IT用語集

テレワークセキュリティガイドライン・チェックリストの要点を整理

水色の背景に六角形が2つあるイラスト 水色の背景に六角形が2つあるイラスト
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目次

総務省のテレワークセキュリティガイドラインは、企業がテレワークを導入・運用するときに、方式ごとのリスクと共通対策を整理するための公的資料です。先に結論を示すと、考え方と判断の前提を把握したいときはガイドライン、未対応項目を確認したいときはチェックリストから読むと整理しやすくなります。

資料の違いも先に押さえる必要があります。ガイドラインは、方式の違い、リスクの捉え方、役割分担、共通対策を理解するための資料です。中小企業等担当者向けテレワークセキュリティの手引き(チェックリスト)は、テレワーク方式を確認したうえで、未対応の項目を洗い出すための資料です。公的資料だけでは社内判断へ移しにくい場合は、テレワークセキュリティの基本テレワーク方式の比較テレワーク方式の選び方のような実務記事で補うと、社内説明や方式選定へつなげやすくなります。

ガイドライン考え方、方式差、役割分担、共通対策を整理したいときに読む
チェックリスト自社方式を確認し、未対応の項目を洗い出したいときに使う
実務記事公的資料の内容を自社の運用、比較、選定の判断へ結び付けたいときに補助として使う

ガイドラインとチェックリストの違い

ガイドラインとチェックリストは、役割が重なっているように見えて、読む目的が異なります。順番を誤ると、考え方だけで終わるか、形式的な確認だけで終わるかのどちらかになりやすくなります。

ガイドラインが適している場面

ガイドラインは、方式ごとの差、共通対策、役割分担をまとめて確認したい場面に適しています。例えば、VPNを使うのか、リモートデスクトップ方式を使うのか、VDI方式を使うのかで、端末にデータが残るか、社内システムへの接続方法がどう変わるかは異なります。そうした差を確認せずにチェックリストだけを使うと、なぜその対策が必要なのかを説明しにくくなります。

チェックリストが適している場面

チェックリストは、何から着手するかを整理したい場面に適しています。特に、専任のセキュリティ担当者がいない中小企業では、広範な考え方を読む前に、自社方式に対応する項目から確認したほうが着手しやすいことがあります。ただし、チェックリストはガイドラインの代替資料ではありません。理由や背景を飛ばして形式的に確認すると、後で例外処理や運用変更に対応しにくくなります。

どちらから読むべきか

経営判断や方式選定の前に全体像を把握したいなら、ガイドラインから読む流れが適しています。すでにテレワークを始めていて、未対応の対策を早く確認したいなら、チェックリストから入っても構いません。その場合も、未対応項目が見つかった段階でガイドラインへ戻り、方式差や役割分担を確認したほうが判断の精度は上がります。

ガイドラインで先に確認したい論点

7方式で整理している理由

ガイドラインは、テレワーク方式を7種類で整理しています。VPN方式リモートデスクトップ方式VDI方式セキュアコンテナ方式セキュアブラウザ方式クラウドサービス方式スタンドアロン方式です。方式が違えば、端末管理、データ保存、接続制御、障害時の影響範囲も変わります。

一方、チェックリストは、会社支給端末と個人所有端末を分けて8方式で整理しています。具体的には、VPN/リモートデスクトップ、クラウドサービス、スタンドアロン、セキュアブラウザの4方式を、会社支給端末と個人所有端末で分けています。資料によって方式数が違って見えるのは、整理の切り方が異なるためです。

ルール・人・技術を分けて考えない

テレワークのセキュリティ対策は、ツール導入だけでは完結しません。例えば、多要素認証を使っていても、対象アカウントが限定されていたり、端末側の保存設定が放置されていたりすると、期待した水準には届きにくくなります。ガイドラインを先に読む意味は、ルール、人、技術を別々の対策として扱わず、組み合わせて確認できる点にもあります。

役割分担を確認する

対策が継続しない原因は、技術不足だけではありません。誰が方針を決めるのか、誰が設定を変更するのか、誰が従業員へ周知するのかが曖昧だと、未対応項目が残りやすくなります。社内で読むときは、経営層、管理者、利用者のどこに判断や実施が集まるのかまで確認したほうが、後の運用を継続しやすくなります。

版数を確認する

同じ名称でも版が違うと、参照先が食い違います。総務省のテレワークセキュリティ関連資料として広く参照されているのは、テレワークセキュリティガイドライン第5版(令和3年5月)と、中小企業等担当者向けテレワークセキュリティの手引き(チェックリスト)第3版(令和4年5月)です。社内資料へ引用するときは、版と公表時期をそろえておくと混乱を抑えやすくなります。

チェックリストの使い方

先に自社方式を確認する

チェックリストは、手元の環境を確認せずに読み始めるより、先に自社方式を特定してから使ったほうが効率が上がります。会社支給端末なのか、BYODを含むのか、社内ネットワークへ直接接続するのか、クラウド中心なのかで、確認すべき項目が変わるためです。

未対応項目を洗い出す

方式を確認したら、未対応項目を洗い出します。その際、端末、認証、通信、保存先、緊急連絡、教育を分けて確認すると、未確認項目を拾いやすくなります。チェック項目は、対応済みの数を増やすためではなく、何が未整備かを明らかにするために使います。

中小企業で先に確認したい項目

中小企業では、一度にすべてを整えるのが難しいことがあります。それでも後回しにしにくいのは、許可した端末の把握、OSやソフトウェアの更新、認証方式の見直し、緊急時の連絡経路、端末暗号化、私物端末の扱いです。これらは方式が変わっても共通基盤になりやすい項目です。

チェックリストだけで済ませにくい場面

方式変更を検討している場面、BYODを認めるか迷っている場面、経営層へ説明が必要な場面では、チェックリストだけでは材料が不足します。理由の説明や方式比較が必要なら、ガイドラインへ戻って判断の前提を確認したほうが、社内合意を取りやすくなります。

ガイドライン・チェックリスト・実務記事の使い分け

公的資料は基準として有用ですが、そのままでは社内資料や運用設計へ移しにくいことがあります。使い分けは、次の順で考えると整理しやすくなります。

  • ガイドラインで、方式差、共通対策、役割分担を確認する
  • チェックリストで、自社方式に対応する未整備項目を洗い出す
  • 実務記事で、比較、選定、運用条件を社内判断へ結び付ける

例えば、全社へ説明する総論が必要ならテレワークセキュリティの基本、方式差を比較したいならテレワーク方式の比較、自社条件に合う方式を絞りたいならテレワーク方式の選び方へ進むと、社内説明の材料をそろえやすくなります。

逆に、実務記事だけで判断すると、公的資料で前提にしている条件や制約を見落としやすくなります。公的資料だけで判断すると、どの項目から着手するかが曖昧なまま残りやすくなります。両方を役割分担させることで、基準の確認と実行項目の整理を分けやすくなります。

まとめ

総務省のテレワークセキュリティガイドラインは、テレワーク方式ごとの違いと、共通して確認したい対策を整理するための基準資料です。チェックリストは、その考え方を前提にして、自社方式で未対応の項目を確認するための資料です。

読む順番で迷ったら、全体像や方式差を確認したい段階ではガイドライン、今すぐ未対応項目を洗い出したい段階ではチェックリストから入ると整理しやすくなります。どちらか一方で完結させるより、基準の確認と自社状況の確認を分けて使ったほうが、社内判断へつなげやすくなります。

よくある質問

Q.ガイドラインとチェックリストはどちらを先に読むべきですか。

A.全体像や方式差を確認したいならガイドラインから、未対応項目を早く確認したいならチェックリストからでも構いません。判断材料をそろえるには、どちらから入っても途中で両方を確認したほうが整理しやすくなります。

Q.ガイドラインは誰が読む資料ですか。

A.システム担当者だけに限りません。方針を決める立場、管理する立場、利用する立場のどこに判断や実施が集まるかを確認しながら読むと、社内展開へつなげやすくなります。

Q.チェックリストだけ対応すれば十分ですか。

A.十分とは言い切れません。着手には役立ちますが、方式差、役割分担、なぜその対策が必要なのかといった前提はガイドラインで補うほうが判断しやすくなります。

Q.7方式を理解しないと対策はできませんか。

A.基本対策の一部は先に進められますが、自社がどの方式に近いかを把握しないまま進めると、必要な対策と不要な対策が混ざりやすくなります。少なくとも、自社方式の切り分けは先に行ったほうが判断しやすくなります。

Q.中小企業では何を先にやるべきですか。

A.許可した端末の把握、OSやソフトウェアの更新、多要素認証の適用範囲の確認、緊急時の連絡経路、端末暗号化、私物端末の扱いの整理から着手すると、方式が違っても共通基盤を整えやすくなります。

Q.ガイドラインは古い資料だと考えてよいですか。

A.公表時期だけで判断するより、まず版数と内容の位置付けを確認したほうが安全です。社内へ配布する前に、どの版を参照しているかをそろえると行き違いを減らしやすくなります。

Q.実務記事は公的資料の代わりになりますか。

A.代わりにはなりません。公的資料で基準を確認し、実務記事で比較や説明を補う使い方のほうが、社内判断の根拠をそろえやすくなります。

Q.チェックリストを社内運用へ反映するときのコツは何ですか。

A.自社方式の確認、未対応項目の洗い出し、担当の割当て、期限設定、実施確認の順で整理すると進めやすくなります。確認だけで終えず、誰が何を確認するかまで決めると、運用変更時の不整合を抑えやすくなります。

Q.公的資料を読んでも実行に移しにくいときは、何から始めるべきですか。

A.自社の方式と端末の使い方を確認し、その方式に対応するチェック項目から先に洗い出すと着手しやすくなります。その後でガイドラインへ戻ると、足りない論点を補いやすくなります。

Q.BYODがある場合は読み方も変わりますか。

A.変わります。私物端末を認める場合は、端末制限、保存の可否、認証、紛失時対応、サポート範囲を会社支給端末とは分けて確認したほうが判断しやすくなります。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム