの回復能力を最大限に活用し、事業運営に重大な影響を及ぼさないことを保証します。

ビジネス影響分析

ビジネス影響分析(BIA)は、企業がどの程度までデータロスに対応できるかを判断するための重要な工程です。

そのフレームワーク内で、企業は各ビジネスプロセスとそれに必要なデータを特定し、それぞれに対する潜在的な影響と回復目標を設定します。これには、どのデータが最も重要であり、最速で復元されるべきかどうかを含みます。

BIAを適切に行うことで、RPOの設計に含まれる判断材料を提供し、最終的なRPOを決定する上で基礎となります。

リスク評価とリスク管理

リスク評価とリスク管理は、ビジネス影響分析(BIA)と並行して行われる重要なプロセスです。これは、ITインフラストラクチャ全体に対する可能性のあるリスクを特定し、それらに対してどのように対応するかを計画する段階であり、これによりRPOの基準も確立されます。

リスク評価では、企業は自社のITシステムに影響を与える可能性のある脅威を識別し、その危険性を評価します。そしてリスク管理は、そのリスクに対する対策を計画し、調整します。これには災害対策、サイバーセキュリティ対策、ハードウェア障害への対策などが含まれます。

これらのプロセスをきちんと実施することで、RPO設定はより正確で効果的なものになります。

データバックアップの計画

データバックアップの計画はRPO設定の中心的な部分で、データをいかに迅速かつ効率的に回復できるかを決定します。

この計画作成には、どのデータをどの頻度で、どのような手段でバックアップするかを明示することが必要です。そして、すべてのバックアップが利用可能で、必要なときに簡単にアクセスできることを確認することも必要です。

これにより、一部データが消失した場合やシステム全体がダウンした場合でも、既定のRPOに基づいてデータを迅速に復元することが可能になります。

RPO設定の具体的なプロセス

RPO設定の具体的なプロセスは、全体の業務影響分析、リスク評価とリスク管理、そしてデータバックアップ計画を通じて得た情報を基に、最適なRPOを設定することです。

このプロセスにおいて、企業は自社のビジネスニーズ、リソースの可用性、技術上の制限、そして費用対効果を緻密に評価する必要があります。

この結果、企業は自身のビジネス目標と一致する最適なRPOを設定し、それを達成するための具体的な手法を選ぶこととなります。

RPOを下げるためのテクニック

データロスを縮小するためには、RPO(Recovery Point Objective)を最低限に抑えることが求められます。以下に、RPOを下げるための効果的なテクニックを具体的にご紹介します。

これらのテクニックを用いることで、十分なデータ保護を確保しつつ、RPOを効率良く下げることが可能となるでしょう。

なお、以下の情報はあくまでも一般的なアプローチであり、使用するシステムやサービスにより適応するには具体的な調整が必要な場合がありますので、ご理解ください。

バックアップ方法の選択

まずは、バックアップの方法を適切に選択することが重要です。バックアップの頻度やタイプにより、RPOは大きく影響を受けます。

例えば、フルバックアップを頻繁に行うと、システムの滞りが生じ、業務に支障をきたす可能性があります。逆に、フルバックアップをあまりにも頻繁に行うと、データロスの可能性が高まります。

これらの課題を解決するためには、差分バックアップや増分バックアップなど、状況に応じて最適なバックアップ方法を選択することが有効です。

メンテナンスとアップデート

次に、システムのメンテナンスとアップデートがポイントです。これにより、システムの安定性を維持し、予期せぬダウンタイムを防ぎます。

絶えずシステムの状態を監視し、アラートやエラーが発生した際には迅速な対応が求められます。また、定期的なシステムアップデートにより、最新のセキュリティパッチを適用し、データロスを招く可能性のある脆弱性を防ぎます。

これらの活動により、システムの健全性を保ちながら、RPOを下げることが可能となります。

DRの訓練

DRの訓練もRPOを下げるための重要なテクニックです。この訓練により、実際の災害発生時に迅速な対応が可能となります。

訓練を行うことで、システム復旧のための手順を理解し、リカバリタイムを最小限に短縮することが可能となります。これにより、データの復旧までの時間を短縮し、RPOを下げる効果が期待できます。

なお、災害リカバリ訓練は定期的に行うことで効果を最大化することができ、課題発見と改善のサイクルを回すことが重要です。

データパイプラインの最適化

最後に、データパイプラインの最適化を行います。入力データの取り扱いから出力データの格納までの一連の流れを効率的に管理し、データ処理能力を高めます。

これにより、発生するデータのロスを最小限に抑えることができ、結果としてRPOを下げることが可能です。

また、データパイプラインの最適化には、必要なデータの段階的なバックアップや、適切なデータ圧縮手法の選択など、複数のテクニックが組み合わされます。

まとめ

RPOの重要性の再確認

RPO(Recovery Point Objective)は、企業が災害発生時にどの程度のデータ損失を許容するか、という数値を示します。その数値は、ビジネスの中断時間、データのボリューム、業務の重要度など、さまざまな要素を計算に入れて設定されます。

ビジネス継続性の計画策定において、RPOの設定は非常に重要です。データの復旧ポイントを決定することで、システムのバックアップ繰り返し頻度やデータの保存位置など、データ復旧方法を適切に計画できます。

そのため、企業のビジネス継続計画(BCP)においては、RPOを適切に設定し、管理することが必要不可欠な業務の一つとなります。

適切なRPO設定の手法

RPO設定では、特定の業務領域について重要なデータを特定し、それらを保護する手段を決定します。

この設定方法を採用すると、企業は各部門の業務要件とデータ保護レベルを合致させることができます。そして、データの価値と保護コストを最適化し、ビジネスの継続性を確保することができます。

各企業が具体的なRPOを設定するためには、業務プロセスの分析やデータ分類、リスク評価などの手続きが必要です。

RPO設定における注意点

RPO設定を行う際には、業務の重要度やビジネス影響分析(BIA)を考慮することが大切です。それぞれの業務領域に対して、RPOを特定し、それに基づいてデータ保護計画を策定する必要があります。

また、RPO設定にはコスパ(コストパフォーマンス)も考慮しなければなりません。高いRPO(短いデータ復元期間)を設定すると、高コストがかかりますが、低いRPO(長いデータ復元期間)を設定すると、大きなビジネス影響をもたらす可能性があります。

したがって、企業はバックアップ戦略を立案する際に、バランスのとれたRPOを設定することが求められます。

今後のビジネスへの影響

RPO設定は、ビジネスの継続性と再開能力、データ保護レベルの最適化などに直接影響を与えます。

適切なRPO設定を行うことで、企業はデータロスとダウンタイムを最小限に抑えることができ、社内外のニーズに対応するための迅速な判断と行動が可能になります。

したがって、RPO設定は経営戦略に密接に関連しており、ビジネスの成長と安定を実現するために欠かせない要素となります。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム