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ファイアウォールとは? わかりやすく10分で解説

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目次

ファイアウォールと情報セキュリティの理解

ファイアウォールとは何か

ファイアウォールは、企業や組織内のネットワークとインターネットとの間に設置される防火壁のような概念です。主要な役割は、内部のネットワークに接続されたデバイスやサーバーを不正アクセスやサイバー攻撃から守ることです。

ファイアウォールがどのように動作するかというと、内部のネットワークとインターネットなどの外部のネットワークとの間に位置し、許可された通信のみを通過させ、許可されない通信は遮断します。

特に最近では、標的型攻撃などのサイバー攻撃が急増していることから、ファイアウォールという防火壁の役割がますます重要になってきています。

情報セキュリティとの関連性

情報セキュリティとファイアウォールの関連性は、ファイアウォールが情報セキュリティの一部分を担当しているという点で見受けられます。情報セキュリティはビジネス継続や個人情報の保護といった観点で重要な存在であり、その中でファイアウォールは必要不可欠な防御策となります。

情報セキュリティ全体としては、ファイアウォールだけではなく、その他の防御策も必要だということになります。しかし、異なるセキュリティ対策の中で、ファイアウォールは最初の防御線と言えるでしょう。

なぜなら、ファイアウォールは、予め設定されたルールに基づきインバウンド・アウトバウンドの通信を制御し、必要な通信のみを許可し、必要ではない通信を遮断してセキュリティの確保に貢献するからです。

ファイアウォールの役割と重要性

ファイアウォールの主な役割は、不正なネットワーク通信を遮断し、企業や組織の重要な情報資産を保護することです。また、遠隔操作や監視機能によって、遠隔地からもセキュリティ状態を把握し、必要に応じた対策を講じられます。

ファイアウォールの重要性は、現代の情報社会においてどんなに安全対策を進めてもセキュリティリスクが0になることはありえないという現実に直面したときに特に明確になります。

ファイアウォールは、このセキュリティリスクを最小限に抑えるために、不正な通信を遮断し、安全な通信だけを通過させるという重要な役割を果たします。

ファイアウォールの歴史と発展

ファイアウォールの考え方は、インターネットが誕生したときから存在しています。インターネットの普及に伴い、企業や組織がインターネットと内部ネットワークをつなげることで、不正アクセスのリスクが高まったためです。

その後、インターネットの利用が増え、サイバー攻撃が増加するにつれて、ファイアウォールの技術も進化を続けています。初期のファイアウォールは、単純なパケットフィルタリング型のものが主流でしたが、現在ではステートフル検査型や適応型などの高度なファイアウォールが登場しています。

これからも、情報社会の発展とともに新たな脅威が現れるたびに、ファイアウォール技術も進化を続けることが予想されます。

ファイアウォールの構造と種類

今日、私たちのネットワークセキュリティを維持するために必要不可欠な一要素としてファイアウォールがあります。このセクションでは、ファイアウォールの基本構造と主要な種類について詳しく説明します。

ファイアウォールの基本構造

ファイアウォールは基本的に、企業や組織の内部ネットワークとインターネットなどの外部ネットワークという二つのネットワーク間に位置しています。その目的は、特定の通信のみを通過させ、それ以外の通信を遮断することにより、内部ネットワークを外部からの不正アクセスやサイバー攻撃から保護することです。 しかし、単に通信をフィルタリングするだけでなく、ファイアウォールにはさまざまな高度な機能があります。例えば、遠隔操作や監視のための機能、IPアドレスの変換機能などがあります。

パケットフィルタリング型ファイアウォール

パケットフィルタリング型ファイアウォールは、通信の単位であるパケットを個々に検査し、各パケットが特定の条件に当てはまるかどうかに基づいて通過を許可するかどうかを決定します。具体的な条件としては、送信元や宛先のIPアドレス、通信プロトコル、ポート番号などがあります。 このタイプのファイアウォールは、リソースの消費が少なく、ネットワークのパフォーマンスに大きな影響を与えることなく高速に動作する点で優れています。なお、パケットフィルタリング型ファイアウォールには、スタティック型、ダイナミック型、ステートフル型の3つの種類があります。

アプリケーションゲートウェイ型ファイアウォール

アプリケーションゲートウェイ型ファイアウォールは、プロキシサーバーを介して通信を監視し、その内容に基づいて通信の許可または禁止を決定します。これにより、内部のコンピューターが外部のネットワークと直接通信するのではなく、ファイアウォールが仲介役を果たすことで、高度なセキュリティを提供できます。 ただし、各通信の内容を詳細に検査するため、パケットフィルタリング型と比べてリソースの消費が大きく、ネットワークのパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。

サーキットレベルゲートウェイ型ファイアウォール

サーキットレベルゲートウェイ型ファイアウォールは、TCPやUDPなどの通信セッションを監視し、通信開始から終了までの全体的な流れに基づいて通信の許可または禁止を決定します。 このタイプのファイアウォールは、通常、パケットフィルタリング型とアプリケーションゲートウェイ型の中間的な位置付けにあり、詳細な内容検査と高速な動作のバランスを取りながら、安全性と効率性を両立させることが目指されています。

ファイアウォールの活用と配備

デジタル情報保全において、ファイアウォールの配置と適切な管理は欠かせません。このセクションでは、その詳細を具体的に見ていきましょう。

企業の情報システムに求められる要素の一つが、セキュリティの強化であり、これにファイアウォールが大いに貢献します。設定法や選定基準、最適なメンテナンスについても触れていきます。

セキュリティ対策の一部として、ファイアウォールの存在は必須です。しかし、それだけでなく、適切な使用と管理も重要であるということを念頭においてください。

企業におけるファイアウォールの配置と利用

企業のネットワーク環境において、ファイアウォールは通常、企業ネットワークとインターネットとの接続点に配置されます。その目的は、不正アクセスやサイバー攻撃から企業資源を保護することです。

ほとんどの場合、インターネット接続を行うルーターの直後、つまり内部ネットワークの入り口に配置されます。昨今の標的型攻撃の増加を鑑みると、適切な配置と活用がますます重要となってきています。

ファイアウォールはさまざまな形状とサイズで提供されており、大企業の大規模ネットワークから小規模企業の僅かな通信まで、あらゆる需要を満たすことができます。

ファイアウォールの選定基準

ファイアウォールの選定は、企業のニーズと予算に基づいて行われます。汎用性、セキュリティレベル、コストパフォーマンス、そしてメンテナンスといった要素が考慮されます。

また、必要に応じて特定の機能を持つものを選ぶことも可能です。たとえば、Webアプリケーションの保護に特化したWAF(Web Application Firewall)などがその一例です。

重要なのは企業の具体的な要件に適合するものを選ぶことです。これには、ネットワークの規模や複雑さ、保護したいリソース、法則制などが影響します。

ファイアウォールの設定と管理

ファイアウォールが適切に機能するためには、適切な設定が必要です。設定には、通過可能な通信の種類、ブロックする通信、通信の優先順位などが含まれます。

さらに、ファイアウォールは定期的な管理も必要とします。これは、新たな脅威や変化するビジネスニーズに対応するためです。

管理は場合によっては専門的な知識を必要とするため、必要に応じて外部の専門家に委託することも一つの選択肢です。

ファイアウォールの最適な更新とメンテナンス

ファイアウォールの運用には、定期的な更新とメンテナンスが必須です。これには、セキュリティパッチの適用や設定の見直しなどが含まれます。

また、新しい脅威情報に基づいて適切にフィルタリングルールを更新することも重要です。

ベンダーから提供される更新プログラムを定期的に適用する事が重要であり、それにより新たな脅威からも保護されます。

他のセキュリティの組み合わせ

ファイアウォールを理解することで、情報セキュリティの一片が見えてくるものです。だからといって、これだけで攻撃を防ぐことは難しいです。そのため、他のセキュリティ手段と組み合わせる必要があるのです。

ここで言いたいのは、セキュリティ対策は多層になっているべきという事です。一つの壁を突破しても、次の壁が待っている。そのことで侵入者を遅らせ、検知する時間を稼ぐのです。

以降では、具体的にどのようなセキュリティと組み合わせるべきかを説明します。それぞれの手法がどのように補完し合うかを見ていきましょう。

IDSやIPSとの関連性

ファイアウォールと一緒にIDSやIPSも一般的に使用されるセキュリティソリューションです。ファイアウォールは未許可の通信を遮断しますが、IDSとIPSはパケットの内容に重点を置いて監視します。

IDSは侵入検知システムを指し、インフラの異常な挙動や攻撃パターンを検出します。一方、IPSは侵入防止システムを指し、不正なパケットを検出すると即座に遮断します。

したがって、それぞれの貢献する領域で補完しあい、セキュリティ防衛の前線を堅牢にするという効果を生み出します。

WAFとファイアウォールの違いと共通点

WAFとはWebアプリケーションファイアウォールのことで、こちらもファイアウォールと組み合わせて使われます。WAFはWebアプリケーションの脆弱性をねらった攻撃から防御します。

WAFとファイアウォールの主な違いは、対象となる攻撃の種類にあります。ファイアウォールは、通信そのものを制限するのに対し、WAFは特定のアプリケーションに対する脆弱性を狙った攻撃を防ぎます。

どちらも攻撃のブロックに問題があれば、企業のネットワークを保護するという役割を担っています。したがって、これらを組み合わせることで、セキュリティの全体像をカバーすることが可能になります。

他のセキュリティ対策とのシナジー

ファイアウォール以外にも、エンドポイント保護(EPP)、セキュリティ情報イベント管理(SIEM)、マルウェア対策など、多様なセキュリティ対策が存在します。

これらをファイアウォールと組み合わせると、各対策が補完し合うため、全体のセキュリティ効果を高めることが可能です。単体では攻撃を食い止めきれない場合でも、これらが連携することで成功率を大幅に上昇させます。

全体として組織のセキュリティを考慮するなら、組織全体での対策としてシステムレベルでの対応が必要です。同時に、各セキュリティ対策を巧妙に選び、それぞれの最適な構成と整備を行う必要もあります。

複数のセキュリティレイヤーの重要性

多層防御はシステムやデバイスを保護する最も効果的な手段の一つです。この手法は、各重要なレイヤーが独立して保護されているという考え方に基づいています。

例えば、ルーターに設定されたファイアウォールが第一の防衛ラインとなり、その後ろにはセキュリティWi-Fi、エンドポイント防御、サーバーファイアウォールなどの追加の防御ラインが配されるという具体的なイメージです。

各レイヤーが独立に保護されているため、1つのレイヤーが侵害されたとしても、他のレイヤーは引き続き保護を継続します。これにより、データが一部侵害された場合でも、全体への影響を最小限に留めることができます。

ファイアウォールと情報セキュリティの今後

最近のサイバーセキュリティの状況を鑑みると、ファイアウォールは依然として重要な役割を果たしています。

現代のサイバー攻撃に対するファイアウォールの対応

近年増加する標的型攻撃やソフトウェアの脆弱性をついた攻撃など、現代のサイバー攻撃は複雑で狡猾になってきました。このような状況下で、ファイアウォールは企業ネットワークを守る防火壁としての役割を一層強化しなければなりません。

その一方で、ファイアウォールだけでは不十分であり、他の防御メカニズム(例えば、侵入検出システムやウェブアプリケーションファイアウォール)と組み合わせる必要があります。

臨機応変に策を練り、状況に合わせて適切な対応をとることが求められています。

ファイアウォールのネクストステップ

新しい脅威に対応するため、ファイアウォールの進化も求められています。

例えば、従来のパケットフィルタリングから、より高度なインテリジェントなフィルタリングに進化することが考えられます。これにより、より高度かつ狡猾な攻撃を防ぐことができます。

また、クラウドベースのファイアウォールAIを利用したファイアウォールなど、新しい技術の活用も見逃せません。

集合的な情報セキュリティ戦略の重要性

最も重要なのは、ファイアウォールを含む情報セキュリティ対策の組み合わせを考えることです。これは集合的防御、または防御深度とも言われます。

サイバー攻撃者が一つの防壁を突破しても、他の防壁が待っているという状況を作り出すことで、全体としての防御力を高めることができます。

また、異なる種類の防御策を組み合わせることで、様々な種類の攻撃に対応できるようになります。

ファイアウォールとAI・MLの組み合わせの可能性

AI(人工知能)やML(機械学習)を利用したファイアウォールの開発が進んでいます。

これらの技術は、未知の攻撃を予測し防ぐ能力を持ち、既存のファイアウォールの機能を大きく強化する可能性があります。

しかし、AI・MLを利用したファイアウォールもまた新たな脅威を引き起こす可能性があるため、その開発と導入は慎重に行う必要があります。

まとめ

ファイアウォールは情報セキュリティの基盤であり、最初に考慮すべき存在です。しかし、その存在だけで十分なセキュリティを確保することは不可能です。より広範で総合的な視点を持つことが重要となります。

企業や組織は、独自の情報インフラストラクチャを保護するために、ファイアウォールを設置してきました。しかし、サイバー攻撃の高度化に伴い、ファイアウォールだけではなく、より多面的なセキュリティ対策を講じる必要があります。

ここでは、より確固とした情報セキュリティ推進のためにファイアウォールをどのように活用すれば良いか、また、ファイアウォールと情報セキュリティの相互関係について深く掘り下げていきます。

ファイアウォールをより積極的に活用するために

ファイアウォールは、ネットワークの入り口であることから、強力なセキュリティを提供することができます。しかし、それをフル活用するためには、その機能を理解し、適切に設定することが重要です。

例えば、フィルタリング機能を有効に使用すれば、不正なパケットの流入を防ぐことができます。また、遠隔操作/監視機能により、リアルタイムでのネットワーク監視や管理を遠隔地から行うことが可能です。

上記のようなファイアウォール技術をいかにデプロイし、適切に管理するかが大切です。私たちは細部にまで注意を払いながら、情報セキュリティ対策を進めることが求められます。

一貫した情報セキュリティの推進

ファイアウォールの設置だけでなく、組織全体での情報セキュリティ強化が必要となります。人間の手による誤操作や意図的な内部攻撃に対処するために、適切な教育や訓練が重要となります。

また、情報セキュリティポリシーを策定し、それを遵守する体制を整えることも必要です。それにより、ファイアウォールだけでなく、ネットワーク全体で堅牢なセキュリティ環境を構築することができます。

情報セキュリティは継続的なプロセスであり、定期的なモニタリングと評価が必要となります。そのためにも、ファイアウォールの活用と一貫したセキュリティ推進に取り組むべきです。

最終的な視点:ファイアウォールと情報セキュリティ

情報セキュリティを確保するためには、ファイアウォールの活用だけでなく、IDSやIPS、WAFなど、他のセキュリティツールも適切に活用する必要があります。これらは互いに補完的な役割を果たし、一緒に働きます。

ファイアウォールは基本的な保護を提供しますが、その他のツールは特定の攻撃方法に対処します。例えば、WAFはWebアプリケーションの脆弱性を攻撃から守り、IDSとIPSはパケットの内容を検査して不正を検出します。

したがって、ファイアウォールと情報セキュリティは互いに切り離せない関係にあります。ファイアウォールの適切な活用と情報セキュリティ全体の推進が連携し、効果的なセキュリティ対策を実現します。

ファイアウォールの継続的な影響

ファイアウォールと情報セキュリティは、組織のデジタル情報保護にとって重要な役割を果たし続けています。そして、その関係性と相互作用は時間と共にデジタル環境によって進化します。

新たな脅威が出現し、セキュリティ技術が進化するにつれて、ファイアウォールと他の情報セキュリティ手段の重要性は増してきます。それらは互いに結びつきながら、情報を保護します。

情報セキュリティの道は終わりません。新たなリスクと攻撃への対策が求められる一方で、ファイアウォールと総合的な情報セキュリティ対策こそが組織のデジタル領域を保護するのです。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム