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USB2.0とは? わかりやすく10分で解説

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目次

USB2.0とは

USB2.0は、世界中で広く利用されているデータ転送技術で、USB(Universal Serial Bus)の一種です。既存のUSB1.1との互換性を保ちつつ、データ転送速度を大幅に向上したのが特徴です。

USB2.0はデジタルデバイスとパソコンを接続し、データのイントラフェースを調整するケーブルとして一般的に使用されています。

その想定最大転送速度は480Mbpsとなっており、それまでのUSB1.1の12Mbpsから大幅に向上しています。

USB2.0の特徴

USB2.0は、"Universal Serial Bus"のバージョン2.0を指し、デジタルデバイス同士をケーブルで接続し、データ転送を可能にするインターフェース規格です。これにより、キーボード・マウス・プリンタ・スキャナ・デジタルカメラなどさまざまな機器をパソコンに接続することが可能になりました。

USB2.0の最大の特徴として、「ホットプラグ」機能が挙げられます。これは、コンピュータを再起動せずにデバイスを繋ぎ替えることができる機能で、利便性を大幅に向上させました。

USB2.0の歴史

USBの規格は、1996年にUSB1.0がリリースされ、その後2000年にUSB2.0が発表されました。これにより、転送速度が大幅に向上し、ユーザー体験が飛躍的に向上しました。

USB2.0の開発は、インテル、コンパック、デル、IBM、マイクロソフト、ネクサスの6社によって行われ、その後すぐに多くのデバイス製造メーカーに採用されました。

以来、USB2.0はその速度と便利性から幅広いデバイスで使われています。

USB2.0の仕組みと機能

USB2.0は、デバイスとホストコンピュータとの間でデータをやり取りするためのシリアルバスで、データの送信を制御するプロトコルが採用されています。

「プラグ・アンド・プレイ」機能によってユーザーは、ドライバのインストール等の面倒な手続きなく、デバイスをすぐに使うことができます。

さらに、電力供給機能も備えており、接続したデバイスに電力を供給することが可能なため、ACアダプターなどを必要としないデバイスも増えてきました。

USB2.0の使用シーン

USB2.0は、その充実した機能性から幅広いシーンで使用されます。日常的な例としては、デジタルカメラや外部ストレージに保存されたデータをパソコンに転送したり、プリンタで文書を印刷したりするために接続するなど、多岐にわたります。

また、USBハブを用いて複数のデバイスを接続することもでき、作業効率を向上させる助けとなっています。

その他にも、ゲームコントローラーやオーディオインターフェース、モバイルデバイスの充電などにも使用されており、その汎用性から今もなお多くのデジタルデバイスに採用されています。

USB2.0とUSB3.0のデータ転送速度

デジタルデバイス間でデータの移動を行う際、データ転送速度は非常に重要な要素となります。今回はUSB2.0とUSB3.0のデータ転送速度について詳しく見ていきましょう。


USB3.0とは? わかりやすく10分で解説 | ネットアテスト

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USB2.0のデータ転送速度

USB2.0の規格上のデータ転送速度は480Mbpsとされています。これは理論上の最大値で、実際のデータ転送速度には多数の要素が影響を与えます。それらにはCPUの性能・OSの種類・対応ソフトウェアの種類などが含まれます。

USB3.0のデータ転送速度

一方、USB3.0の規格上のデータ転送速度は5Gbps(5000Mbps)となっており、USB2.0に比べて約10倍の速度を実現できます。しかし、これも理論上の値で、実際のデータ転送速度はUSBポートや接続機器等の環境によって変動します。

二つの規格の速度比較

USB2.0とUSB3.0のデータ転送速度を比較すると、USB3.0の速度はUSB2.0の約10倍です。しかし実際の転送速度は、使用環境や接続機器の性能によって、USB2.0の2倍〜3倍程度となる場合もあります。

速度差がユーザーに与える影響

この転送速度の違いはどのような影響をユーザーに与えるのでしょうか。大量のデータ転送を行う際には、速度が遅いUSB2.0よりもはるかに早いUSB3.0の方が便利です。また、映像や音声のストリーミング転送においては、データ転送速度が大きく影響します。USB3.0を用いることで、バッファリング無しでの快適に視聴できます。

USB2.0とUSB3.0のコネクタの違い

「データを転送する速度を上げたい」「新しくPCを購入したときに対応するコネクタが分からない」そんな疑問を持つ方も少なくないでしょう。そこで、この章ではUSB2.0とUSB3.0のコネクタの違いを詳しく解説します。

USB2.0とUSB3.0では、コネクタの形状だけでなく色の違いからもUSB規格を判別することが可能です。

USB Aコネクタの違い

最初にUSB Aコネクタの違いについて解説します。USB Aコネクタは、PCなどのホスト側に接続するための部分であり、USB3.0ではこの部分の色が青色になっています。これに対し、USB2.0のAコネクタは白色です。

色だけでなく形状についても違いがあります。USB3.0のAコネクタは2.0よりもやや厚みがあり、接点が増えています。

このように、Aコネクタには規格ごとに特徴がありますので、見分ける際にはこれらの特徴を参考にしましょう。

USB Bコネクタの違い

次にUSB Bコネクタについて説明します。USB Bコネクタは、主にプリンタやスキャナーなどと接続する際に使用します。USB3.0のBコネクタは、形が2段の台形に似た形状になっているのが特徴です。

一方、USB2.0のBコネクタは、USB3.0とは異なり、一部分で細くなっている矩形の形状をしています。そのため、形状だけでなく、配列の違いからもUSB3.0とUSB2.0のBコネクタを見分けることができます。

USB3.0対応のBコネクタは、USB2.0のBコネクタには接続できないことに注意が必要です。

コネクタ色の意味

USBのコネクタやポートの色は、その規格を示しています。USB3.0は青色、USB2.0は白または黒色となっており、これにより容易に規格を判別できます。

ただし、全てのメーカーがこれらの色規定を順守しているわけではなく、例外も存在します。そのため、色だけでなく他の特性もチェックし、確認してください。

また、紛らわしい状況を避けるためにも、新しいUSBデバイスを購入した際は、パソコンのUSBポートが青い場合、それはUSB3.0対応を示すと覚えておくと便利です。

コネクタ選びのポイント

コネクタを選ぶ際の最も重要なポイントは、自分のデバイスがどの規格に対応しているかを確認することです。規格が違えば、当然ながら正常に動作しない可能性があります。

特に、USB3.0の高い転送速度を活用するためには、接続される全てのデバイスとケーブルがUSB3.0に対応している必要があります。たとえ一部のデバイスがUSB2.0だとしても、最終的な転送速度はUSB2.0になってしまいます。

最後に、USB3.0は2.4GHz帯(Wi-Fi、Bluetoothなど)に干渉する可能性があるため、高周波ノイズに敏感なデバイスの近くで使用する際は注意が必要です。

USB2.0とUSB3.0の互換性と注意点

互換性の概要

USB3.0とUSB2.0は互換性がありますが、そのままではUSB3.0の特性をフルに活用することはできません。理由は、USB3.0の特性を最大限に生かすためには、パソコン・接続機器・ケーブルすべてがUSB3.0対応であることが必要なからです。

したがって、USB2.0対応のデバイスやケーブルを使用した場合、データ転送速度はUSB2.0の範囲内となります。

また、USB3.0は逆向き互換性も保持しています。これは、USB3.0対応の機器でもUSB2.0ケーブルを通じて接続できるという意味です。

互換性の限界

それではUSB3.0の接続ポートでUSB2.0のデバイスやケーブルを使用した場合、どのような限界が存在するのでしょうか。その答えは、転送速度に制限が生じることです。

具体的には、USB3.0の理論値である5Gbpsではなく、USB2.0の最高転送速度である480Mbpsが上限となります。これはUSB2.0とUSB3.0でのデータ転送速度の差異が要因です。

また、USB3.0ケーブルはUSB2.0のBタイプコネクタには接続できないという互換性の限界も存在します。

接続機器とケーブルの注意点

USB3.0対応の接続機器やケーブルを使用する際には、相互互換性により一部の性能が制限される可能性があることを認識しておくことが重要です。

最大のデータ転送速度を得るためには、接続するパソコン、接続機器、ケーブルがすべてUSB3.0をサポートしていることが必要です。

また、ケーブルに関して言えば、一部のUSB3.0対応ケーブルはUSB2.0のBタイプコネクタには接続できない可能性がある点も留意してください。

高周波ノイズとその影響

USB3.0には、高周波ノイズが発生する可能性があります。このノイズは2.4GHz帯(Wi-Fi、Bluetooth等)と同じ周波数帯を使用し、これらの通信方式に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、高速なデータ転送を求めるUSB3.0の使用中は、Wi-FiやBluetoothを利用する機器との位置関係等に注意が必要です。

これらの現象は、USB3.0の特性によるものであり、避けられない側面もあります。使用上の不便さを感じる場合は、USB2.0を使用するなど、使用環境を見直すことも検討してみてください。

USB2.0からUSB3.0への移行

USB2.0からUSB3.0への移行を考えている方も多いでしょう。USB3.0はUSB2.0の10倍のデータ転送速度をもたらしますが、移行には慎重な準備と理解が必要です。以下、移行のメリットやデメリット、必要な機器の選び方や考慮すべきポイント、移行におけるトラブルとその対策について詳しく解説します。 

移行のメリットとデメリット

メリットとして一番大きいのは、前述の通りデータ転送速度の向上です。480MpbsのUSB2.0と比較して、USB3.0は理論上5Gbpsという圧倒的なスピードを誇ります。この数値は理論値で、実際はシステムや環境により若干低下しますが、USB2.0を大きく上回ることには変わりありません。 一方、デメリットとしては、USB3.0機器やケーブルのコストが挙げられます。一般的にUSB3.0対応機器はUSB2.0よりも高価です。また、USB3.0対応のケーブルは異なる形状をしており、USB2.0のものはそのまま使用することができません。 

必要な機器とケーブルの選び方

USB3.0への移行をするにあたって必要となるのは、USB3.0対応のパソコン、接続機器、ケーブルの3つです。USB3.0の転送速度を実現するにはこれらすべてがUSB3.0対応である必要があります。また、USB3.0Aコネクタを視覚的に識別するためには、内側が青いことを確認します。 一方、USB3.0 Bコネクタは、USB2.0とは形状が異なることを覚えておきましょう。USB3.0のBコネクタは2段の台形に似ており、USB2.0のBコネクタと配線パターンが異なるため、The backward compatibility is not guaranteed. 

移行時に考慮すべきポイント

USB3.0は高速で大量のデータを処理する能力を持つ一方で、2.4GHz帯(Wi-Fi、Bluetooth等)の信号に影響を及ぼす高周波ノイズを発生させる可能性があります。したがって、USB3.0デバイスを使用する際は、無線信号の質に気をつける必要があります。特に、Wi-Fi接続でのインターネット速度が遅くなったり、Bluetoothの接続が不安定になったりする場合は注意が必要です。 

移行におけるトラブルと対策

USB2.0からUSB3.0への移行時には、稀に接続ができない、データ転送速度が思うように出ないなどのトラブルが発生することがあります。これらの問題は主にドライバの不具合や設定のミスによるもので、最新のドライバをインストールする、設定を見直すなどの対策を行うことで解消できます。また、ケーブルがUSB3.0に対応していない、機器がUSB3.0をフルにサポートしていないなどのハードウェア的な問題も考えられますので、必要に応じて適切なケーブルや機器を選択することも重要です。 

まとめ

充電機能やデータ転送機能を備えたUSBは現代生活に欠かせない技術です。特にUSB2.0とUSB3.0は、共に幅広い機器で使用されており、その違いを理解することは利便性と効率性を最大化するために重要となります。ここでは、それぞれの規格による使い分けをデータ転送速度や接続機器、費用対効果の観点から明確にします。

データ転送速度による使い分け

USB2.0の規格上の転送速度は480Mbpsで、ウェブサーフィンや一部のゲームなどの通常使用には充分なスピードを提供します。しかし、大量のデータを短時間で転送する必要がある場合、たとえば動画編集やプロの写真家などはUSB3.0の転送速度が倍増の5Gbpsという高速性により、作業効率が向上します。

接続機器やケーブルによる使い分け

接続機器やケーブルによる使い分けも重要な要素となります。USB3.0のケーブルは、USB2.0には物理的に接続できない場合があります。また転送速度を生かすためにはパソコン、接続機器、ケーブル全てがUSB3.0対応であることが不可欠です。

費用対効果からの使い分け

USB2.0とUSB3.0には価格差があります。USB3.0の方が高速ですが、価格が若干高くなる傾向があります。したがって、データの転送速度が特に重要でない場合、USB2.0を選ぶとより経済的であるかもしれません。

USB規格の今後

USB技術は日々進化しています。例えば、USB4.0が登場し、その転送速度はなんと最大40Gbpsと予測されています。より高速なデータ転送が求められる未来に備えて、USBの新たな技術についてもウォッチしていきましょう。

それぞれのUSB規格は異なるユーザーの需要を満たすように設計されています。適切な使い分けにより作業効率や快適性を向上することが可能です。



記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム