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ネットワークとは? 用途や仕組みなど詳しく解説

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム
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普段、ネットワークという単語を耳にする機会はあっても、その概要を正しく理解していると自信を持っていえる人はあまり少ないのではないでしょうか。インターネットをはじめとするネットワークの用途や仕組みなどについて、わかりやすく解説します。

ネットワークとは

ネットワークとは本来、人や組織同士がつながり合って情報を共有しあっている状態を指す言葉です。「地域ネットワーク」「人的ネットワーク」といった使われ方をします。交通、物流、通信などの分野で、しばしば網状に構成されている仕組みのことを表します。そのため日本語では「網」と訳されることが多く、「交通網」「放送網」「通信網」といった表現がよく見られます。

その中でもIT分野でネットワークといえば、主に「コンピューターネットワーク」のことを指します。ここでいうネットワークは複数のコンピューターがつながって情報(データ)のやりとりが可能になっている状態を意味します。

近年では、パソコンやサーバー以外にもスマートフォン、タブレット、さらにIoT化された製品などもネットワークに接続されています。有線だけではなく無線による接続も一般化しています。ネットワークの規模も、家庭内LANのような小さな範囲のものからインターネットのような地球スケールのものまでさまざまです。

ネットワークは何のためにある?

コンピューターを1台のみ(スタンドアローン)で使用していると利便性に欠け、用途が限られてしまいます。例えばアプリケーションを使って文書を作成したとしても、その文書を簡単に誰かに渡すことができません。USBメモリなどにコピーして渡す、あるいはプリンターで印刷して物理的に手渡す必要があり、頻度やリアルタイム性に大きな制約ができてしまいます。

これに対して、コンピューターをインターネットに接続していれば、メールを使って簡単に他の人に文書を渡すことが可能です。クラウドサービスを使って文書を共有することもできるでしょう。プリンターを使う場合も、LANにつながっていれば他のパソコンからでも同じプリンターを使用できます。

つまり、ネットワークは情報の共有、各種機器の使用、サービスの利用などをスピーディーかつ容易にするために必要されています。もしもネットワークが使用できなかったら、以下のようなことはできない、もしくはとても難しくなります。

  • メールの送受信
  •  Webサイトの閲覧検索エンジン利用
  • Webサービスの利用
  • クラウドサービスの利用
  • SNS
  • 動画サイト利用
  • マップサービス利用
  •  OSやアプリケーションのアップデート
  •  IP電話利用
  • Webカメラ利用 

ネットワークの仕組み

ネットワークを構築し、データ通信を行うにあたっては、裏側でさまざまな仕組み・取り決めがされています。その代表的なキーワードを3つ紹介します。

プロトコル

ネットワークで通信するために必要な共通手順や約束事のことをプロトコルといいます。異なるメーカーのハードウェアやソフトウェア同士でも正しく通信ができるよう、送受信の手順、信号の電気的規則、データの形式などを定めたものです。

プロトコルには目的別にさまざまな種類があります。インターネットで一般的に使用されているTCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)、Web閲覧などで用いられるHTTP(Hypertext Transfer Protocol)、メール送受信用に使用されるPOP(Post Office Protocol)・SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)などが代表的です。

OSI参照モデル

OSI参照モデルは、ネットワークにおいて異なる機種間でのデータ通信を実現するための国際基準です。国際標準化機構(ISO)という組織が策定しました。OSI参照モデルではネットワークの要素を7つの階層に分け、それぞれの機能や役割が定められています。

7層はそれぞれ物理層(第1層)、データリンク層(第2層)、ネットワーク層(第3層)、トランスポート層(第4層)、セッション層(第5層)、プレゼンテーション層(第6層)、アプリケーション層(第7層)となっています。

IPアドレス

IPアドレスはネットワークに接続したコンピューターなどの端末に割り当てられる住所のようなもの、とよく説明されます。ネットワークを介してデータのやりとりをする際、送信元と送信先を識別するために付けられる情報がIPアドレスです。

IPアドレスには大きく分けて、グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの2種類があります。

グローバルIPアドレスは、インターネットを利用するときに割り振られるIPアドレスです。これに対し、プライベートIPアドレスは、社内LANや家庭内LANなどの小規模なネットワークで端末を識別するためのIPアドレスです。

ネットワークの種類

また、ネットワークには以下のような種類があります。それぞれ概要を記します。

LAN

LANはローカルエリアネットワーク、つまり一定の限定されたエリア内で構築するネットワークです。通常、同じ建物内や敷地内のネットワークを指します。家庭内LANや社内LANが知られています。有線接続だけではなく、現在では無線接続(Wi-Fi)もよく利用されています。

WAN

WANはワイドエリアネットワーク、すなわち広域のエリアで構築するネットワークです。点在する多くのLANをつないで展開しますが、多くの場合プライベートなネットワークとして使用されます。

インターネット

インターネットは世界的な規模で相互接続された巨大なネットワークです。1990年代から広く使われ始め、2000年代に多くの国で普及して以降は社会インフラの一つとなりました。

イントラネット

イントラネットは企業内などの限られた範囲で利用可能な内部ネットワークを指します。インターネットと同じTCP/IP、HTTP、POP・SMTPといったプロトコルが用いられます。

LANは同一ネットワーク内でプリンターの共有や通信ができる仕組みですが、イントラネットはインターネットの技術を用いた限定的なネットワークだといえます。

仕事でもプライベートでも、多くの人が必ずといっていいほど日常的に利用しているのがネットワークです。ネットワークの基本を理解しておきましょう。

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム