
商用DHCPでインターネット回線の安定化を実現。「ProDHCP」 開発の背景や従来のDHCPとの違いに迫る|NetAttest20周年特別企画
- DHCP/DNS
はじめに
ソリトンシステムズのオールインワン認証アプライアンス「NetAttest EPS」と、シスコシステムズ社製 無線LANアクセスポイント 「Cisco Meraki MR36」を連携させ、エンタープライズ方式による認証が可能かを確認しました。
無線接続クライアントは、Windows、macOS、iOS、Android OS 搭載端末で、確認した認証方式はパスワード方式(EPS-PEAP)及び、電子証明書認証方式(EAP-TLS)です。
以下の環境を構成します。
製品名 | メーカー | 役割 | バージョン |
NetAttest EPS-SX15A-A | ソリトンシステムズ | RADIUS/CAサーバー | 5.0.4 |
MR36 | Cisco | RADIUSクライアント (無線アクセスポイント) | MR 28.7.1 |
NetAttest D3-SX15-A | ソリトンシステムズ | DHCPサーバー | 5.2.10 |
Lenovo X390 | Lenovo | 802.1Xクライアント (Client PC) | Windows 10 64bit Windows 標準サプリカント |
MacBook Pro | Apple | 802.1Xクライアント (Client PC) | 12.5.1 (macOS Monterey) |
iPhone SE (2nd generation) | Apple | 802.1Xクライアント (Client SmartPhone) | 15.6.1 |
Pixel 5 | 802.1Xクライアント (Client SmartPhone) | 13 |
IEEE802.1X EAP-TLS/EAP-PEAP
機器 | IPアドレス | RADIUS port (Authentication) | RADIUS Secret (Key) |
NetAttest EPS-SX15A-A | 192.168.1.2/24 | UDP 1812 | secret |
MR36 | 192.168.1.1/24 | secret | |
NetAttest D3-SX15-A | 192.168.1.3/24 | ー | ー |
Client PC | DHCP | ー | ー |
Client SmartPhone | DHCP | ー | ー |
NetAttest EPSのセットアップを下記の流れで行います。
NetAttest EPSの初期設定はLAN1から行います。初期のIPアドレスは「192.168.1.2/24」です。管理端末に適切なIPアドレスを設定し、Google Chrome もしくは Microsoft Edgeから「https://192.168.1.2:2181」にアクセスしてください。
サービス管理ページにログイン後、システム初期設定ウィザードを使用し、以下の項目を設定します。
ログイン後に表示される画面より、「セットアップをはじめる」→「すすめる」→「はじめる」と進み、初期設定ウィザードの「システム」に関する設定を行います。
ここからは、システム初期セットアップウィザードの「システム-2」に関する設定を行います。
OS再起動が完了後、再度サービス管理ページにアクセス及びログインし、サービス初期設定ウィザードを使用して、以下の項目を設定します。
画面上部に「httpsサービスを再起動する」ボタンを選択し、httpsサービスの再起動を行います。
httpsサービスを再起動するとページの再読み込みを求められるため、ページの再読み込みを行います。
サービス管理画面の「管理」メニューにて「RADIUS認証」でフィルタリングし、「NAS/RADIUSクライアント」を選択します。表示された画面で「新規登録」ボタンを選択し、RADIUSクライアントの登録を行います。
サービス管理画面の「管理」メニューにて「利用者とデバイス」でフィルタリングし、「利用者一覧」を選択します。表示された画面で「新規登録」ボタンを選択し、利用者登録を行います。
サービス管理画面より、クライアント証明書の発行を行います。[利用者一覧]ページから該当する利用者のクライアント証明書を発行します。
(クライアント証明書は、user01.p12という名前で保存)
MR36の設定はクラウド上の管理ページであるMerakiダッシュボード
「http://dashboard.meraki.com」 から行います。
ここでは以下の項目を設定します。
MR36はデフォルトではDHCPにてIPアドレスを取得する設定となっています。
ここではIPアドレスの固定方法としてDHCPによる静的割り当てと、MerakiダッシュボードにAP登録後のMerakiダッシュボードによる静的割り当ての方法を紹介します。
「http://192.168.1.3:2182」にアクセスし、D3の管理画面にログインします。「DHCP」-「スコープ」から「+」をクリックし、スコープを追加します。
今回は、端末に払い出すIPアドレスを「192.168.1.4-99」にするため、以下のように設定します。
設定後、「追加」をクリックします。
MR36のMACアドレスにIPアドレスを静的に割当てます。
MACアドレスは筐体裏面に記載されています。
「DHCP」-「静的割り当て」から「+」をクリックし、IPアドレスの静的割り当てを行います。
設定値を入力後、「追加」をクリックします。
「DHCP」-「サーバー状態」から「起動」ボタンを押し、DHCPサーバーを起動します。
「http://dashboard.meraki.com」にアクセスし、Merakiダッシュボードにログインします。
「ネットワーク」より該当するネットワークを選択後 、「ワイヤレス」-「アクセスポイント」を選択します。
筐体裏面のシリアル番号、MACアドレスを確認します。
確認したシリアル番号、MACアドレスに一致した機器にチェックを行い、「アクセスポイントを追加する」をクリックします。
画面上部に変更が保存された旨のアナウンスが表示されます。
「ワイヤレス」-「アクセスポイント」の画面に戻り、アクセスポイントが追加されたことを確認します。
APがダッシュボードに接続された後は、ダッシュボードでIPアドレスを固定することも可能です。ここではダッシュボードでのIPアドレス固定方法を紹介します。
「ワイヤレス」-「アクセスポイント」の画面から追加されたアクセスポイントをクリックします。
SSIDの設定を行います。
「ワイヤレス」-「アクセス制御」をクリックし、SSIDの設定画面へ移動します。
「ワイヤレス」-「アクセスポイント」の画面に移動し、アクセスポイントがオンラインになっていれば設定は完了です。
PCにクライアント証明書をインポートします。ダウンロードしておいたクライアント証明書(user01.p12)をダブルクリックすると、証明書インポートウィザードが実行されます。
Windows標準サプリカントでTLSの設定を行います。
[ワイヤレスネットワークのプロパティ] の [セキュリティ] タブから以下の設定を行います。
PCにデジタル証明書をインポートします。
「キーチェーンアクセス」を起動し、[デフォルトキーチェーン] - [ログイン]を選択後、PKCS#12ファイルをドラッグ&ドロップし、PKCS#12ファイル のパスワードを入力します。
インポートしたCA証明書の信頼設定を変更します。
インポートしたCA証明書をダブルクリックし、[信頼] - [この証明書を使用するとき]の項目で「常に信頼」に変更します。
ウィンドウを閉じると、パスワードを求められるため、端末(Mac)に設定しているパスワードを入力し、「設定をアップデート」を選択します。
参考)
CLIコマンドを利用して、PKCS#12ファイルをインポートすることも可能です。
PKCS#12ファイルをデスクトップ上へ保存し、ターミナルで以下のコマンドを入力します。
security import /Users/<ログインユーザーID>/Desktop/<証明書ファイル名> -k /Users/<ログインユーザーID>/Library/KeyChains/Login.keychain-db –f pkcs12 –x |
※V11.6.6(macOS Big Sur)及びV12.5(macOS Monterey)で確認したところ、コマンドラインからエクスポート禁止オプション("-x")を設定してインポートしても、キーチェーアクセスから秘密鍵をエクスポート出来てしまうようです。
なお、ソリトンシステムズの証明書配布ソリューションであるEPS-apを利用してクライアント証明書をインポートした場合は、秘密鍵のエクスポートは不可の状態となります。
Mac標準サプリカントでTLSの設定を行います。
メニューバーのネットワークのアイコンをクリックして、「“ネットワーク“環境設定…」をクリックし、以下の設定を行います。
NetAttest EPSから発行したクライアント証明書をiOSデバイスにインポートする方法には下記などがあります。
いずれかの方法でCA証明書とクライアント証明書をインポートします。本書では割愛します。
MR36で設定したSSIDを選択し、サプリカントの設定を行います。
まず、「ユーザ名」には証明書を発行したユーザーのユーザーIDを入力します。次に「モード」より「EAP-TLS」を選択します。その後、「ユーザ名」の下の「ID」よりインポートされたクライアント証明書を選択します。
※初回接続時は「信頼されていません」と警告が出るので、「信頼」を選択し、接続します。
NetAttest EPSから発行したクライアント証明書をAndroidデバイスにインポートする方法として、下記3つの方法等があります。いずれかの方法でCA証明書とクライアント証明書をインポートします。手順については、本書では割愛します。
※1 メーカーやOSバージョンにより、インポート方法が異なる場合があります。事前にご検証ください。
※2 メーカーやOSバージョン、メーラーにより、インポートできない場合があります。事前にご検証ください。
※3 メーカーやOSバージョンにより、Soliton KeyManagerが正常に動作しない場合があります。事前にご検証ください。
Android 13では証明書インポート時に用途別に証明書ストアが選択できますが、本書では無線LANへの接続を行うため、クライアント証明書は「Wi-Fi証明書」を選択しています。
MR36で設定したSSIDを選択し、サプリカントの設定を行います。
「ID」には証明書を発行したユーザーのユーザーIDを入力します。CA証明書とユーザー証明書はインポートした証明書を選択して下さい。
[ワイヤレスネットワークのプロパティ] の「セキュリティ」タブから以下の設定を行います。
Mac標準サプリカントでTLSの設定を行います。
メニューバーのネットワークのアイコンをクリックして、「“ネットワーク“環境設定…」をクリックし、以下の設定を行います。
MR36で設定したSSIDを選択し、サプリカントの設定を行います。「ユーザ名」、「パスワード」には「2-6 利用者の登録」で設定したユーザーID、パスワードを入力してください。
※初回接続時は「証明書が信頼されていません」と警告が出るので、「信頼」を選択し、接続します。
MR36で設定したSSIDを選択し、サプリカントの設定を行います。「ID」「パスワード」には「2-6 利用者の登録」で設定したユーザーID、パスワードを入力してください。「CA証明書」にインポートしたCA証明書を選択してください。
EPSのRADIUS認証ログは、サービス管理画面の「管理」メニューにて「ログ」でフィルタリングし、「RADIUS認証ログ」を選択することで確認可能です。
EAP-TLS認証が成功した場合のログ表示例 | ![]() |
EAP-PEAP認証が成功した場合のログ表示例 | ![]() |
MR36のログは、ダッシュボードの「ワイヤレス」-「アクセスポイント」から該当の機器を選択し、「イベントログ」タブから確認可能です。
また、「フルイベントログを参照」をクリックするとより詳しい情報が確認可能です。
EAP-TLS認証が成功した場合のログ表示例 | ![]() |
EAP-PEAP認証が成功した場合のログ表示例 | ![]() |
ソリトンシステムズのオールインワン認証アプライアンス「NetAttest EPS」と、シスコシステムズ社製 無線LANアクセスポイント 「Cisco Meraki MR36」を連携させ、エンタープライズ方式による認証が可能であることを確認しました。
今回の連携検証は、最もシンプルな構成で行っています。
企業ネットワークへの導入を検討するにあたっては、無線アクセスポイントの各種機能の評価も必要になります。より実環境に近い構成での確認をお奨めします。
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